Case1-7 ハジマリのオワリ
家に帰るなり、電話の子機を片手に、部屋へ入った。
そして、急いで愛歌に電話をかけた。
『はい…?』
電話に出たのは愛歌だった。
「…!愛歌か?俺だ!飛夜理だ!」
『…で、なに?』
「この村、昔から障害事件や、怪死事件、暴力事件とかなかったか?」
『………』
しばらく愛歌は答えなかった。
恐る恐る声をかけようとしたら、受話器から微かに今一つ聞き取れない低い声がした。
「え…?」
聞き直すとまた、彼女の声とは思えないくらい低い声がした。
『知ったんだ…?事件、の事…』
やはり声は小さかった。言いたくないのか、言えないのか…
・・・・・・・・・・
バレて欲しくなかったのか、その時の飛夜理には分からなかった。
「それ、について何かわからないか…?」
『わ…私もね、あんまり、わからないよ。小さい頃からあるし…』
・・・・・・
愛歌は、気にもしないし、まるで、毎年起きてい
・・・・
るかの様だった。
確かに、この村は、下界とは違い、周りには過去に悪名を名乗った者も多かった。
勿論、愛歌の家系もそうである。
また、この先に起こる事など、全く今はわかったものではなかった。
絵:たぴおか様