拠点を探す僕。
「あら、新しい人ね」
外へ出て駐車場にいる時に近所のおばさんとみられる人に声をかけられた。
「は、はい。まだ来たばかりの新人でちょっと医院長さんに買い物を頼まれまして」
「あらそう、それは大変ね」
そんな当たり障りのない会話をして、僕はその場を後にした。
それにしても流石に白衣は目立つよな。と言っても、服はこれしかないし。明日の願いはお金にしようかな。何をするにもお金が必要だし。いや待てよしかし、こんな白衣でうろちょろしては買い物も怪しまれる。そうだまずは服を自由に具現化出来る能力を手に入れれば、変装に困ることはない。一々服を買わなくても、服が作れれば、あるいは瞬時に服を着替えられる能力も手に入れられれば、こんな便利なことはない。ようし、でもまあまずはどうここから移動するかだな。
僕はまず森を探した、森といってもここは住宅街でそう簡単に見つかるはずはないのも分かっていた。でももしかしたら、ここが都会でなければ、少し町から離れれば林や森なんてのも簡単に見つかるかもしれない。ああ、そうだ。地図を、現在地をどこか分かる能力も欲しいなあ。人間の欲っていうのは、どんどん本当に泉のように次から次へと湧いてくるなあ。
そんな欲と闘いながら、僕は森を探した。
そして、歩くこと、体感的に30分ぐらい、ようやく僕は森とまではいかないが、林を見つけることが出来た。よし、ここを僕のしばらくの拠点にしよう。
そう思った。
今の季節はいつだろうか。暑さ的に、秋か春といった所だろうか。
でも、木々を見ると、茶色になっている葉がいくつもあり、地面には落ち葉が層を作って、落ち葉ミルフィーユと化していた。
それを見て、僕はああ、今の季節は秋なんだと思った。
僕は落ち葉をかき集めて、クッションを作りその上に寝そべり更に体の上に落ち葉をかけて、布団代わりにしてみた。
「ああ、そんなに悪くはない感じかもな」
そして夜が訪れた。
寝れるか心配だったけど、すぐにうとうととし始めて、僕はやがて眠りについた。




