表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

あいさつは大事だよね。

誰かの声が聞こえた。

 「谷口!」

 「はい!」

 「大丈夫か?体育館に集合だぞ」

 「志田か・・・ちょっとうとうとしてた」

 「珍しいな。歩きながら他のやつにも今日の花見のこと声、掛けようぜ」

 「そうだな。まずは知ってる顔から声を掛けるか」

 守道が廊下に出るとすでにクラス全員が並んでいる。二人は最後尾に並びまず前にいた三人の生徒に話しかける。

 「よう!春休み元気にしてたか?」

 三人のうちの一人が返事をする。

 「なんだ志田か。久しぶり谷口も」

 「久しぶりだな山中。そっちの二人は?」

 「こいつらは俺の部活仲間だよ。メガネ掛けてるのが佐藤でロン毛が山田」

 「よろしく僕が谷口でこっちが志田だ。二人とも山中と去年クラスが一緒だった」

 「よろしくな」

 あいさつも程々に歩きながら今日の予定を三人に聞く。

 「午後からは俺たちは部活だな。と言っても明日の入学式後の新入部員勧誘のポスターとかの確認だけですぐに解散するけどな」

 「不真面目な部活だからな俺たちは」

 笑いながら三人が答える。

 「ちょうどな。俺たちクラスの顔合わせ会も兼ねて花見しないかって今、誘ってるところだったんだよ」

 「俺らで何人目?」

 「まだお前らが初めてだよ。高橋と松本さんは来るけど」

 「女子が来るなら行くよ」

 山中が即答する。それに釣られて他の二人も乗ってくる。

 「悪いんだけど知ってる奴らに声を掛けてくれるか?」

 「いいけど女の子はお前らが掛けろよな」

 「わかったよ」

 結局、部活や塾がある人間を覗いた殆どのクラスメイトが話に乗ってきたこともありかなりの人数が集まった。

 校長の長い話、生徒指導による注意事項など退屈な始業式は滞り無く済み教室に戻ると山中が守道と志田を見つけて寄ってくる。

 「おつかれ。校長の話長かったよな。俺、途中から寝てたぜ」

 「立ったままよく寝れるな。で、そっちはどうだ?こっちは一応、女子全員に声掛けたけど大体みんな来るってさ」

 「それだけ女子を集めるなんてやるじゃんか。こっちも用事が特に無いやつは全員参加するってよ」

 「まぁほとんどが高橋さんと松本さんのおかげだけどね。僕らは男子がほとんどだよ」

 「それをばらしたらだめだろ谷口。山中に俺がモテないことがばれるだろうが」

 「もうバレてると思うわよ」

 「高橋さんおつかれさま。声掛けるの手伝ってくれてありがとう」

 「いいわよ。せっかくやるなら多いほうが私たちも楽しいし。それより食べ物とかはどうするの?」

 「その辺は谷口が考える。幹事だからな」

 志田に急に振られてしまい一瞬困ってしまったがすぐに思いつき答える。

 「じゃあ参加者全員から五百円だけ貰ってそれで買ってくるよ」

 「それだけで足りるの?」

 いくら人数がいるとはいえ五百円は少なすぎる。高橋はそう思ったのだろう。志田たちももう少し出そうか?といった顔をしているが

 「心配ないよ。うちの近所のスーパーなら安く買えるし足りなければ僕と志田が出すから」

 「俺もかよ!!」

 というツッコミは全員がスルーして高橋たちには場所の確保をお願いする。

 「じゃあ俺も谷口たちと買い物に付き合うよ。流石に二人では持てないだろうから荷物持ち手伝うよ」

 「山中が行くなら俺らも手伝うぜ」

 佐藤と山田が声を掛けてくる。

 「私たちは何人かにお願いして場所取りに先に行ってるわ」

 「りょーかい」

 丁度、段取りが決まった頃に見計らったように担任が入ってくる。

 「お前らー席につけよー楽しい計画を考えるのも構わんが先生の話もちょっとは聞いてくれ」

 どうやら外で聞いていたらしい。時計を見ると少しホームルームの時間は過ぎている。話がまとまるのを待っていてくれたようだ。なかなか優しい人だな。そんな安易な感想を守道は持ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ