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Case1-8 終章
「節目の、年…、これで失敗すれば、私、は…」
幽かに少女の声がする。
暗がりの中、呟く声がする…
『今年の時間はとても短いのです…』
また、その声に、返答をする声が響く。
声の少女ははっきりと姿が見えた。
少女の髪は白く、短い。暗い青の生地に、暗い紫の紐が腕で結んである。
「貴女は相変わらずなのね。」
『どうせ、今年で全ては終わるのです…貴様が生きようが、死のうが…です。』
そして、また、白髪の少女は口を開いた。
『でも、欠片を一つずつ、集めるのも、いいですよ…きっと。』
そして、暗がりに、奇妙な風が通り、声は途切れた…。