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豚だけど?

 少しだけ不機嫌になってしまった橘だったが、地下鉄の車両に乗る頃には、いつも通り俺に憎まれ口を叩いていた(楽しそうに)。


 電車の中ではさすがの橘も静かにしていた。だが二人で並んで立っている状態で静かになるとそれはそれで気まずい。俺は所在なさげに視線を動かし、何も見えない地下鉄の窓の外を見たり、車内の広告を見たりしていた。


 ある駅の手前で車両が減速したとき、バランスを崩した橘がこちらに倒れかかってきた。

 水槽は床に置き手は空いていたので、橘のタックルを受けずに済んだ。


「ごめんなさい」

 橘は動揺したように言った。

 嗅ぎなれたはずの彼女の甘い香りが鼻腔を刺激する。


 普通の対応をされるとこちらも間合いを測れず困る。ヒューと音を鳴らして電車が止まったので「いい加減離れろよ」と言おうとしたところ、

「今のは慣性でぶつかっただけだから」

 橘はそう言ってぱっと離れた。

 そして気まずそうに視線をキョロキョロさせる。

 

「物理は俺のほうが成績いいんだからそんなことくらい言われんでもわかってる」

「ここぞとばかりにマウントを取ろうとするのやめてもらえる?」

「マウントを取るってなんか響きがエロいな」


 橘は胡乱げな表情をして、

「変態」

 と言った。


 意味がわかっちゃうあたり橘も相当だと思うんだが。


 何駅か進んだところで俺たちの前に座っていた人が降車したので、橘に座るように合図を送ったら、

「顎で指図するのやめてもらえるかしら? 私はあなたの女房ではないのよ」

 と言って、俺の真似をして顎をクイッとしてきた。


「……座れよ」

 空いている席の前であほみたいに立っている道理はない。他の客もほとんど席についている。

「あなたに上から見下されるなんて嫌だわ」

 断る理由が少しおかしい。

「……それに、水槽を運んで疲れているのだから、花丸くんが座ればいいじゃない」

「こんなでかいの持って座ったら他の人の邪魔だろ。いいから座れよ、これくらいなんともないから」

 今は足に挟んで床においているわけだし。


 橘はまだ何か言いたげだったが、車内で声を出すのは躊躇われるのか、しぶしぶ座った。


 立っている俺と座っている橘。橘が俺を見ようとすれば、自然上目遣いになる。

 クーラーが入っているとは言え暑いのか、橘の顔は上気したように赤くなっている。

 橘の首筋を流れる汗をガン見していることに気づいた俺は、慌てて目をそらした。


 ようやく目的の駅について、橘の住むマンションに歩き始めた。


 橘の部屋に入ってから、水槽をとりあえず下ろしたところで、

「設置まで済ましちまうか?」

 と尋ねた。

「……今日はずいぶん優しいのね」

 橘は怪訝そうな顔をした。

「この俺という人的資源が名古屋まで移動してきたというのにケーキだけ食って帰るというのは、マネジメント上由々しき事態だからな。あと言っとくが、俺はいつでも優しんだぜ」

「ごめんなさい。ちょっと何を言っているのかわからないわ」

 コミュニケイションって難しんだなー。


「……どうする?」

「……お願いします。……制服を汚したくないので着替えてきてもいいかしら?」

「ああ」

 そう言って、橘は着替えのある部屋に向かおうとしたのだが、ドアを開いて立ち止まってこっちを見てから、

「覗いたら責任取ってもらうから」

 と言ってバタンと締めた。

 どんな責任の取らされ方をするのかと思うと、寒気がしてならない。とりあえずまともに歩けなくなりそうではある。

 美人な同級生の女子が、一つ扉の向こうで着替えているという状況に心が動かされないわけでもないが、些細な好奇心のために性犯罪者と後ろ指さされる人生を送るのは、御免こうむりたい。


 橘が着替えている間、先に準備を進めていた俺だったが、鈴を鳴らしながら、こちらに近づいてくるものがある。猫を飼っていたのかと思い、音のする方に目をやった。

 体の色が薄ピンク色だ。そんな猫がいたのかと思い、よく見てみたら……ん?


 ぶ、豚?!


 ちょうどそのときになって着替えを済ませた橘が部屋から出てきた。涼し気なワンピースを着ている。

「何これ?」

 俺は小さな豚を指さして橘に尋ねた。

「豚だけど」

 そんなこともわからないの? と言いたげな感じで彼女は答えた。

「んなもん、見りゃわかるよ。お前豚飼ってんのか」

「いいえ、とんかつは昨日よ」

 豚を飼う≠豚を買う。

「……愛するペットの前で、その冗談はやめようぜ」

「可愛いでしょう。マイクロブタのもときよ」

 マイクロブタ? ミニブタより更に小さいということか。いや、それより……。

「……ペットに人の名前つけんのやめてくんない?」

「もときが喋った?! 豚なのに」

 ……

「もときったら、すぐに私の体を舐めようとするのよ」

「事情知らないやつが聞いたら、俺が変態行為に及んでいるように聞こえるんだけど」

「それはいつものことじゃない」


「もときは私のこと大好きなのよねえ?」

 そう言って慈愛に満ちた表情で豚をなでている。

「プゴッ」

 俺は一体何を見させられているんだ?


 ペットの豚に同級生の名前をつける女子高生。

 なんだか狂気じみたものを感じる。


「もときと呼んだんじゃ、俺なのか豚なのかわからんだろ」

「あなたのことは花丸くんと呼ぶもの。……でもそうね、もし下の名前で呼ぶ機会があれば、もとき(人間(かっこにんげん)(かっことじる)と言うわ」

「そこは普通、(人間(かっこにんげん)(かっことじる)じゃなくて(豚(かっこぶた)(かっことじる)だろうが」

「え? やっぱりあなたって豚だったの?」

「違うそうじゃない」


「で、ほんとはなんて名前なんだ?」

「だから、もときだってば」

「……まじ?」

「ええ。万が一、花丸君と二人で歩くことがあったときのため、周りから好奇の視線で見られることに慣れておこうと思って」

 ……。


 俺の、微妙な顔を見てか、

「冗談に決まってるじゃない。もときは高校に入る前から飼っているのよ」

 じゃあ、偶然ということか。

「まあ、別にいいんだけどさ」

 

 豚に金魚にと、どうやら橘は動物好きらしい。できればその勢いで、人というか俺にも優しくなってくれたら大変に助かるのだが。

 動物好きの人嫌い。なんだかよくある話のようだ。

 ペットを飼い始めると、婚期が遅れるという、女受けの悪そうな話を思い出したが、わざわざ口にすることは控えた。


 橘と二人でテーブルの席に着き、先ほど橘が名駅で買ったケーキを食べているとき、

「花丸くん、お盆は何か予定はあるのかしら? おそらくないでしょうけれど。あなた一人だものね」

 と言ってきた。

「それがあるんだな」

 それを聞いた橘はいたずらっぽい表情を浮かべて、

「あら、ぼっちでお昼寝は予定に含まれないわよ」

「ちげーよ」

「では、穂波さんにかまってもらうのかしら?」

「どうして俺が、妹に仕方なく相手してもらうふうなんだよ」

「不出来な兄を持つと大変よね」

 と可哀想なものを見る目つきで俺の事を見てきた。

「俺の話を聞け。……バイトすんだよ」

「バイト? そんなに私の体にしゃぶりつきたいのかしら? 欲求を隠せとは言わないけれど、露骨にするのもやめてもらえるかしら」

 I bite Tachibana? Oh, no no.

「アルバイトだよ馬鹿野郎!」

「そう。親に言えないものを、こっそり買おうとしているのね。あなたも男の子なのだから、そういうことに興味を持つのは仕方ないとは思うけれど、我慢するということも、青少年にとっては大事なことなのよ。それに、お店に入ったとしても、すぐに追い出されてしまうでしょうに」

「……なんでそうなる? 俺がアダルティーな店に行くような男に見えるか?」

「あなたでなくとも、私のような女の子のそばにいれば、欲情してしまうのは無理もないわ。私を襲うかわりに、お金を使って発散する点は、褒めてあげてもいいのだけれど」

 ……もういいや。


「ところでなんのバイトをするのかしら?」

「プールの監視員だよ」

 座ってるだけで金貰えるとか、最高じゃん。

「つまり水着ギャルの観察をしに行くというのね。あなた、本当に最低ね」

 そういい、橘は眉を吊り上げる。

「お前、さっきすごく刺激的な話をしていたのに、なぜいきなりピュアになるんだよ。大体、水着の女を見たところで興奮する俺ではない」

「可愛い私を毎日エロい目で見ていたあなたは、刺激に慣れてしまったのね」

「お前、暑さで頭おかしくなってないか?」

「え、正常よ。花丸くんが私にメロメロなのが、手に取るようにわかるもの。……私の体を見て鼻息荒くするのやめてもらえるかしら」


 こいつ、女じゃなかったら、絶対殴ってる。ていうか、どこに見るような胸があるんだよ。


   *


 お盆になると、ここ日ノ本では民族大移動が起こる。テレビには海外旅行客でごった返する、空港の様子が映され、帰省ラッシュだのUターンラッシュだの連日、高速の渋滞予測が放送される。

 この期間の日本人のエネルギー消費量は有意に増加しているのではないだろうか。産業活動が鎮静化する分トントンなのかもしれないが。どちらにせよ、一年中おとなしくしている俺は超エコロジスト。勲章を貰ってもいいレベルだと思う。

 

 そんなことを、真夏の太陽に照らされた中、ぼんやり考えていた。

 目の前には、水着を着た少年少女たちがキャッキャウフフ騒いでいる。


 バイトである。


 小さな市営プールなので、年齢層はかなり低い。中学生はチラホラいるが、ほとんどが小学生だ。

 中には若干発育の良い女子もいるが、至って正常な性的嗜好を持ち合わせている俺が、目を奪われるような御仁は見受けられない。まあ、ナイスバディな女性が歩いていたとしても、ちら見はするだろうが、ガン見はしないな。なので俺超聖人。そのうちバイブルに載る気がする。

 そのような非常に穏やかな心持ちで、任務についていた。


 ミーンミンミンとセミの鳴く声がする。

 ……バイブルとバイブレイトってなんか似てるな。……バイ、ブルブル。

 ……穏やかだ。


「花丸くん元気? 市営プールになんて可愛いピチピチのジェーケーなんて来ないでしょうから、来てあげたわよ」

 聞き覚えのある声がした。おかしいな、俺は今知り合いのいない場所でバイトをしているはずなんだが。


 空耳か?

 空耳だよな

 そうしよう


「花丸くん? 熱中症なの? 私よ。可愛い可愛い、橘さんよ」

 幻聴がやまない。そうか熱中症で頭がおかしくなったんだな。そろそろ休憩しないと。


 数秒後、水をかけられた。

「お前何しやがる!」

「熱中症になってしまったのではと心配になったから」

 どう考えても嘘だろう。

 

 青のビキニに身を包んだ橘が、どこからか持ってきたバケツを手にそこに立っていた。

 

 俺はため息をついて、

「……お客様、病院はあちらです」

「私どこも悪くないわよ」

 橘は胡乱気な視線をこちらに向けてくる。

「自分の事を、可愛いぴちぴちのじぇーけー、なんて言うやつはびょーきだよ」

「事実なのだから仕方ないじゃない。それと、私の水着姿を見たというのに、無反応なのはひどくないかしら」

 男子に、水着姿を見せびらかしに来るとは、一体どのような神経をしているのだろうか。それほど自分のプロポーションに自信があるとでもいうのだろうか。

 あの、断崖絶壁で……。あれ? 

 俺は橘の胸部を、二度見、三度見した。意外に……。


 ある。

 

「お前、着痩せするタイプなのな」

 制服のような固い生地だと、体の曲線というのは隠されてしまうのだろうか。

 あるいは、全体的に細いので、着衣の状態ではバストも小さく見えてしまうのかもしれない。

 たしかにボインとか、たゆんたゆんとかそういう感じではないが、均整の取れたそのご尊顔と同様、スリムな体に抜群のバランスで、乳房が張り出している。

 女体の美しさとはこういうものを言うのだと、俺は十五歳ながらに知った。

 

 俺の言葉を誤って解した橘が、

「いくら私でも、太ってるだなんて言われたら、泣くわよ」

 と眉をひそめて言った。

「ちげーよ。そうじゃなくて、いい体してるよ」

 と言って、自分の胸のあたりを手でもみもみするジェスチャーを加える。

「今すぐ墓穴を掘りなさい。埋めてあげるから」

「なんで怒るんだよ」

「『お前、エロい体してるな、ハァハァ』なんて言われて、喜ぶ女子がいると思っているの?」

「……そんな言い方はしていない」

「あなたお母さんのお腹の中に、倫理観とか道徳観とか、大切なものを置いてきたんじゃない? 受精卵からやり直したら?」

「なら受精卵の作り方からご高説願いたいな」

 

 バシャッ。

 また水をかけられた。


「次は通報するわよ」

 そう吐き捨て、橘はどこかに行ってしまった。


 俺が悪かったろうか? いや違う。


   *


「花丸くん、いまお昼休憩なのかしら」

 ビーチパラソルが取り付けられたテーブルで、おにぎりを頬張っていたら、橘が近づいてきた。

「怒って帰ったんじゃなかったのかよ」

「よく考えたら、花丸くんが私のことをエロい目で見てしまうのは、あなたが悪いのではなくて、この私が美しすぎるせいなのよ。語彙力の少ないあなたが、この私の水着姿を、正しく描写できないことは仕方ないし、一応は褒めてくれたので、許すことにしたのよ。でも他の女の人をジロジロ見るのは嫌よ。あなたがセクハラで捕まったら、部活仲間の私まで変な目で見られそうじゃない」

「ああそう」

 

 橘は身を引き、捩じらせながら、

「どうしよう。花丸君の舐め回すような視線を感じて、鳥肌が立つわ」

 と自分の体をさすっている。

「お前、楽しそうだな」

「大人が求めるのは夏休みを純粋に楽しむ、無邪気な高校生らしさよ。それに従うのが吉だわ」

「その発想が高校生らしくないな」


「あなただいぶ焼けたわね」

 ふと俺の顔を見た橘がそうコメントした。

「まあずっと外にいりゃな」

「日焼け止め塗ってる?」

「逆に聞くが俺がそんなもんを持っているような男に見えるか?」

「……シミやシワならまだしも、皮膚がんになったら困るでしょう」

「……いや、そうかもしれんけど」

 ないものはどうしようもない。

「ちょっと待ってて」

 

 数分と立たないうちに橘は戻ってきた。手には日焼け止めクリームの入ったチューブを持っている。


「ここはクリーム禁止だぞ」

「わかってるわよ。私でなくあなたに塗るの」

 いうが早く、クリームを手に取り俺の腕に塗り始めた。


「……いや、これくらい自分でできるけど」

「あなたどうせ日焼け止めなんて塗ったことないでしょうから、加減が分からずベタ塗りしそうだもの。後で私の分がなくなったら困るから、私が塗ってあげる」

 そういわれるとこちらとしても、橘に任せるしかなくなってしまう。しばらくの間同級生の女子にべたべたクリームを塗られるという、なんだかよくわからない状況にいた。

 顔を塗る段階になって、まじまじと橘に見られるのがなんだかこそばゆくて、思わず目をそらした。



「ところで花丸くん。バイトはいつ終わるのかしら」

 クリームを塗り終えた橘が俺に尋ねてきた。

「……五時だが」

「その後は暇よね」

 大方また俺に荷物持ちなんかを頼むつもりだったのだろう。


「残念だったな。デートがあるんだよ」

 そういったところ、悲哀に満ちた表情を彼女はした。

「二次元の女の子にいやらしいことをすることを、一般の人はデートと呼ばないのよ」

「ちげーよ馬鹿! 穂波とお祭りに行くんだ!」

「……ある意味、そちらのほうが重症かしら。穂波さんにだってボーイフレンドとかいるでしょうに。不肖の兄のせいで……」

「それはまじで傷つくからやめてくんない? 穂波はお兄ちゃんラブだから」

「……そう。じゃあ、私帰るから」

 橘はそう言って、更衣室の方へと歩いて行った。

 髪も水着も濡れていなかったが、果たしてあいつはプールに入ったのだろうか?


   *

    

 今の時期は、日本各地で盆踊り大会が開かれている。先祖の霊を出迎えるために踊るのが元だったと思うが、今となっては祭りをする為に踊っているのか、踊るために祭りをするのかよくわからない状況になっている。木の棒を刺して、先祖の乗り物にすべきものが屋台で売られている。食っちゃっていいのか? 天界に帰れなくなって路頭に迷いそうな霊が続出しそうではある。

 そんなことを言っても、楽しければええじゃないかという声が返って来そうなので、無粋な事は言わないが。今の時代、まつりというものは楽しんだもの勝ちなのだろう。もちろん人に迷惑をかけるような行為はご法度だが。感謝祭の日にトラックをひっくり返すとか……。日本人は馬鹿になったのかもしれない。

 

 それはそれとして、今日俺は可愛い妹を連れて、祭り会場をプラプラと歩く予定だった。「せっかくなんだから浴衣着てよね」と無理やりに買わされた浴衣を着てまで。

 それなのに……

「でなんで、こいつがいるの?」

 俺と穂波に相対して、浴衣に身を包んだ橘が立っている。

「あ、えと、……偶然! 美幸さんもお祭り来てたんだ!」

 口に手を当てていかにも驚いたという感じで、穂波は言った。俺の妹はいつから大根役者を目指していたのだろう。

「偶然って穂波さん、だってあなたが電話で……」

 対する橘は困ったような顔をして何かを言いかけたが、

「わあー!」

 と穂波に遮られてしまった。


「ごめんお兄ちゃん。友達と回ることになって。美幸さんもごめんなさい。兄の面倒を見てやってください」

 そう言って、穂波は下駄をカラカラ言わせて、どこかに行ってしまった。


 俺と橘が二人取り残されたところで、気まずげに顔を見て、

「穂波に呼ばれたのか……。すまんな馬鹿な妹で」

 本当、他人を誘っといてダブルブッキングを仕掛けるとは、お兄ちゃんちょっと悲しい。

「気にしなくていいわ。それにいい妹さんだと思うわよ」

「そうか?」

「ええ」

 橘は怒ってはいないようだが、さてどうしたものか。このまま帰ることを提案した方が良いのだろうかと考えていたところで橘が、


「じゃあ、行きましょうか」

「行くってどこに?」

「今日はお祭りでしょう。何寝ぼけたこと言ってるの?」

 ……そういえばこいつお祭り大好きっ子だったな。まあいい、穂波が橘に代わったところで大した差はないだろう。……耳をふさいでいれば。

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幼馴染に「今更遅い」とざまぁされたツンデレ美少女があまりに不憫だったので、鈍感最低主人公に代わって俺が全力で攻略したいと思います!
花丸くんたちが3年生になったときにおきたお話☟
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「ひまわりの花束~ツンツンした同級生たちの代わりに優しい先輩に甘やかされたい~」
本作から十年後の神宮高校を舞台にした話

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