1K7万円オートロック付き
自分の使命は何だろうか。
本当にやりたい事は何か。
達成したい事はなんなのか。
ふと一人になると、将来の不安が頭を一杯にした。
『あっ、竜馬おはよー』大学には挨拶だけを交わす挨拶友達がいる。
なんて表面上だけの世界なんだ。
『おう、みゆき、おはよう』そして僕も返事をしてしまう。
そんな自分が嫌いだ。
なんで、挨拶をするんだろう?その子の事を知ってるという事を周りにアピールしてるのか、それとも僕はある程度のコミュニケーション能力を備えていて、充実した生活を送っていることのアピールなのか。
どちらにしても、僕は、そして僕達は誰にアピールをしているのか。
バカらしい。
本当にバカらしい。
『拓馬おはよう!』なんやねん。
わからないけど挨拶を交わす。
それが大学生だ。
授業に出る。友達に囲まれる。適当な話をする。
ここで言う友達は、高校までの『友達』とは違う種類の友達なのだ。
気持ち悪い、とても不自然な、それでいて必要性の高い、でも人生においてきっと通り過ぎていく友情なのだ。
しかし、彼らと時間を共にすると、将来の不安は一瞬で消えてしまう。
そうか、その為の仲間なのかもしれない。
そして、僕の2列前には、密かに憧れている山本さんが座る。本当に声をかけたい人には、結局簡単には声がかけれない。
僕は彼女と仲良くなることは出来ないが、きっと僕の人生で一番憧れる相手なんだと思う。
人間なんて、青春なんてそんなもんだ。
僕は一人になると将来で不安になる。
彼女を見ていると、将来を頑張りたくなる。同じ土俵に上がりたくなる。勉強を頑張る君の姿を見て、勉強が苦手な僕が勉強をする。
青春なんてそんなもんだ。
なんで二回言ったんだろう。
帰ろう。
1k7万円のマンションに帰ろう。ここはオートロック付きだ。