第2話
「いてててっ」
頭の痛みに目を開けるとそこは洞窟だった
しかし、じめじめした湿気などはなく、目のまえは見えるくらいには明るかった。
「どこだここ?」
答えは分かっていた。しかしそんなはずはないと感情が訴えるが光と同時に情報が頭に叩き込まれた感覚がそれを否定する。そして目のまえに落ちている何の変哲もない剣をみて完全に状況を理解した。
「これが15個目のダンジョン、転生の間」
そしてこれから行うことはダンジョン探索である。不思議とゴールを目指せばいいことがなぜか分かった
このダンジョンは1階層しかない本当に転生のためのダンジョンだ。僕は、この先へと向かわなくてわならない、そして奥に何かが待っている。そう分かった
「とりあえず移動しようか。」
そういい剣を拾いながら歩くと――ポニョン
突然影が襲った。神夜は勘を頼りに転がった。
それが功をなしたのか相手との距離をとることができた。そして相手の全容を知ることができた。
それはまるで大粒の雫が固まったような青い粘液、スライムだ。
「これが、魔物」
そう言い神夜は口角をあげた。
襲ってこない神夜にしびれを切らしたのかスライムは、とびかかってきた。しかし戦闘訓練を積んでいる神夜からすると
「遅い!}――ザシュッ
横にスライドしながら縦に一閃
すると何か固いものを切った感触とともにスライムを真っ二つにした。切られたスライムは地面に落ちるととけるようにスライムは、地面へと消えていった。
「なんだこれ?」
かがんで拾ったのは、色が何色にも代わって見える不思議な小指の爪ほどの石だった。その時だった
シュッっと風を切り何か液体が足元に飛びジューとおとをたてた。
「酸か、飛び道具もあるんだね」
そういい神夜の目の前には新しいスライムが三体いた。しかし動きが神夜には、見えてるのは変わらないので三つの固い何かを切り終えすぐに倒してしまった。
「やっぱ毎回落とすんだね」
つぶやきながらとりあえず集めとこうとすべてポケットに入れといた。
「倒しても倒しても減らないなぁ」といいながらダンジョンを進んでいると不意にポキッという音がダンジョンにこだました。視線を下げるとそこには半分に折れた剣の姿があった。
「え、、、、、、」
これには流石に一瞬思考がとまった
「やばいぃぃぃぃ」
思考が追いつくと同時に焦りが生まれた。これって弁償なのかなとなぜかふと思ったが
まずは安全を確保しなければと、少年はスライムを無視し、とりあえず安全な場所を探した。
「そんな都合よくいかないかぁ」
ぼやきながら角を曲がると、扉のついた部屋らしきものを見つけた。
こんなところに扉を見つけた神夜は、一瞬なにかの罠かと思ったが
神夜はええーいとその扉に駆け込んだ
「うっ、まぶしい」
ダンジョンの薄暗さとは無縁の明るい光に目を思わず細める。すると
「お、久しぶりの人間がきたさね。イーヒッヒ」
ぼろ布のローブをかぶり腰が曲がっていて顔が判断できない老婆ともつかない洋装の者がいた。
神夜はそんな人物をみて少し警戒心をあげた
「ここは?}
恐る恐る聞くと
「イーヒッヒ、ここは、魔石交換所だよ。ちなみにこのダンジョン限定さね」
聞いたことのない単語があった。
「魔石ってなに?」
思わず聞いてしまったらあっさりと答えが帰ってきた。
「あんたのそのポケットにあるやつさね」
ッ!!まるですべて知ってるかの物言いに少し動揺した。
「そんな驚くことじゃないさね。イーヒッヒ、その魔石と武器を交換できるけどするかい?ただし交換は一回のみだよ」
「じゃあどんなのがあるか見してくれないかい」
「それはできないさね。イーヒッヒ、この場に魔石の量に見合った武器しか出せないからね」
この老婆のことだこの量で魔石と交換したら弱そうな武器になるに違いないと思いなにか手はないかと考えた。
「じゃあ後で交換しに来るってことはできるの?」
「おすすめはしないよ。そういって戻ってきたやつは0さね。イーヒッヒ」
武器がなければ酸が詰まっているであろうスライムには勝てないだろう、だからいままでこの状況から抜け出せた人はいないのだろう。しかし神夜には一つ思いついたことがあった。
「じゃあ行ってくるー」
と軽く出ていった神夜に対し、そんな老婆は神夜の内心を知らないため
「ありゃりゃ、十年ぶりの客が言っちまったさね。」溜息だけが残った…