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勝負あり?

 試合は壮絶な泥試合となった。

 善意魔王は、拳と蹴りを中心に間接技を織り交ぜ攻撃を繰り出す。対する悪意魔王は金的、肘打ち、目つぶし、隠し持った武器を、仕掛けた罠で善意魔王をつぶしにかかる。

 しかし、やはりたったの一週間修行しただけでは魔王としての全盛期にほど遠いようで、まるで青春時代のタイマン勝負でもみているかのようだった。

「でも、なんだか見ていて楽しいわね」

「女神さんはどちらを応援しているのですか?」

「愚問よ。善意魔王に決まっているじゃない。それに一週間私、二人を見て来たけど、善意魔王は必死に体を鍛えていたけど、悪意魔王は完全に反則行為についてしか研究していなかったわ。善意魔王が悪意魔王の、反則を躱しさえすれば、結果は決まったも同然ね」

 女神様が言った通り、試合は徐々にではあるが、善意魔王が押しつつあった。

 そして、善意魔王が、とどめの一撃を悪意魔王に放つ。

 悪意魔王は、それを食らって、地面へと倒れ込んだ。

「どうやら試合決着のようね」

 女神様が言った。後は、この試合の中立審判である女神様が判定を下せば、悪意魔王は滅び、善意魔王のみが生き残る。

 そして女神様が審判を下そうとしたその時、何かを悟ったのか、悪意魔王が天空へとジャンプした。

「ぎょっぎょっぎょっぎょーーー!!」

 半ばヤケクソのような声を出して悪意魔王は善意魔王の方へと突撃した。

「まずい、なんか胸騒ぎがするぞ」

「私もそう思うわ」

 善意魔王は、悪意魔王の突撃を躱した。

 やったと思ったのも束の間、悪意魔王は星をどんどんと進んで行った。

「どこにあんなパワーが」

「命を燃やしているのね」

「でも、何をしようとしているのだろう」

「このままじゃ、星の中心部まで行ってしまうわ」

 はっ!?

 僕と女神はそこでようやく気付いた。

「「コア!」」

 悪意魔王は星を破壊しようとしているのだ。自分が負けたことで消滅するのを悟った悪意魔王が善意魔王もろとも星ごと吹き飛ばそうとしているのだ。

 そう、悪キャラにありがちなこの展開。どうしてすぐに気が付かなかったのだろうか。

 僕は後悔しても、どうすることもできなかったけど、後悔が止まらなかった。

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