5. いつもの朝
Zzz...寝起き更新です( ˘ω˘ )
短めです...
瞼を通して射す光に眩しく思い目を覚ますと、そこはマリーがいつも寝ている自室だった。
薄っすらとカーテンから漏れた光が、自室全体を明るく照らす。
心持ちかいつもより身軽な体をベッドから起こすと、まだ冷めない意識のまま自室の扉を開けた。
扉を開けると、待ち受けていたのか扉の前にサフィアが立っていた。
「お嬢様、靴をお履き下さい...」
そう言って部屋を出てきたマリーを肩を掴んで部屋に押し戻すと、ベッドの下で脱いだまま放置された靴を手に取った。
「・・・お嬢様?靴をお履き下さい」
「えっと...」
そう言って当然のごとく、足を差し出すように目を配らせた。
他の貴族の娘がどうかは知らないが、こういうものなのだろうか。
マリーは仕方なく足を差し出すと、サフィアの手によって自動的に靴を履かされる。
「ねぇ、サフィ?私は自分で履きたいのだけれど・・・」
「お嬢様いけません。これはお嬢様に仕える私目がすることなので...」
そう言って靴下を履かされ、靴に足を入れた。
はっきり言って、自分で履いた方が楽だし時間が掛からないのに、他人に履かせるメリットがわからない。
(あっ...でも少し気持ち良いかも)
サフィアによって履かされた靴下と靴は、自然と自分で履いた時より丁寧にされたおかげなのか妙にフィットして気持ちが良い。
自分の足を眺めながら心の中で密かに思う。
しかし傍から見たら丸わかりだったのだろう。
近くにいたサフィアはそんな様子のマリーにクスリと微笑んだ。
「フフフッ...お嬢様は素敵なお方です」
「んもう!からかわないでよ!!」
何だろう。
いつもよりサフィアとの距離が近い気がする。
「サフィ?何か良いことがあったの??」
サフィアの様子を感じ取り、何か良いことがあったのではないかと聞いた。
するとサフィは少し驚いたあと微笑む。
「お嬢様は相変わらずですね...」
「んもう!だから、からかわないでよ!!あとお嬢様は何かむず痒いんだけど!!」
「いえ、それだけはお譲りできません。私はお嬢様に一生を持って仕えると心に決めたので...」
真剣な表情をして、左手を胸に当てながら目の前に跪く。
「ん~・・・。まぁ良いけどさぁ...」
(そこまで忠誠を誓われるほど、何かしたわけでもないんだけどな~・・・)
内心むず痒そうに悶えながらも、目の前で跪かれて断ろうにも断れない。
マリーは一向に動じる様子がないサフィアのことを仕方なく諦め、食事をするために自室を出た。