7,歩き慣れたような道
目が覚めた時、柴田は道の真ん中に立っていた。
辺りはそろそろ日が暮れるぐらいの色合いが世界を包んでいる。
ここは…どこなのだろう?
そう思った時には既に体が勝手に歩き出していた。
一体どこへ向かおうとしているのか、自分でも分からない。
まるで体がこの道を覚えているかのようで。
辺りの景色を見ているとまた目眩に襲われてしまう。
けれども、体は止まることを知らない。
目眩が起きようが、気分が悪くなろうが、止まってはくれないのだ。
そして、歩いた先にあったものは、公園だった。
柴田はすぐに分かった。
これは、矢部が死んだ時のような夢のようなものなのだと。
ということは、ここでは桝田が…
そう思ったのも束の間、今回は殺されるところは見られなかった。
既に、木の上に人がぶら下がっていて、それは他ならない桝田だったのだ。
柴田は気になることが1つある。
周りを見渡しても水野の姿が見えないのだ。
これは夢のようなもの。
彼女がいなくても不思議ではないのだろうか?
それともこれには意味があるのか?
公園には人が少しずつ集まってくる。
皆、その死体に釘付けになり、悲鳴をあげるもの、写真を撮る野次馬で溢れかえった。
それなのに、水野の姿はない。
ポケットに入っているカードをもう一度確認する。
柴田は違和感を覚えた。
ポケットには1枚のはずのカードが2枚入っていたのだ。
納骨堂でのカードがまだ残っていた。
つまりあれは現実だった?
訳が分からずにいた時、遠くに仮面の男を発見する。
カードをポケットにしまい、すぐさま駆け出した。
今回は見晴らしの良い場所、何かが肩に止まろうが仮面の男だけを見るように注意する。
走って走ってずっと追い続けた。
そのうち、仮面の男は森の中へと入っていく。
柴田も負けじと森の中へ追う。
しかし、カラスの大群にまたもや邪魔をされる。
体中に群がり、走ることが困難になった。
振り払おうとしても手も足も出ない状況。
体を少しずつついばまれて、段々と意識を失っていく。
また捕まえ損なった…
カラスの隙間から見える仮面の男は、勝ちを確信したように柴田に近ずいて来たように見えた。
そしてまた、暗闇の中でベニクラゲを見る。
相も変わらず、自身から新しい自分を生み出していた。
その瞬間に目が覚めるのだった。




