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天使の前髪  作者: 春隣 豆吉
月の影
33/73

1.

課長の再会相手。の巻

「もしかして宮本くん?」

 課長に声をかけてきたのは、背がスラリと高くキリリとした顔立ちの美人だった。長い髪をくるりとまとめてブルーのトレンチコートに紺色のスキニーパンツがモデルみたいに決まっている。

「川辺??」

「正解。あ、ごめんなさい。デート中だったんだね。」

 川辺、と呼ばれた女の人は課長の隣にいた私を見てすまなそうな顔になった。

「そういえば結婚したんだよな。今の名字は?」

「川辺に戻ったから問題ないわ」

「は?」

「私のことはいいからさ、彼女を紹介してよ。」

 なんだか課長とお似合いだなあ・・・もしかして、元彼女?てっきり、課長の彼女ってセクシーダイナマイツか女王様ばかりだと思ってたけど、それって偏見だったのかも。ごめんね、課長。

「董子、こちらは川辺月野さん。俺と松浦と大学の同級生で友人なんだ。川辺、こちらは藤枝董子さん。俺と同じ職場で働いてる。」

 それを聞いた川辺さんは、一瞬悲しそうな顔をしたように見えたけど、課長は川辺さんの表情に気づいていない。

「じゃあ、私行くところあるから。そのうち松浦くんの店で食事でもしようね」

 互いに名乗って挨拶を終えると、川辺さんは立ち去った。

「和哉さん、川辺さんってきれいだね」

「まあ、確かに学内でも美人で有名だったし人気もあったなあ。」

 課長は、川辺さんが好きだった?

 過ぎたことを聞くのも恥ずかしくて、私はその言葉を飲み込んだ。


「董子、俺と川辺はそういう関係になったことはないからね。」

「へ?」

「気は合うけど、そういう対象としてみたことがないんだ。向こうもないとおもうよ」

「そ、そう」

 課長に自分の考えを見抜かれるのはいつものことだけど、果たして川辺さんは本当に課長をそういう対象としてみたことがないのかな。

 すぐに消えたけど、悲しそうな表情をしたってことは違うんじゃないのかな。

「もしかして董子、妬いてくれた?」

「えっ!それは、やっぱり川辺さんはきれいだし」

「でも俺が大切に食べたいと思うのは董子だけだよ」

「え、ええっ」

 どうして、耳元でささやくかな。この人は!!言われたこっちが恥ずかしくて顔が赤くなってくるじゃないか。

「董子、顔が赤いよ」

「か、和哉さんがっ」

「俺がどうしたの?」

 そう言う課長の顔は、にやにやしている。そうか、そんなに人の反応がおもしろいのか!!なんだか腹が立つ。


「そうやって、和哉さんはいつもからかうんだから」

「からかってなんかないよ。なんだったら証明してみせてもいいけど?」

 は、証明?何を証明しようというのだ。

「なんだったら、このまま部屋に戻ってもいいし・・・・」

 それともホテルでも行く?・・・だから、耳元でささやかれるとぞくっとするんだってば。


 この人は私を動揺させて楽しむのが好きだ、間違いなく。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


活動報告にも書いたのですが、社内にバレる話を書こうとおもっていたのですが・・・こっちのネタが先に浮かんでしまいました。

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