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ベニクラゲはループする  作者: アズキ


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6/9

6,消えた

柴田のスマホを3人で覗き込んだ。

そこにはしっかりと仮面の男が写っている。


「お目覚めのようですね。

次は水野さんに思い出してもらいましょうか。

私に会った時のことを。」


それだけ伝えて仮面の男からの連絡は途絶えた。


高橋「それだけ!?一体何をすりゃいいってんだよ!」


3人は部屋の中を見渡す。

いかにも拷問するぞと言わんばかりの道具が揃っている。

柴田は近くにあったアイアン・メイデンを開けてみた。


次の瞬間、中の針が凄まじい勢いで飛び出す。

扉を開けた際、真正面に立っていなかった柴田は間一髪で針に貫通されるのを免れた。

残りの2人はその光景を目にした時、恐怖でその場に固まってしまう。


「これだ…カラクリがあるんだよ。

何かカラクリを作動することができれば、ここから出ることができるはず。」


高橋「でも、どうやって探すんだよ。

今は、たまたま運良く生き残れたけど、他のを手探りで行くなんて無理だ。」


「そうだ…水野。

仮面の男に会った時のことを覚えてないか?」


水野「え…」


高橋「そうか!あいつは今回は水野の番だ、的なことを言ってたから、何かヒントがあるかも。」


水野「なるほどね、いいわ、でも、何があるか分からないから手短に話すわね。」


余程、恐ろしい記憶だったのであろう。

水野の顔はさらに恐怖の色が強くなった。


水野「中学の頃、親友と公園で遊ぶ約束をしていたの。

でも、行ったら既に親友は死んでた。

その時に、少し遠くの方にあの仮面の男が見えたのよ。」


高橋「なるほど、公園で、なら公園にありそうなやつを探せばいいんじゃないか?」


「親友の名前は?」


水野「桝田遼太郎ますだりょうたろう。」


高橋「男なのか?」


水野「えぇ、男子だったわ。私と特別仲良くしてくれて。」


高橋「じゃあ、探してみよう。」


とは言ったものの、公園にありそうなものを探すのは難しい。

どらもこれも公園にあっていいものではないからだ。


アイアン・メイデン、ストレッチャー、親指締め器、スパニッシュ・ブーツ、鉄の椅子、苦悶の梨、車裂き用の車輪、ギロチンなど、様々だった。


3人は何かを作動させないように丁寧に調べていった。

拷問器具が触れ合うカチャカチャという音にさえ敏感になるほど神経は研ぎ澄まされている。


柴田はまたアイアン・メイデンの方を調べた。

そこにはいつの間にか納骨堂の時のようにカードが1枚置かれていたのだ。


「おい!またカードがあったぞ!」


高橋「どれ!」


3人はスマホを見るかのようにカードを覗き込んだ。

カードには『真実を見ろ。』と書かれていた。


「どういうことだ?真実?」


柴田と高橋は水野の方を見る。

彼女の方には動揺が浮かんでいた。


高橋「水野…お前何か隠してるのか?」


水野「首吊り…」


「え?」


水野「親友は首を吊るされて死んでたの。」


高橋「なんでそれを黙ってた?」


水野が1つの拷問器具を指さす。

しかし、それは拷問器具と言うよりも処刑用器具だった。

首を吊って罪人を葬るためのもの。


水野「あれを作動させなきゃいけないのは分かってた。でも、怖くて。

だって、あれの作動方法って…

誰かが…」


水野は泣きそうになっていた。

言いたいことは分かる。

それの作動方法なんて一択、けれどもし、それがハズレだったとすれば無駄死にすることになってしまう。

それを彼女は恐れていたのだ。


高橋「大丈夫、首をかけなくなって、手で持ってぶら下がれば何とかなると思うんだ。

やってみる価値はある。」


その言葉を信じて、高橋が首吊り縄に手をかけてぶら下がるのを2人は見守った。

ガコッという音とともに、扉が開く。


この先に恐らくは仮面の男がいる。

捕まえれその正体を明かそう、そう心に決めていた。

柴田はその扉の先に進む。

かなり暗いため、スマホのライトをつけて歩いた。


「この先にいるはずだ。

見つけたら3人で捕まえるぞ。」


しかし、返事がない。

振り返ると2人の姿がどこにも見当たらなくなっていた。

どこへ行ったのだと、道を戻ろうとしたが、ライトで照らしても元あった道が見えない。


急な心細さと恐怖にかられてしまったが、柴田は前に進む。

そして、行き止まりという名の牢屋のような場所に出る。

よく見ると牢屋の中には誰かがいることに気がつく。


ボロボロで今にもグスれそうな牢屋。

鉄格子は錆びていて、少し強く蹴れば壊れてしまいそうだ。

そして、中にいる人間は首を縄で縛られている。


「なぁ、おい、大丈夫か?」


牢屋の中の人間は柴田を見るなり、酷く恐怖しているようだった。

牢屋にいるにしてはガリガリでもなければ、傷だらけという訳でもないその姿に違和感を覚える。


「あんた、誰なんだ?」


桝田「お、俺は桝田だ。も、もう殺さないでくれ!」


「殺したりなんかしない。」


桝田「嘘だ!そうやってまた俺を騙す気だろう!

あの趣味の悪い仮面がその証拠だ!」


柴田は自分と仮面の男を勘違いしている、精神状態が不安定なのだと考えた。


「よく聞け、それは俺じゃない。

俺もここに連れてこられて、変なゲームに付き合わされてるだけなんだ。

君もそうなんだな?」


桝田「連れてこられた?

本気で言ってるのか?真実を見てない。」


「なんなんだ真実って。」


桝田「知らない方がいい。俺はもう時期殺される。」


「ちょっと待ってくれ、ここに来るまでに友達が消えたんだ。

道も何もかもが消えた。ここはなんなんだ?」


桝田「友達って、真実を話してくれない目を逸らすための道具のことかい?」


「はぁ?」


ガコンという音ともに、牢屋の男は下に落ちてしまった。

首吊り用の縄がピンッと張られたことで死を直感する。


その落ちていった穴から大量のカラスが自身の肉を狙いにやってきた。

カラスに襲われながら最後に見たのは仮面の男が目の前に立っているということ。


そしてまた暗闇の中へと戻されるのだった。

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