5話
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ちょうど部屋の外に出ると兄がいた。
「リア、こんなに寒いのに薄着なのはよくないよ?」
そういってショールを私の肩にふわりとかけるこの美形ショタ。
ローズブレイド公爵家長男、アロイスだ。
「ありがとうございます、お兄様。とても暖かいです。」
そういってにっこりと笑うと、兄も微笑み返す。天使の笑みである。
「ゴフッ…」
殺す気か。
「わっ、リア!もう…そんなに身体、強くないんだからすぐ部屋に戻りなさい。」
ママンの口調を真似てそう告げる。
いや違うんですお兄様。あなたのお顔が麗しすぎるんです。なんて言えるわけもなく、
「いえ、少しむせてしまっただけです。大丈夫ですわ。そんなことより、私お父様にお話があるのです。」
とっさに言い訳をすると、兄が少し渋い顔をしながら
「多分、お父様は応接室にいるよ。確か国王様がお忍びで来てて後でリアに会わせたい子がいるから呼びに行くっていってたけど、もしかして今?」
と聞いてきた。
____やばい気がする。
絶対、王子じゃん!
冷や汗がつたっていくのがわかった。
ここぞとばかりに兄の発言を利用する。
「そうです!お兄様そうなんです!では私は応接間に行きますわ。お兄様も暖かい格好を心がけてくださいね!」
はしたないが廊下を小走りする。
「あっ!リア、こら!走っちゃダメだよ!」
兄の注意を無視し、死角に入ったところで応接室まで猛ダッシュした。