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天使の前髪  作者: 春隣 豆吉
為せば成る
11/73

1.

課長が先んずれば董子が固まる。の巻

 男の人にあげるためにチョコレートを買ったのは、2年ぶりだ。なんてベタな、と思ったけどバレンタインにはやっぱりチョコって定番だと思う。

 それと紺色をベースにしたレジメンタルストライプのネクタイも買ってみた。

 今まで、課長がこういうデザインのネクタイをしているのを見たことがないけど受け取ってくれるといいな。


 松浦さんのお店で食事をしているときに、バレンタインの話になった。

「藤枝。もうすぐバレンタインだな」

「そうですね、課長は袋の用意をしましたか?」

「今年はそんなにもらう予定はない」

「同じ台詞を毎年聞いているような気がしますが」

「記憶力のいい部下がいるというのは幸せなんだかどうなんだか」

「毎年、課長に渡してくださいとチョコを託されていますから」

「そういえば、いつもチョコのリストをありがとう。おかげでお返しモレがない」

「お役に立っているのならよかったです」

 今年は彼氏(なんだか彼氏と言う気がしないけど)がもらうチョコのリストを作るのか、私。

 それを考えると、毎年「へー、こんな若い子が課長のファンか。ストライクゾーンが広いな」とか「それにしてもきれいな人ばっかりだな、オイ」とか心の中でツッコミをするという楽しみが、今年はちょっと楽しくないかもしれない。

「俺さ14、15日と出張が入ったんだ」

「え。そうなんですか。急ですね」

 そうなると、課長がチョコをもらうのは13日がピークか。13日の3課は空気までがチョコ味かも。私は週末に渡せばいいか。

「・・・・それだけか?」

「はい?」

「董子ちゃん、ミヤは董子ちゃんからもらえるかどうかが心配なんだよ・・・はいお待たせ。ポテトグラタンとにんじんサラダだよ」

「松浦、話に割り込んでくるなよ。」

 課長は松浦さんに文句を言うが、松浦さんのほうは聞こえないフリをして料理をテーブルに置いて、私に「熱いから気をつけてね」と言い離れて行った。


「あの、バレンタインに渡せないのは残念ですけど、週末に会えませんか?今年のバレンタインは平日ですから何かと忙しくて、その・・・課長とゆっくり過ごしたいです」

「藤枝・・・・ここでそういうこというか」

「は?」

「いや・・・なんでもない。そうだね、週末に会おうか。」

「ほー、週末にデートか。よかったねえ、ミヤ。俺なんて週末は仕事だというのに。はいお待たせ、ミヤの注文したビーフシチューとトマトのチーズ焼き、ライスね。」

 松浦さんが課長を見てニコニコしながら料理を置く。

「だから、どうして俺たちの会話に割り込む。」

「細かいことは気にするな。俺の自慢の料理が冷めるぞ」

 課長と松浦さんってほんといいコンビだよなあ・・・見てると楽しい。


「まったくアイツは・・・藤枝、ごめんな」

「気にしないでください。課長と松浦さんの会話は聞いてて楽しいです。お二人の仲のよさがわかります。」

「俺と藤枝もそういう会話ができるようになりたいもんだ・・・ふたりで会うときに敬語はどうかと思うけど?藤枝。」

「え、鋭意努力します」

「なんだ、そのどこぞの官僚みたいな言い方は。よし、決めた」

「はい?」

「藤枝、週末のデートは敬語禁止な。」

「な、なんでですか!!」

「敬語10回でペナルティね。いやあ楽しみだなあ」

 ペナルティってなんですか??私が何も言えずに課長の顔を見ていると、課長は「藤枝も冷めないうちに食べろよ。」と食事をするように促してきた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


大変にお待たせしました(いや、誰も待ってないって)!

お付き合い編を更新開始です。

この章はバレンタインを絡めております。

おまけを含めて5話で構成しております。

間に合ってよかったなあ・・・・

今日だけこの時間にUPしてますが

次回からはいつものように10時UPになります。



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