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天使の前髪  作者: 春隣 豆吉
変わりゆくもの
51/73

1.

動き出すもの-1

 季節は秋になり、真生が結婚した。式と披露宴に招待されて、私は真生に式後に呼ばれてブーケをもらった。

 プリザーブドフラワーにしてもらったワインカラーのバラとカラーのブーケは、とてもきれいで、部屋に飾るとすごく華やかになるのは間違いなしだ。

「ありがとう、真生」

「次は董子の番かなあ」

「それは分からないよ。」

「そうかなあ~」

 真生は首をかしげるけど、課長と結婚の話が出たことなんてこれまで一度もないのだ。



 3課に山崎くんが顔を見せたのは、真生の結婚式から1週間たった頃だった。

「藤枝」

「あれ?山崎くん。いつこっちに来たの?」

「さっき。これから1課で打合せなんだ。」

「そうなんだ。今度はどれくらいいるの?」

「今週いっぱいかな。明日は3課と打合せだよ。これいつもの」

 そう言って、私に差し出してきたのは某松モナカ。

「わー、ありがと」

「あのさ、藤枝。こっちにいる間にメシでも一緒に食わないか?」

「うん、いいよ。同期のみんなに声かけておくよ」

「え。いやそうじゃな・・・」

「藤枝」

 そこに課長の声が割り込んできた。

「はい」

「山崎、久しぶりだね。」

「お久しぶりです。失礼します」

「ああ、明日の打合せはよろしくな」

 山崎くんが頭をさげて3課のフロアを出て行く。


「藤枝。悪いがこの書類の修正を頼んでいいかな」

 渡された書類には付箋があちこちに貼ってあって、結構な量だ。ぱらぱらとめくっていくと、定時までにはちょっと厳しいかもしれない。

「わかりました。いつまでに提出すればいいでしょうか」

「明日の午前中だな。山崎との打合せに使うんだ」

「そうなんですか。あ、課長。山崎くんから課長も好きなモナカいただきましたよ。あとで分けますね」

「・・・それはありがとう。」

 そこでなぜか私をちらりと見る。何か顔についてるんだろうか。

「課長、私の顔に何かついてます?」

「え?いや、なんでもないよ。仕事、頼むな」

「はい。」

 課長が自分の席に戻っていく。なぜか、坂本さんが笑いをこらえていた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


お時間かかって申し訳ありません。

「天使の前髪」

本編+おまけで全5話。8/18(日)まで更新いたします。

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