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落ち人:明日をも知れぬ運命  作者: 木苺
    食糧確保と保存・賞味期限
14/97

2日目はスープづくりと台所仕事

昨日は 良く動いたので、今日は室内でゆっくりしたい。


だけど 朝一番のお仕事として 鳥たちの様子を見に行かなくては。

 バケツに 水を組み入れ、ひしゃくを持って出発


飼育場の雌鶏5羽とうずら3組は いずれも元気そうだった。

 各自の水入れの中の水を入れ替え。


 飼育場には イネ科・マメ科・アブラナ科の植物(いわゆる牧草)が茂っているので

 当分 餌は無くても大丈夫かな?様子をみてみよう。

  まだ、餌の作り方を調べていないし(;'∀')


鶏たちはそれぞれの巣で卵を1つづつ産んでいた。

 なので 1個だけ失敬した。

 毎日 卵をぜんぶとっていったら 鶏たちが 卵を産む意欲をなくすと困るから

  それとも つがいになってないフリーの雌鶏なら 卵をとられても気にしないのかな??


◇ 


・朝ごはん、

昨夜作ったウサギ肉のシチューを温めて青梗菜とお肉を追加。

 

ヤカンで湯を沸かし、冷ご飯は湯漬けにしていただく。


お湯が残ったヤカンは 作業台へ。

 これ 中身がさめたら「湯冷(ゆざ)まし」になるね

 井戸水なら そのまま飲んでもよさそうな気がするけど。


茶の葉は 使ってしまうと、いつどのように補充できるのかわからないので、

もう少し暑くなるまで使わずにおいておこうと思う

 (茶の抗菌・防腐効果に期待して 夏の飲み水保存対策に使用するつもり)


・食器と空になった鍋は 井戸の横にある流しに持って行って洗う。


 洗剤はない。

 なので 食器は 目の粗い麻の布巾(ふきん)でこすりながら水洗い。

 コメのとぎ汁を使えば、シチュー皿などの油分もばっちりとれる。


 そのあと 鍋など調理器具を洗う。


 昨日は お釜を洗ったけど 今日は空になった鍋。


 外側のすすの付いた部分は、棕櫚しゅろの繊維を束ねたたわしでこすり落とす。


 棕櫚の繊維は 棕櫚の木の樹皮をほぐしてとるのだが

 熱帯のココヤシから繊維をとる場合は、ココナツの実(結構大きい)割って、中の汁を飲んだり可食部分(実の内側の白い部分)をはがしたあとのからを4~6週間水につけたあと、繊維部分を分離するのだそうだ。

  だいたい ココナツ一つから亀の子たわし1個分の繊維が取れるのだとか。



ココヤシの実の殻の繊維部分を利用するのは ある意味 廃材利用のエコだよね。


シチューを作ったあとの鍋の内側は 肉から出た油脂分がくっついているので

糠袋ぬかぶくろで洗う。


ほんとは シチュー皿も糠袋で油分を落としてから すすぎ洗いの時に麻布巾を使えばよかった><

 まっ 糠袋もコメのとぎ汁も 油分を落とす働きをするのは 糠の中に含まれている成分に変わりなし(笑)


あー そういえば コメ糠は 酸化しやすくて、精米してから 冷凍庫で1~2か月、冷蔵庫で2週間しか持たないんだった。


使用期限が切れたぬかは お掃除用に回さなければいけなかったんだ><


米ぬか美容法で使う時は ぬか漬けなど食品利用するときと一緒で常温1日(夏)~1週間(冬)が使用期限だった。orz



うわぁ~ 自然素材活用型生活というのは ある意味 保存期限との戦い

きっちり日誌をつけて管理しないといけないんだ><

 だって 米ぬかの酸化状態なんて 見ただけでわかんないんもん、私現代っ子だから。


 もしかして ここでも 鑑定君を使って 健康を守るとともに 己の鑑定力をあげないといけないのかな・・。


 視点を変えると、ぬか床として長期利用するために 糠と塩をまぜて発酵させるって すんごいなぁ 昔の人の暮らしの知恵!


・あ そうそう、生糠を弱~中火で3分くらいって、「入り糠」にすれば 冷蔵1か月 冷凍3か月になるんだった。


 でも 入り糠にしても 吸湿性が高まるから 常温保存はあまりお勧めされないだっけ・・?


 はぁー むかし 飢饉のときに糠を食って死んだ人が多発したというのは

結局 古くなった糠の酸化成分にやられたんだろうなぁ。


 だから救荒食物とするために糠の利用法を試行錯誤した人は

 あく抜きに灰を使ってなおかつ糠を炒ったりあれこれ試したんだ・・

 あの文献を読んだときは あまりの煩雑さに目を回して まっいいかぁと読み流してしまい

 詳細を覚えていない私。今から思うと 愚かだったな。


なーんてことを 鳥ガラスープを作りながら、ぼーっと考え込んでしまった。



◇鳥ガラスープの作り方◇


  鳥1羽分の骨を大鍋に入れて たっぷりの水で火にかける

  今回は 保存庫にあった ショウガを薄切りにして水から入れました


  沸騰後は ちょいちょいアクを(すく)うのが澄んだスープにするコツ


  保存性を考えれば塩をちょっと入れたほうがいいんだけど、冷蔵保存するなら塩なしの方が 料理にあわせて調味しやすい。(それが減塩のコツにもつながる。)


  同じ理由で ニンニクやネギも入れなかった。


  大人数でスープとして使いきるなら ネギとショウガ あるいは ショウガとニンニクの組み合わせが 中華の定番なんだけどねぇ。


  鳥1羽分の鳥ガラスープを和洋中さまざな料理に使い分けるなら

 何も入れない方が使い回ししやすいと思う。


 今は 私にとっての基本の調味料ともいえる 煮干し・鰹節・昆布が使えないから 今回は、ショウガを使ったスープストックにしたけれど。


 冬なら シチュー用に ショウガの代わりにローレルの実を仕込んでも甘味のあるスープになっておいしいんだ♬

 個人的には ローレルとニンニクの組み合わせが好きだ♡


・とりあえず 鍋1杯分のスープを()しとったあと、容器に入れて冷ましている間に、鳥ガラの2番だし(笑)


 鳥ガラに新たな水と芋・大根を入れ、沸騰したスープで ささみを湯がいて取り出し冷ます。このささみは ゴールドチキンとして晩御飯のおかずに。


 ささみを取り出したあとの、まだ沸騰を続けている鍋の中に青菜をくぐらせて取り出す。

  これも冷まして 夕ご飯のおひたしに。


 そろそろジャガイモも良い感じに火が通ったので、昼食分の鶏肉を入れて火からおろす


・本日のおひるごはんは

  鶏肉・じゃがいも・大根の煮つけ

  (厚揚げと調味料があればおでんになったのだけど、

   今回は 素材の味のハーモニーを素朴に楽しもう)


  鳥ガラ2番だしと冷ご飯&卵で作った 鳥雑炊

   雑炊の色どりに大根葉を 少し刻んで入れた。

   ショウガと大根のとりあわせって、案外すっきりとしたスープになるから好き。


◇大根1本から◇

・大根もまた 庭に生えているのを 丸ッと1本収穫した。


 じゃこがあれば、大根おろしの和え物にするのに~ と思いつつ


 大根の首の方3分の1は輪切りにして、鳥ガラ2番だしをとる時に 一緒に煮込んだ。

 その一部を昼ご飯の煮つけの一部として食す。


 鍋に残った大根を小鍋にとりわけ、2番だしを少し小鍋に移し、

 砂糖と醤油で味付けをして一煮立ちさせたあとは、火からおろして冷ます

 十分に冷めたら、汁ごと大根を容器に移して冷蔵保存。

  これは 明日のおかずにしよう、

   つゆのしみた大根の柔らか煮、冷やしてもおいしいのだ


・大根2/3は 針千本に切って、酢につけてなますに。

  今回は贅沢して 砂糖もちょっぴり付け加えた。

 

  (買い物すら気軽にできない環境では、自家生産できないものの消費には気を使う。)


 これは 2・3日後のお惣菜ね。



・フー疲れた。

  昔の主婦が 多くの時間を台所仕事に費やしていた理由が分かった気がする。


  保存のための食品加工、

  限られた食材・調理環境の中で味のバリエーションを出すためには いろんな工夫が必要だもの。


  そして もったいない精神で 食材を余すところなく食べきるための工夫も!


・あっ いけない 新鮮なうちに 大根の葉と茎を「ふりかけ」にしなくては!


 というわけで、収穫後 洗ってざるにあげて、陰干ししていた大根葉を細かく刻んで、

 ごま油でいためて しんなりしたら醤油をまわしかけて、

 火からおろしてすりごまをかけて 混ぜ混ぜしながら荒熱をとったあと別容器へ

 冷めたら冷蔵保存1週間可。

  この家に ゴマすり機があって 良かった。

  明らかにプラスチック素材のごますり器

   これがなぜここに?と思わなくもないけど 深く考えないでおこうw


 だって、「お手伝い」としてすり鉢とすりこ木でゴマをするのは 見て楽し♡香りが立ち上る瞬間にワクワクの大好き♡な作業だったけど、一人で食卓の用意をしている時は 正直面倒な作業なんだ。

 一人ご飯の準備って 使った道具の洗い物も減らしたい・一つ一つの作業にかかる1分1秒を減らしたい省略できる手順はできるだけ省こう!と思っちゃうから><


  そしてあらためて じゃこ または 鰹節が欲しい♡と思う。

  それに 豆腐・薄あげ・厚揚げも!!


 厚揚げがあれば おでん! 

 薄揚げがればごく細に切って、じゃこの代わりにふりかけに使えたのに!


・本日の夕ご飯は、

  炊き立てご飯 大根のふりかけつき


  大根の煮つけ(冷えたのん)と青菜のおひたし


  コールドチキン


なんか 料理をしているうちに1日が過ぎた感じ。 寝よ

(参考)


・「湯浅丈太郎」(かつおきんや作 梶山俊夫画「白いにぎりめし 短編集」1972年初版 牧書店)

   飢饉のとき、藁・糠・あわの皮 の食べ方を研究した。

    加賀藩の歴史資料書として残っているらしい


   米ぬかのあく抜きには すやきの皿を砕いて使った

   (未処理の糠を食べると 3日で青ぶくれして死んだとのこと)


・たわしの素材:亀の子束子

 https://www.kamenoko-tawashi.co.jp/learn/material#:~:text=%E3%81%9F%E3%82%8F%E3%81%97%E3%81%AE%E4%B8%BB%E3%81%AA%E7%B4%A0%E6%9D%90%E3%81%AF%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A0%EF%BC%88%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%84%E7%B9%8A%E7%B6%AD%EF%BC%89&text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E7%94%9F%E8%82%B2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE,%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%83%A4%E3%82%B7%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82


 このサイトでは 亀の子たわし発明秘話ともいうエピソードもあり面白かった。

 明治の発明品だったんですね。

 亀の子束子のサイズは、発明者の妻の手を参考にしたのだとか。


・米ぬかの利用法 (こめむすび 2022年4月18日 2024年4月9日)

https://kome-musubi.jp/how-to-use-rice-bran/#index_id3


・炒り糠とは(ぬかライプ)

https://nuka-life.com/nukazuke/rice-bran/


・大根葉のふりかけ

https://mi-journey.jp/foodie/67105/ 

 ↑のレシピにある唐辛子と砂糖は お好みで入れなくてもだいじょうぶ!


 ゴマは 粒のままでは消化されにくいので、

  栄養分をしっかり吸収するには すりごまにする必要がある。


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