第三十九話 新たな装備
神殿から戻った七人は、ガチャ 36 回の結果と宝物庫での収穫を拠点に持ち帰り、
一つひとつまとめていった。
【冬吾の現在装備】
■武器:約束の剣(New)
・攻撃力:極
・二つの誓いが宿る奇跡の刃
・固有スキル
―《誓いの共鳴》:HP30%以下で攻撃2倍+回避+20%
―《虚無断ちの刃》:防御無視の必殺攻撃
→ 回避型でも凄まじい火力が出る、冬吾の核武器。
■盾:影縫いのバックラー(New)
・ガード成功時、敵の命中率ダウン
・軽量で、回避行動の邪魔をしない
■頭:砂塵の鉢金+1
・回避+10% → +18%へ強化
・砂煙時のステUP範囲も拡大
■胴:虚歩の外套(New)
・回避+20%
・一定周期で“すり抜け回避”発動
→ 攻撃判定そのものを無視する回避が可能
■腕:雷龍の手甲
・唯一無二の雷耐性
・雷系の大技対策として継続採用
■足:死霊使いの脚絆
・死霊系からのターゲット率減少
・奈落対策にも有効
■靴:ベオウルフブーツ
・移動速度+20%
・格闘補正が乗り、近接性能も強化
■装飾:鬼神の指輪+1
・攻撃+25% → +40%へ
・怒り時追加ダメ+10% → +15%へ
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◆冬吾:総合ステータス
・回避:圧倒的
・機動:高速
・火力:LR剣×鬼神で必殺レベル
・特殊:死霊対策完備
・弱点:防御は低め
完全に暗殺者として仕上がった冬吾。
ガチャ36連で回避特化装備が自然と揃い、重複強化の+1が噛み合い、
トップクラスの一撃回避アタッカーへと進化していた。
(……めちゃくちゃ強くなった気がする)
冬吾は、新しい装備を身につけた仲間たちに目を向けた。
どいつもこいつも、目に見えて強くなっている。
主要装備だけ見ても、それは明らかだった。
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【仲間たちの強化】
◆ミサト(剣士/バランス型タンク寄り)
■武器:神鋼刀・白雲
・斬撃の軌跡そのものに防御バフが乗る
・硬質化で一時的に“被ダメ半減”
■胴:鉄翼の胴着
・物理防御UP
・軽く、回避低下も起きない
■装飾:守護者の勾玉
・味方全体の物理防御をわずかに底上げ
◆総合
硬さ×手数の両立。冬吾の最前線カバー役。
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◆グレンデル(斧使い/火力タンク)
■武器:巨戦斧ドレッドハンマー+1
・重複強化で火力が跳ね上がる
・チャージ攻撃は鎧潰しの破壊力
■胴:黒鉄の重鎧
・物理防御トップ
・重さデメリットが低い超高性能鎧
■装飾:獣王の耳飾り
・HP20%以下で攻撃大幅UP
◆総合
前線の壁であり、爆発火力の柱。
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◆レン(盗賊/スピードデュアルソード)
■武器:双牙ブレード・迅&影
・連撃数に応じて攻撃力上昇
・背後攻撃が確定クリティカル
■頭:夜走りのフード
・奇襲時のステルス保持時間UP
■装飾:抜刀のチャーム
・開幕の初撃ダメージ増加
◆総合
背後からの確殺担当。冬吾との連携は凶悪級。
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◆ベリー(魔導士/範囲・サポート)
■武器:星砂の魔杖スターダスト
・範囲魔法の射程UP
・詠唱が中断されにくい
■装飾:叡智の髪飾り+1
・INTが重複強化で大幅上昇
◆総合
広範囲殲滅と索敵に長ける、チームの頭脳。
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◆コルト(ヒーラー/回復特化)
■武器:再生の鈴・ラピス
・回復魔力UP
・回復時、状態異常を1つ自動解除
■装飾:癒し手のロザリオ
・回復クリティカル率UP
◆総合
冬吾の命綱であり、全員の生命線。
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◆ネロ(時術魔導士/速度操作特化)
■武器:時紡ぎの杖クロノスロッド
・ヘイスト効果+20%
・ディレイ(減速)の成功率UP
・詠唱速度10%短縮
■装飾:刻印の砂時計ペンダント
・スキルの再使用時間短縮
・加速魔法のみ、味方の初手行動を補助
◆総合評価
・ヘイスト → 味方の手数と安全度が跳ね上がる
・ディレイ → 敵の攻撃タイミングをずらし制御
・詠唱UP装備でサポート性能はトップ
・状況を操る魔導士
・冬吾&レンの速度組との相性は最強
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これで、七人の戦力は明確に次の段階へ進んだ。
奈落へ向かう準備は、整いつつある。
拠点の外は、夜風がゆっくりと草木を揺らしていた。仲間達は交代で見張をする。
「冬吾、次よろしく」
ミサトが冬吾を起こす。
「……ん、わかった……お疲れさん、おやすみ」
冬吾は焚き火の赤い揺らぎをぼんやり眺めながら、周囲の気配を探る。
「……なんだ、眠れねぇのか?」
背後から小さな足音。振り向くと、ベリーが肩をすくめて近づいてきた。
「うん、ちょっと。……隣、いい?」
「勝手にしろよ」
ベリーは冬吾の隣に腰を下ろす。しばらくは火の音だけが響いたあと、彼女はぽつりと言った。
「……エッジとセブンスを殺した夜、覚えてる?」
「ああ」
「あの時、私……震えてて。吐きそうで、何も考えられなかったのに、あんたが、お前は悪くねぇって言ってくれたから……。ほんとに救われたんだ」
冬吾は目を細める。あの夜の光景。泣きじゃくるベリー、血の臭い、土に転がる二人の男。正当防衛だったとはいえ、彼女の手の震えは本物だった。
ベリーはつづける。
「でもさ……バロンは、あれだけ人を殺して。何人も、何十人も殺して。どうしてあんなふうに平気な顔できるのかな」
冬吾は火を見つめたまま、ゆっくり口を開いた。
「……感じねぇんだろうな。たぶん最初から」
「最初から?」
「普通のやつは、殺したって現実に殴られて動けなくなる。けどバロンはちげぇ。現実世界の時点で、心ん中がもう擦り切れてたんだろうよ」
冬吾は自分の胸を軽く叩いた。
「ここが壊れてるやつは、罪悪感ってもんが働かねぇ。バロンにとっては、人を殺すのが痛みじゃなくて、ただの結果なんだ。ゲームと現実の境目がぶっ壊れてる」
ベリーは俯いた。
「……怖いよ、あいつ」
「怖ぇよ。けどよ、俺らが震えたり、手が止まったりするのは……まだ人間だからだ。それだけは胸張っていい」
冬吾はベリーの頭を、軽くこづいた。
「それにな。あの夜、お前が泣いてでも逃げずに立ってたの、俺は見てた。強ぇよ、お前は」
ベリーの肩が、わずかに震えた。しかしその震えは、怯えではなく、救われるような呼吸の乱れだった。
「……冬吾って、優しいんだか冷たいんだか、わかんないよ」
「状況次第だな。敵には冷てぇし、味方には……まあ、ちょっとはな」
「ちょっとかよ」
ベリーは小さく笑い、夜空を見上げた。
冬吾も同じ方向を見る。
星々は静かで、まるで何事もないかのように瞬いていた。
バロン。
あいつと向き合うときが近づいている。
そんな気配が、夜風に混ざっていた。




