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天使の前髪  作者: 春隣 豆吉
桜よりも効果あり
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3.

春のメニュー。の巻

「なんだよお~。俺にも連絡してくれればよかったのに」

「なんでお前に言う必要がある」

「俺はお前の親友。董子ちゃんは俺の友達。」

「人のデートを邪魔するのがお前の趣味か。悪趣味なやつ」

 この2人のやりとりは、見てて面白いので私はいつも放置して眺めている。


 松浦さんのお店に行ったのは、桜餅と桜茶を楽しんでいるときに松浦さんからのメールが課長に届いたからだ。

 春のメニューが始まると聞いて、じゃあ夕飯を食べに行こうという話になった。

「俺って偉いよね。ちゃんとお得意様には店長からのお誘いメールなんか出しちゃってさ」

「自画自賛するヒマがあるなら、さっさと注文とれよ」

「あれ?まだとってなかったか。わりいわりい。それで、何にするか決めた?」

「はい。鯛とアサリの入った春のブイヤベースと新たまねぎと新じゃがのサラダ・・・和哉さんは何か追加する?」

「いや。大丈夫」

「あとパンでお願いします」

「かしこまりました。あ、董子ちゃん」

「はい?」

「俺にも敬語はナシがいいな。よろしくね?」

「董子、松浦には他人行儀でいい」

 私が返事をするまえに、すかさず課長が返事をした。松浦さんはなんだか楽しそうに厨房に戻って行ったのだった。


 運ばれてきたブイヤベースは、あさりと鯛、それに海老やじゃがいもなども入った具沢山なものだった。サラダもたっぷりで、二品で正解だった。

 トマトベースに魚介のだしが出て、すごく美味しい。

「和哉さん、ブイヤベース美味しいね」

「うん・・・松浦は料理だけはさすがだな」

「料理だけじゃなくて、俺も結構なもんだよ。」

「自分で言う分にはタダだからな・・・だからなんでいつも俺と董子の会話に割り込む」

「偶然偶然・・・水のお代わりいかがですか?」

「松浦さん、ブイヤベース美味しいです。」

「お褒めいただき嬉しいです、藤枝様」

 松浦さんが真面目な顔をしてうやうやしくお辞儀をしたあとに、私をみてにっこり微笑む。

「へっ?」

「なーんてね。ちょっとどきっとした?」

 松浦さんは課長とはまた違って、王子様タイプというか・・・・王子様にいきなりそんな扱いをされてどきっとしない女はきっといない。

「お、驚きました。」

「そう?えーっと董子ちゃん、ごめんね?」

 なぜか松浦さんは、そそくさと立ち去った。


「なんで謝るんでしょうか。和哉さん、何かした?」

「何も?変なヤツだよね。」

 課長は涼しい顔してるし・・・。私は不思議に思いながらも食事を楽しんだのだった。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


課長が何をしたのかは、ご想像にお任せってやつです。

新たまねぎって美味しいですよね~。

普段は生のたまねぎって辛くて苦手なのですが

新たまねぎは別。甘みがあってマリネにぴったり。


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