2話目!
昇格パーティ明けの朝、おっさんはギルド脱退することを受付嬢にいう。
30年続けてきたベテランに変わりないおっさんを引き留めようと...ギルドマスターまでもが言ってくるがおっさんは自由に生きると決めた。冒険者はそれなりに自由ではあるが高ランクになると使命依頼や緊急依頼に駆り出されることがある。唯一のスキル幸運が機能していたのかは知らないが何とか生き延びてはいるがいつ死んでもおかしくないのが緊急依頼なのだ。
不要になった装備を一部ギルドに譲り、おっさんは冒険者をやめた。
おっさんが冒険者ギルドから出た後に向かうのは世話になった人たちの元だ。長年この街で暮らしていたから知り合いが多くいる。出会えた知り合い全員に旅に出ることを告げ、おっさんはようやく旅支度が終わったのだ。
おっさんが荷物をまとめいざ出かけようとし時に知り合いの一人が言う。
「おっさん、元気でやれよ?おっさんがいい人たちと巡り合えることを女神像に祈っておくぜ。っとどうせならおっさんも祈っていかねぇか?旅に向いてる女神さまはいないけど遊の女神様なら何かスキルくれるかもしれないぜ?」
女神様は一柱ではない。冒険者に向いてるスキルをくれやすいのが戦の女神、商売で有利になるスキルをくれやすいのが商の女神。物作りに向いたスキルをくれやすいのが創の女神。そしてまったく関係性のないスキルを稀にくれるのが遊の女神である。
おっさんは女神像に祈るのは30年ぶりだと思いながら頷く。二人で女神像の前まで行き...祈った
これがおっさんの人生の大きな分岐点だったのだ。