村までの距離
ここで、少し 話が飛ぶ、何日分か。
今日から 私は一人暮らしだ。
タンタンさんが救護所と言っていた場所、つまり 私が土砂降りの夜に連れてこられた家が、マイホームとなった。
というのも・・
◇
最初は タンタンさんの村に行こうかと思ったのだが、
タンタンさん曰く、こっから タンタンさんの足で1日中歩き通し、人間なら最低でも3・4日かかるところにあるらしい。
「ということは、嵐の前日にお告げを受けたタンタンさんは・・」
「はい、急いで村を出て、ココについたときにはすでに嵐が始まっていました。
なので なんとか あなたが着いた「嵐の2日目の夜」に間に合ってよかったです」
「私もそう思う。
なんか 大変な思いをして迎えに来てくださったのですねぇ」
「まぁ それが 私の役目ですし、養父から受けた恩を返せたと思うと私もうれしいです。」
「うわぁ そう言われると 次は 私が案内人にならなければいけないのかしら?」
「案内人は あくまでも村人の仕事ですから。
それに 人間だと、お告げが出てからここへ来るのが間に合わないんじゃないかなぁ・・」タンタン
「そっかぁ 村も ずいぶん遠いのね」
「そうですか?
私たちにとっては、村と村を行き来するのに、片道10日くらいかかっても普通ですよ。そりゃ都の近くとかだと もっと近いのかもしれませんが」
「そうなんだ」
というわけで、しばらくの間、タンタンさんに付き添ってもらって、家での暮らしに慣れることにした。
だって 村に行っても 人間仕様の建物が無いから、とりあえずは この家での暮らし方を覚えてから、少しづつ 外出に慣れたほうが良いとタンタンさんが言ったから。
しかも ここから村に着くまでの道では 野宿しないといけないらしい。
わぉ!
私 キャンプは好きだけど、そんな1週間分の食料を背負って歩く自信はない!