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それなりの実力者のおっさんは旅に出る  作者: 辺境の村人N
始まりと旅路
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1話目!

冒険者ギルド1階。酒を飲み、喧嘩し、賭け事をし。

時にギルドマスターに怒鳴られ退散する。

夜の冒険者ギルドは今日も賑やかである。


1人の冒険者がA級に昇格し今日は昇格パーティーとしていつも以上に人が集まる。ギルドで唯一のA級なのだ。盛り上がらないわけがなかった。


そんな冒険者ギルドの端の席、1人のおっさんが酒を飲む。

15歳から加入できる冒険者ギルドに12歳から無理に頼み込んで入り10年でB級まで上り詰めたおっさんである。


加入から30年が経つ今も変わらずB級止まり。降格もしてないが昇格もしてない。今日ついに後輩に抜かされ祝いつつも釈然としない気持ちを抱えて一人で飲んでいた。


後輩はスキルを3つ持っていて自分は1つしかもっていない。その差が出たのだとおっさんは分析していた。


スキルというのは女神の像に祈ることでごく稀に手に入るものである。危険な冒険に出掛ける直前の祈りが特段に手に入りやすいらしく安定思考でひたすら雑魚モンスターを討伐して生活していたおっさんには女神の像を祈る機会が無かった。


後輩は時々格上のモンスターに挑みその前に祈りを捧げていた。

そのおかげでスキルが3つも手に入っていて特に後輩の切り札である突き特攻というスキルは正面からの突き攻撃が大幅に強化される。


ただでさえ突きというのは危険なのに後輩が使うとアイアンゴーレムぐらいは貫通する。木の棒で、だ。


スキルというのはそれほどまでに強さに直接影響する。後輩は3つ待ってるのに対しおっさんは1つ。しかも幸運といった直接戦闘に関係のないスキルだった。


幸運は良いことが起きやすくなるスキルとしか分かっておらず極端に幸せになれるほどのスキルでもなかった。それでもB級まで上がれたのは努力があってのことだった。


20年かけても上がれなかったA級に後輩がなりついにおっさんは冒険者としての自分の限界を認めた。これ以上は何をやっても無駄だと思い冒険者引退を決めたのだ。

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