牛の数
タヌ族研修生達が 村からやってくるときは、一応10日分の自分達の食糧を運んでくる。
担いでくるのは大変だから 1頭の牛に荷車を引かせて、そこに荷物を積んで。
そして、村に帰る時には、牛も荷車も うちの館に置いていくのである。
「え~~~!なんで?」 私
「いやぁ 村の周りには、野生化した牛が群れていて 邪魔なんです。
その点 ここは 放牧場があるから」若者の一人(A)が言う。
「秋になったら、牛1頭分を燻製肉にして 村へ持ち帰らせてもらいたいなぁ」若者B
「はぁ~~?」
(うちの牧場、持ち込まれる牛全部を養いきれるだけの草が生えているかしら?)そんな私の不安も知らぬげに、
「その分 畑仕事を頑張らせてもらいます!」勢いよく宣言する若者AB
「もともと、村にある台車は ここの館から持ち出したものなんじゃ。
だから それらを 返しに来たと思ってもらえばよい」
源吉さんの言葉に啞然とした。
(なんでも 落ち人が居ないときに、源吉さんやタンタンが、この館の敷地の手入れに来ては、裏山保冷場に保存しきれなかった収穫物や、牧場のキャパを超えた家畜たちを
タヌ族の村に持ち帰っては、食べたり 放し飼いにしていたらしい。
それで 徐々に タヌ族の村には 使わない荷車の小屋が林立し
タヌ族の村周辺には、野生化した牛と馬の群れが生存するようになったらしい。
その一方で 鶏とウサギは おいしく村人たちの腹の中に納まっていたそうな・・。)
というわけで じわじわとうちの館の放牧場には牛の数が増えていった。
そして 門長屋の空き土間は 荷車置き場と化していった。




