表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/146

俺の名前は外野守

第六章始まります

 俺の名前は外野守。

 

 皆は天才というものを知っているだろうか。


 そう、俺の事である。


 今神宮界隈で最も熱い男。本町のベーブルースと呼ばれた男だ。野球を愛し、野球の女神に愛されている。

 先の夏の大会では投打ともに大活躍し、その実力を球界に知らしめた。

 おまけに頭脳明晰ときている。自分の溢れんばかりの才気が恐ろしいまである。

 ハリウッドのエージェントにスカウトされるのも時間の問題な気がする。というわけで今日も本町の商店街をウロチョロする予定だ。俺が世界の外野と呼ばれる日もそう遠くない。


 まあ、俺のことはいいのだ。俺が俺であるのは俺が俺として誕生した時から変わらぬことであり、それを論じても仕方ないだろう。


 問題なのは、この俺と悠久の時を駆け、再び運命が今この場で交錯した、この男。


 先ほどから俺が話しかけているのに、全く上の空で聞いているのかいないのかまるで知れない。元来無気力な奴ではあったが、ここまで酷いことはなかった。話題を変え、品を変え、あの手この手で気を引こうとするのだが、全然興味を示さない。俺は寂しい。

 奴の好きな数学の話でもするかと思って、この世に球体は存在するのか、という話題を吹っかけてみても、生返事しか返ってこなかった。


 最近のこやつはずっとこんな感じなのである。


 この間なんかは、休み時間とあればいつもは参考書とにらめっこしているのが、ぼーっと何もしないでいるので、ちょっかいでもかけておこうと近づいたら、真顔で何やらぶつぶつ言っている。

 何を言っているのかと思って耳を澄ませてみれば


「私が私を見つめてました。なんで? なんで?」


 と意味の不明な事を申していた。


 思うに夏の暑さで大脳皮質が熱暴走を来たしたに違いない。今度銭湯の水風呂にでも浸からせようと思う。


 ところで俺が目下気になっていることは、コーヒーの種のことを、コーヒー豆と呼ぶ理由についてだ。


 あれはマメ科ではないから正確にはコーヒー種と呼ばなければならないと思うのだが、どうだろうか。


 同様にカカオ豆もマメ科ではないから、カカオ種と言うべきだと思う。


 気になる。……木になるだけにwwwww


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作者の他の作品 詳細 ※画像クリックで作品ページに飛べます
幼馴染に「今更遅い」とざまぁされたツンデレ美少女があまりに不憫だったので、鈍感最低主人公に代わって俺が全力で攻略したいと思います!
花丸くんたちが3年生になったときにおきたお話☟
twitter.png

「ひまわりの花束~ツンツンした同級生たちの代わりに優しい先輩に甘やかされたい~」
本作から十年後の神宮高校を舞台にした話

81frnnd0os468uffu9638gfbtb_ah0_iw_9x_wbg.jpg
― 新着の感想 ―
[一言] 心がぴょんぴょんしてる
[一言] 『木になるだけに』は草
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ