いよいよ神殿に向かう。
空も自由にまるで舞うように飛ぶことが出来るようになった僕。ああでも今更だけど、召喚魔法とかも覚えておけばよかった。まあいいや、女神様の力が取り戻せたら、その能力をもらえばいいか。
「女神様そろそろ本格的に探しませんか?」
「何を?」
「いや何をって神殿ですよ。女神様当初の目的を忘れたんですか? それも自分自身のことですよ」
「あ、ああそうね」
女神様は少し残念そうな顔をした。どうしてそんな顔をするのだろうか。
「で、どこら辺を探しましょうか。今の僕らなら神殿を見ることぐらいは可能のような気がするんですよ」
「ああ、そのことならね。もう私神殿とっくのとうに見つけていたわ」
「えっ? えっ?」
「そんなに驚かないでしょ。これにはちゃんとした理由があるのよ。まずあなたを鍛えて、基礎力を高めてあげたいというのと、後私、勉強をしていたのよ」
「勉強?」
「ええ、そうよ。今度女神界で試験があるの、数十年に一度の試験が。私それに出るつもりなの」
「ええ、でも仮に女神に戻れて、試験を受けれたとしても女神様、前回ダントツのびりだったんでしょう?」
「ええ、文句ある? まあ、私正直舐めていたからね。試験を。魔法力はダントツだったから勉強で落としても、全然女神降格の心配はなかったしね。でもまさかメガ女神が総合でトップになるとは思ってもみなかったわ。そのせいで、私はトップ女神に与えられる女神降格、女神罰幽閉権限で夢の中に閉じ込められたのよ。でも、もう私は腹が立ったわ。だからこの一か月の間、時伸ばしの魔法を使って勉強しまくりよ」
「時伸ばしの魔法?」
「言葉の通りよ、私の時をうすーく伸ばしてその間猛勉強をしたの」
「はあ」
「メガ女神は油断しているでしょうね。まさか私が女神になって戻ってこようとは思ってもみないでしょうね。今私はステルス妨害魔法を使っているから、他の女神が私の様子を探るのは不可能だわ。私実はやれば出来る子なのよ。ふふん。満点とって、今度は私は女神界のトップになってメガ女神を夢の中に幽閉してやるんだから」
「ずいぶんと根に持っていらっしゃるんですね」
「当たり前でしょ!」
「本当あそこは最悪なんだから、臭いし、汚いし、怖いし、綺麗な花だなと思ったら急に色褪せたりするし。今度は逆に私が味わった気分を味あわせてやるんだから」
女神様は大層ご立腹のようだった。
「じゃあ、もう試験も近いことだし、私の準備も整ったしレッツゴーしましょ」
「それは良いんですけど、神殿ってどこにあるのでしょうか」
「花やしきにあることが分かったわ」
「花やしきですか」
でも、僕の予想した通り、東京にあった。やはりオリンピックの開催地は関係しているのだろうか。まあその疑問は置いておいて。
「花やしきの入口を潜る前に、少しパワーを上げてね。私は女神パワーを上げるから、あなたは魔法パワーを上げてね。何でもいいわ。炎を身に纏うとか、氷を身に纏うでもいいわ」
「するとどうなるんです?」
「すると、ある程度のパワーを感知した魔法センサーが私達二人を転送して神殿へと誘ってくれるわ」
「はあ、動物を感知するとシャッターを切る機械みたいですね」
「ふふ、そうね」
「では、行きましょうか。もちろんあなたの飛行でね」
「でも、女神様が飛んでいたら、騒ぎになりますよ」
「大丈夫よ。私も透明人間の魔法を使えるようになったから。私は女神よ。人間が使える魔法ぐらい、ちょっと練習すればちょちょいのちょいよ。嘘よ。本当はすごい苦労したんだから」
そして、僕は女神様をお姫様抱っこして、透明人間になった。時を同じくして、女神様も透明女神になった。
「行きます!」
浮遊を開始する。やはり浮遊は気持ちがいいものだ。でも、女神様透明人間になれるんだったら浮遊だって出来るんじゃないか?
そんな疑問を抱いたけれど、まあ言わないで置いた。もしかしたらお姫様だっこに憧れていたのかもな、なんて考えが浮かんだからだ。
飛ぶこと約、十分花やしきが見えてきた。
僕は少し離れた人がいない所にゆっくりと降りた。




