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落ち人:明日をも知れぬ運命  作者: 木苺
その1:プロローグ または「落っこちた」
2/97

泥落とし (間取りあり)

狸さんに連れられてお邪魔した家。


板戸をがらりとあけて入った家は 昔風の農家のような造りでした。


入るとすぐに土間があり、通路の左側には納戸なんど

通路の正面には、がりかまちのついた畳の部屋。


しかし今の私は泥だらけなので、畳の部屋には上がらず左折して

納戸に沿って奥に行き、長押なげしをくぐると炊事用の土間についた。

 もちろん この長押の上は土壁である。


なんと 井戸もかまどもある広い土間。

もちろん この土間もまた板の間をはさんで畳の部屋に接していた。


井戸の横にある勝手口を抜けると、床石をしきつめた差し掛け小屋のようになっていた。


狸さんは、差し掛け小屋の釣り台に提灯を刺し、

井戸から水を汲み、大きな桶に入れて、床石の上に置いた。


「今 火をおこしますから、

 あなたは、まず 泥を落とし、ぬれた服は全部脱いで、 これにくるまって土間に戻ってきて下さい。

 脱いだ服は 隅にあるたらいに入れておいてくださいね」

そう言って 狸さんは、隅にあった杭のようなところに、タオルと浴衣のようなものをひっかけ、勝手口から土間にもどって 戸を閉めた。


提灯のぼんやりとした明かりの中で眼を凝らすと、

ここは差し掛け小屋ではなく、壁と蔀戸しとみどに囲まれた部屋だった。 石畳だったので、てっきり、家の外かと思ったら、こここも家の中の一部だったようだ。


挿絵(By みてみん)


(風呂のたき口は、防犯と冬の暖房を兼ねて台所側にあります。

 通風を考えれば 外側にあった方が良いうのでしょうが・・)


そして部屋の片隅にたらいが置いてあったので、そこに濡れた服を入れ、

桶に添えられていた柄杓(ひしゃく)を使って、手足や 髪についた泥を流した。


 ウーサブ!

 ほとんど 水垢離みずごりだよ


泥交じりの水は、石畳と蔀戸の境にある溝に流れ込んで入った。


それにしても 狸さんて ゆったりと動いているように見えて

用事をするときは 実に素早い身ごなしだなぁ。

大桶の水を運び込んだら、あっというまに、乾いた服とタオルを取りに出てもどってきたもの。

 なんて思いながら 体をふき 浴衣をまとって細帯を締めた。

 

あいかわらず ザーザーと激しい雨音がする。

少し心細い。


暖を求めて、土間に戻った。

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