おまけ
課長サイドの話です。
短めです。
「俺とつきあわないか?藤枝。」と言ったあと、藤枝が「1ヶ月考えさせてください~~」と泣きそうな顔をして言った。
その後、俺は巧妙に藤枝から避けられている。ちょうど仕事の量が一段落して、忙しくない時期ということもあって二人だけ残って残業ということもほとんどなく、仕事を頼むとき以外は口をきくこともない。
朝はどうかと思ったが、女性専用車両にでも乗っているのか見つけることができない。
いったい藤枝は俺にどんな返事をするつもりなんだろう。
「ミヤ。お前もう董子ちゃんに手出したの」
「俺はお前と違う」
松浦から「店を早仕舞いにするからつきあえ」と連絡をもらった俺は、洋食店の近くにあるバーで酒を飲んでいた。
「ほー。珍しいこともあるもんだ」
「・・・・藤枝は違うから」
「董子ちゃんが違うんじゃなくて、ミヤが今までと違うんじゃないのか」
「だから、なんで松浦が俺より先に董子って呼ぶんだ」
「董子ちゃんが“いいですよ”って言ったから。あの子、ミヤが今までつきあってた女の子たちと感じが違うよね。普通にいい子だ。食べ方もきれいだし、私もう食べられな~いとか見え透いたこと言って小食ぶらないのもいい。」
昔から松浦は、食べ方が汚い女性には厳しい。
「・・・・藤枝に、手を出すなよ」
「酔っ払って“手放したくないから、余計とうこに言えねーんだよなあ”とぼやいていた男がけん制か。」
あれをコイツの前で言ってしまったことは、俺の不覚だ。そのあと藤枝についてしゃべらされたのたのは言うまでもない。
「・・・・藤枝に避けられてるんだ。」
「は?」
「この間、お前の店で食事をしたあとに、勢いで言ってしまってから“1ヶ月待ってくれ”と言われたあとに避けられてる」
「バカか、お前。勢いで言うからだ。だから俺の店で言えばよかったのに」
「それだけは絶対にごめんだ」
「だったら、董子ちゃんの言うとおり1ヶ月待つか、告白のやり直しでもするんだね。ちゃんと真面目だと思われる場所でな」
告白のやり直しか・・・・それもいいな。俺は待つのは嫌いじゃないけど今回は待てない。
読了ありがとうございました。
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これで「藤枝董子の厄日」完結です。
次章も、なるべく早めにUPしたいです。
私の今までの作品同様
「ベタで悪人があんまり出てこないほのぼの小説」になるのは
間違いなしですが、
この2人の続きが知りたいって人がいてくれるといいな。