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空の下で夢を見るー小さな恨みと小さな正義ー  作者: 心井菜城愛
秋祭りの怪死事件のハジマリ
11/38

Case1-10 一つの欠片

 翌日、数人しかいない職員室に電話が掛かってきた。

 ジリリリリ…ジリリリリ…


「はい、空下学園ですが。」


 青髪のもあが出た。


『先生…?僕です…、悠里です…』


 電話の先は松木悠里(まつきゆうり)

 もあは、珍しい。と思いつつも、どうしたの?と聞いてみた。


『実は、お姉ちゃんが…』


「え…っ」


 もあは、電話を切ると、ただ、真っ直ぐ走った。

 一直線に、何かを考え走っている。


ガララッ!!


 大きな音を立てて、教室に入ってきた。


「はぁ、はぁ…っ 」


 皆がきょとんとして見る。

 息を整えると、もあは、皆の方を向き、表情を暗くして、言った。


「愛歌が…殺された…」


「!!!」


 いきなりの発言に目を見開いた。


「冗談…だよね?本気じゃないよね…?」


 舞菜の言葉にもあは、首を左右に振った。


 ・・・・・・

「他の件と同じ殺され方だった…」


 そう、答えるしかなかった。ただ、ただ…

 それから(しばら)くすると、刑事や警官が話を聞きにやってきた。

 そこで、ひとりの刑事がもあを見つけた。

 その刑事はふぅ…と息を吐くともあに話しかけた。


「もあ、久しぶりだな。」


「…!真吾…っ!」


 その刑事の名は、濱崎真吾(はまざきしんご)。もあの幼馴染みである。


「どうして、此処(ここ)に…?」


「偶然、と言いたいが、望んで来たんだよ。」


 そんな、幼馴染みの会話が終わり、夜になった。

 夜中、といえる時間…暗闇と静寂のみが、村を包んでいる時間。

 村に、しゅーっとおかしな音が小さく聞こえる。

 100戸余りしかない家、一つ一つから煙が上がる。


「…?」


 異変に気付き、飛夜理が目を覚ました。

 うっ、と息苦しくなり、ひとまず、家を出た。

 外に出ると、1戸1戸から、(うめ)く声が聞こえた。


「一体…何が…っ!」


 急激な恐怖に襲われ、村から出る道へとひたすら走った。

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