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新たな願いを言った僕。

 次の日になると、具体的には夜が明け、次の日になったことを確認した僕は、すぐに寝るように努めた。

 もう次の願いは決まっていた。

 子供は勉強が仕事とか聞いたことあるけど、赤ちゃんは寝るのが仕事だな。恐怖に怯えていた僕だったが、やはり赤ちゃんの睡魔には勝てそうになかった。

 僕の意識は再び夢の中に引きずり込まれた。

 ☆☆☆

 そこは、外だった。どこか病院や学校といったような建物の一部が見える。そしてその建物を囲うように黒い柵がある。もしかしたら柵があるということはここは刑務所化もしれない。でも、もちろんここが夢の中だっていうことは僕はすでに気づいていた。建物の外には階段が螺旋階段とまでは行かないまでも、一階曲がるようになっていて、むき出しの階段だった。その階段はビルの二階か三階部分まで続いていて、そしてその先は消えていた。そう階段が途中でなくなっていたのだ。階段の上は正方形の平らの畳半畳分ぐらいのスペースがあるだけだった。それは一見みると工事途中のような、あるいは見方を変えればお立ち台のように見えなくもなかった。

 何の為にあんなスペースがあるのだろうか。僕は不思議に思った。するとその、スペースのある場所にくっ付いている建物内の壁に変化があった。さっきまでは普通の壁だったのだが、その壁に縦の線が一線走ったのだ。そしてその線が徐々に開いて行く。そう、それは建物内への入口だったのだ。

 まるで、異世界からやってくるモンスターのようにして現れたのは……女神様だった。

「じゃじゃーん。今日もごきげんよう!」

 女神様は澄み渡るような声で笑顔で言った。

「女神さん! どんな登場の仕方ですか!」

「えへへっ。少し趣向を変えてみました。と言うのは嘘で、私も登場の仕方を選べないんだよね」

「と、言うと?」

「うん。だってここ君の夢のなかでしょ? だから、自分の思うように登場することが出来ないんだよね。ステージ空間が毎回違うからさ。だから、あなたの所に来るのも実は、そう簡単じゃない」

「そうなんだ。ご苦労様です」

「ありがとう。何か頂戴」

「僕のキスでよろしければ」

「キモ!」

 …………女神さん当たりきついっす。まあ……それはいいとして。僕は願いを叶える為に女神と会うんだから。

「女神さん」

「なあに? 今日の願いもう決まった? 決めてきた?」

「は、はい決めました」

「そう、じゃあ、そこに行くわね」

 女神はジャンプするわけでもなく、その螺旋階段風の階段をゆっくりと一歩一歩踏みしめながら降りてきた。

「私、こういう階段好きよ。螺旋階段風で、しかもむき出しで。スリルがあって。まあ、私の場合は女神だから、落ちても死ぬことはないけれど」

「そうでしょうね。僕だったら落ちたら死にますね。たぶん」

「でも、ここは夢の中だから、あなたでも大丈夫だと思うわよ。現実世界だったら死ぬでしょうけど」

「遠慮しておきます。いくら夢だからって、怖い物は怖いんです。僕、高所恐怖症なんです」

「ああ、そうなんだ。じゃあもしかして今日の願いっていうのはあれ? 高所恐怖症を治してほしいの?」

「い、いえ。違います。願いは別にあります」

「ふーん。どんな願い? 興味ないけど」

「いやいや、興味あろうがなかろうが、願いは叶えてもらいますよ。約束ですからね」

「分かっているわよ。さあ、願いを言うがよい」

「はい。僕の今日の願いは……」

 僕は願いを言った。

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