表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベニクラゲはループする  作者: アズキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/9

4,夢?

暗闇の中…何も聞こえない。

自分は今眠っているのだろうか?

それとも、オオカミに食いちぎられて死んでしまったのだろうか?


死んだ後、どうなるのかも知らずに、考えられているという事実に疑問を持った時、ハッと目覚める。


ここは…一体どこなのだろうか?

周りを見渡してみるが、誰もいない。


「高橋ー!!水野ー!!」


2人を大声で呼んでみたが、反応はなかった。

立ち上がり、2人を探してみることにする。

とりあえず、今自分がいる場所を確認したい。


周りを確認すると、椅子や机が沢山並べられた…これは、教室だった。

それになんだか懐かしいような教室。


そう、ここは、とある高校の教室の1つだったのだ。

窓の方へ駆け寄り、外を見てみる。

グラウンドがあり、サッカーゴールなどがあった。

ごく普通の高校なのだ。


よく見ると、時計があり、示している時刻は7時45分。

まだ生徒が来るには早い時間。

高校のホームルームといえば、もう少し遅い時間にスタートするものだ。


その間、この高校が何という高校なのか、調べるために、教室の外へ出ようとした。

しかし、後ろからガチャという音とともに、1人の生徒が教室の中へ入ってきたのだ。


天パで、身長は170ぐらいの男子だった。

そいつは教室の中にいる柴田には見向きもせずに、自分の席に座り、本を読み始める。

柴田のことが見えていないようだった。


そっと近寄り、ここがどこなのか聞いてみることにする。

彼の肩に手を当て「すいません。」と声をかけてみるが、反応はない。

触れているというのに、柴田の方を見ようともしないのだ。


この世界において柴田は存在しているのかすら分からなかった。

何かヒントがないのかと、彼の持ち物を見てみる。

柴田が見えていないようなので、ものをいじったところでまるで反応しなかったのだ。


そして、持ち物の中に名前の書いてあるものを発見した。

そこには「矢部」と書かれている。

これは何かの偶然なのだろうか?

納骨堂で探さなくてはいけなかった遺骨の主と苗字が被っているではないか。


それならこの教室に高橋の机もあるのではないかと、教室を駆け巡って探してみたが、机に名前などは書いてあるはずもなく、教室に貼ってあるものにも名簿のようなものはなかった。

もし、本当にこの矢部というやつが、高橋の言っていたやつなら…そのうち殺されてしまう運命。


何とか危機を伝えようとしても、話しかけたところで反応がないから不可能だ。


悩んでいる時、ガチャという音が聞こえ、教室の後ろの方を見る。

誰かが教室に入ってきたのだ。

そして、それは紛れもなくあの仮面の男だった。


急いで矢部を逃がそうと体で体当たりしたがら彼の体はビクともしない。

仕方がないので仮面の男の方を止めようとしたが、その努力も虚しく、全く同じ反応だった。


触れてもビクともしない、声を出しても反応はない。

柴田はこの世界の映像を見せられているようで、自身は干渉できないことを悟る。


あとは、矢部が無惨に殺される様を見るしかなかった。

これが高橋が言っていた事件のこと。

だが、思いもよらないことが起こるのだ。


ひたすら滅多刺しにしていた仮面の男の腕がピタリと止んだのだ。

そして、次の瞬間、死体を見て驚いたような動きをして、叫びながら教室を出ていってしまった。


柴田は理解ができなかった。

自分でやっておいてなぜあんな反応を?

教室に残ったのは血まみれの矢部の死体。

体を滅多刺しにされ、既に死んでいた。


柴田は目眩がしてきた。

あの時と同じ目眩だ。


数分後、教室に生徒が来ると悲鳴が上がった。

そして、続々と人が集まってくる。

大人が死体を囲み、生徒たちは1目見ようとするやつから、見ないようにしているやつ、泣いているやつなど様々だった。


だが、肝心なやつがいないのだ。

高橋は一体どこにいるのだろうか?

探しても、探しても見当たらない。


「確か…」


この死体を見ている時、仮面の男を見たと言っていたことを思い出す。

窓の方を見ると、その言葉の通り、奴がいたのだ。

窓へ走り、開けようとした時、仮面の男は急に自分の存在に気がついたかのように逃げ出した。


窓を開け、外に出て、後を追う。

外を走り、学校の中へと逃げていく。

見失わないように必死に食らいつく、階段を登って、登って、屋上へと辿り着く。


やっと追い詰めたと思った時、何かが、自分の肩にとまる。

黒い羽に包まれたそれは、フクロウだった。


迂闊にもフクロウの目を見てしまう。

スマホに映し出された時のことを思い出すと「しまった!」と思うのも無理はない。

柴田の予感は的中、その場で新たな眠りについてしまう。


そして次に暗闇で見たものとは…

新たな自分を生み出す「ベニクラゲ」の姿だ。

それはスマホに映っていたものと変わりない姿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ