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天使の前髪  作者: 春隣 豆吉
桜よりも効果あり
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おまけ

桜並木目撃情報。高橋くん視点です

 俺の家は桜並木で有名な公園から近い。

 そのため、花見といえばそこの桜と決まっていて小さい頃は出店でわたあめや焼きそばなどを買ってもらったものだ。


「ほら、休みのくせにいつまでも寝てるんじゃないよ」

 母親にたたき起こされ、俺は目を開けた。

「なんだよ、母ちゃん」

「花見に行くよ」

「花見~?勝手に行けばいいだろ~?昨日も遅かったんだよ。」

「酔っ払って帰ってきて何言ってるんだい。荷物持ちが必要なんだよ。ほら、おきな!」

 うちの母親の強引さは今に始まったことじゃない・・・俺はあきらめて荷物持ちを引き受けた。

 着替えて1階に行くと、ビール缶のケース一箱と風呂敷に包まれた重箱が置いてある。

「私は重箱持って行くから、あんたはケースを持ってきてちょうだい」

「へいへい」

 それにしても、ビール缶1ケースって・・・どんだけ飲む気なんだろうか。でも、父親がいないってことは既に宴会が始まってる可能性もあるな。


 母親の後についていくと、すでに出来上がって陽気になってる父がいた・・・

「お!来たか!」どうやら誰かが日本酒を持参したようだ。

「お!来たか!じゃないよ。なんでそんなに出来上がってんのさ」

「まあまあ固いこと言うなよ。お前も一杯やったらどうだ」

「家に誰もいないのも心配だろ?俺は家に戻るよ。」

 俺は集まってる近所の人に挨拶すると、ケースから缶ビールを2本を袋に入れてもらって家に戻ることにした。

 それにしても今日は天気がいいよなあ・・・桜は今年もきれいだし。大学の頃は彼女をここの花見に誘ったんだよなあ~・・・なのに2年も1人かよ、俺。

 ちょっとため息をついて、ついでだから桜をぶらぶら見ていくことにする。どこから集まってくるのか川沿いの道をたくさんの人が歩いていく・・・そこで、俺は向かい側を歩いてくる人物を見てぎょっとした。

 課長?!・・・・・隣にいるのは藤枝さん??


 課長と藤枝さんは手をつないで、顔を近づけて何事か楽しそうに話している。

 あの姿はどうみても、付き合ってるよなあ・・・・そうか、課長にあのネクタイを贈ったのは藤枝さんだったのか。

 2人に見つからないように、わざと端っこに歩いていく。うわ~、課長の顔があんなにゆるんでいるのをはじめて見た。今すぐ誰かに話したい。すっげー話したいっ!

 だけど、俺が話すことによって藤枝さんに迷惑かかるのは申し訳ないし、課長に知られると仕事上は普通に接してくれそうだけど、それ以外の状況で非常にやばい気がする。

 それより何より、お似合いの2人だもんなあ・・・ここは温かく見守るってのが粋だよな。


 俺は課長たちが遠ざかっていくのを見送った。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


そして高橋くんは忙しい仕事の合間をぬって合コンに励むのでした。


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