Case1-9 平和、事件、そして…
*エピローグ*
空下村50年連続殺人事件調査日記より
『死にたくない…っ、死にたくないよぉ…
いつでも、空下村に行くと、その声が聞こえる。
自分も昔は村民だった。
今はこうして刑事をやっているが、まだ、年は20だ
今年、事件が終息に向かえば、刑事を辞め、
村へ戻って、幼馴染みと教師でもやろう、
そんな気持ちだ。
(此処から破られている)
…というのは、自分の予想だが。
此が真実なら、村は全滅であろう。
××県(○○市)、××県(○○市)県境、空下村にて
9月×日』
それから数日。ひとまず秋らしくなり、秋祭りも近づいてきた空下村に、またも事件が起きた。
「飛夜理、おはよう。」
大人しい声で話し掛けて着たのは、空下夢だった。
「なんか、しけてるけど…なんか合ったのか?」
夢は口を紡ぎ、言いにくそうに口をゆっくりと開いた。
「学園長が、村の真ん中の大きな池で死体で見つかって…前と一緒。内臓等が引きずり出された状態なんだ…後…愛歌が、行方不明なんだよ。」
「!!」
学園長は、お淑やかで優しい性格の人だった。人に恨まれる性格では、なかったはずだ。惨殺とも言える、殺し方。よほど恨まれていたのか、逆恨みでの殺人か…
そして、愛歌の失踪。ほんの数日前までは、元気だった彼女が、何故失踪などしたのか…
「なんだ、よ、それ…っ」
やはり、事件の事がバレたからだろうか…
『知ったんだ…事件、の事』
そう、低い声で言う彼女の声が蘇る。知らなきゃよかったのかも知れない…そう、思った。
「大丈夫…、生きてるよ、愛歌は…」
「舞菜……っ」
声がかすれてしまう。微笑んで言う舞菜に不安定気味な笑顔を作った。 た大丈夫、そう、信じた。




