Case1-10 一つの欠片
翌日、数人しかいない職員室に電話が掛かってきた。
ジリリリリ…ジリリリリ…
「はい、空下学園ですが。」
青髪のもあが出た。
『先生…?僕です…、悠里です…』
電話の先は松木悠里。
もあは、珍しい。と思いつつも、どうしたの?と聞いてみた。
『実は、お姉ちゃんが…』
「え…っ」
もあは、電話を切ると、ただ、真っ直ぐ走った。
一直線に、何かを考え走っている。
ガララッ!!
大きな音を立てて、教室に入ってきた。
「はぁ、はぁ…っ 」
皆がきょとんとして見る。
息を整えると、もあは、皆の方を向き、表情を暗くして、言った。
「愛歌が…殺された…」
「!!!」
いきなりの発言に目を見開いた。
「冗談…だよね?本気じゃないよね…?」
舞菜の言葉にもあは、首を左右に振った。
・・・・・・
「他の件と同じ殺され方だった…」
そう、答えるしかなかった。ただ、ただ…
それから暫くすると、刑事や警官が話を聞きにやってきた。
そこで、ひとりの刑事がもあを見つけた。
その刑事はふぅ…と息を吐くともあに話しかけた。
「もあ、久しぶりだな。」
「…!真吾…っ!」
その刑事の名は、濱崎真吾。もあの幼馴染みである。
「どうして、此処に…?」
「偶然、と言いたいが、望んで来たんだよ。」
そんな、幼馴染みの会話が終わり、夜になった。
夜中、といえる時間…暗闇と静寂のみが、村を包んでいる時間。
村に、しゅーっとおかしな音が小さく聞こえる。
100戸余りしかない家、一つ一つから煙が上がる。
「…?」
異変に気付き、飛夜理が目を覚ました。
うっ、と息苦しくなり、ひとまず、家を出た。
外に出ると、1戸1戸から、呻く声が聞こえた。
「一体…何が…っ!」
急激な恐怖に襲われ、村から出る道へとひたすら走った。




