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サンドボックスウォーズ「44サーバー編」  作者: 黒瀬雷牙
最終章 終わりへと向かう物語

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第三十九話 新たな装備

 神殿から戻った七人は、ガチャ 36 回の結果と宝物庫での収穫を拠点に持ち帰り、

 一つひとつまとめていった。


【冬吾の現在装備】


■武器:約束の剣(New)

・攻撃力:極

・二つの誓いが宿る奇跡の刃

・固有スキル

 ―《誓いの共鳴》:HP30%以下で攻撃2倍+回避+20%

 ―《虚無断ちの刃》:防御無視の必殺攻撃

→ 回避型でも凄まじい火力が出る、冬吾の核武器。


■盾:影縫いのバックラー(New)

・ガード成功時、敵の命中率ダウン

・軽量で、回避行動の邪魔をしない


■頭:砂塵の鉢金+1

・回避+10% → +18%へ強化

・砂煙時のステUP範囲も拡大


■胴:虚歩の外套(New)

・回避+20%

・一定周期で“すり抜け回避”発動

→ 攻撃判定そのものを無視する回避が可能


■腕:雷龍の手甲

・唯一無二の雷耐性

・雷系の大技対策として継続採用


■足:死霊使いの脚絆

・死霊系からのターゲット率減少

・奈落対策にも有効


■靴:ベオウルフブーツ

・移動速度+20%

・格闘補正が乗り、近接性能も強化


■装飾:鬼神の指輪+1

・攻撃+25% → +40%へ

・怒り時追加ダメ+10% → +15%へ



◆冬吾:総合ステータス


・回避:圧倒的

・機動:高速

・火力:LR剣×鬼神で必殺レベル

・特殊:死霊対策完備

・弱点:防御は低め


完全に暗殺者として仕上がった冬吾。

ガチャ36連で回避特化装備が自然と揃い、重複強化の+1が噛み合い、

トップクラスの一撃回避アタッカーへと進化していた。


(……めちゃくちゃ強くなった気がする)


 冬吾は、新しい装備を身につけた仲間たちに目を向けた。

 どいつもこいつも、目に見えて強くなっている。

 主要装備だけ見ても、それは明らかだった。



【仲間たちの強化】


◆ミサト(剣士/バランス型タンク寄り)


■武器:神鋼刀・白雲

・斬撃の軌跡そのものに防御バフが乗る

・硬質化で一時的に“被ダメ半減”


■胴:鉄翼の胴着

・物理防御UP

・軽く、回避低下も起きない


■装飾:守護者の勾玉

・味方全体の物理防御をわずかに底上げ


◆総合

硬さ×手数の両立。冬吾の最前線カバー役。



◆グレンデル(斧使い/火力タンク)


■武器:巨戦斧ドレッドハンマー+1

・重複強化で火力が跳ね上がる

・チャージ攻撃は鎧潰しの破壊力


■胴:黒鉄の重鎧

・物理防御トップ

・重さデメリットが低い超高性能鎧


■装飾:獣王の耳飾り

・HP20%以下で攻撃大幅UP


◆総合

前線の壁であり、爆発火力の柱。



◆レン(盗賊/スピードデュアルソード)


■武器:双牙ブレード・迅&影

・連撃数に応じて攻撃力上昇

・背後攻撃が確定クリティカル


■頭:夜走りのフード

・奇襲時のステルス保持時間UP


■装飾:抜刀のチャーム

・開幕の初撃ダメージ増加


◆総合

背後からの確殺担当。冬吾との連携は凶悪級。



◆ベリー(魔導士/範囲・サポート)


■武器:星砂の魔杖スターダスト

・範囲魔法の射程UP

・詠唱が中断されにくい


■装飾:叡智の髪飾り+1

・INTが重複強化で大幅上昇


◆総合

広範囲殲滅と索敵に長ける、チームの頭脳。



◆コルト(ヒーラー/回復特化)


■武器:再生の鈴・ラピス

・回復魔力UP

・回復時、状態異常を1つ自動解除


■装飾:癒し手のロザリオ

・回復クリティカル率UP


◆総合

冬吾の命綱であり、全員の生命線。



◆ネロ(時術魔導士/速度操作特化)


■武器:時紡ぎの杖クロノスロッド

・ヘイスト効果+20%

・ディレイ(減速)の成功率UP

・詠唱速度10%短縮


■装飾:刻印の砂時計ペンダント

・スキルの再使用時間短縮

・加速魔法のみ、味方の初手行動を補助


◆総合評価

・ヘイスト → 味方の手数と安全度が跳ね上がる

・ディレイ → 敵の攻撃タイミングをずらし制御

・詠唱UP装備でサポート性能はトップ

・状況を操る魔導士

・冬吾&レンの速度組との相性は最強



これで、七人の戦力は明確に次の段階へ進んだ。

奈落へ向かう準備は、整いつつある。


 拠点の外は、夜風がゆっくりと草木を揺らしていた。仲間達は交代で見張をする。


「冬吾、次よろしく」

 

 ミサトが冬吾を起こす。


「……ん、わかった……お疲れさん、おやすみ」


 冬吾は焚き火の赤い揺らぎをぼんやり眺めながら、周囲の気配を探る。


「……なんだ、眠れねぇのか?」


 背後から小さな足音。振り向くと、ベリーが肩をすくめて近づいてきた。


「うん、ちょっと。……隣、いい?」


「勝手にしろよ」


 ベリーは冬吾の隣に腰を下ろす。しばらくは火の音だけが響いたあと、彼女はぽつりと言った。


「……エッジとセブンスを殺した夜、覚えてる?」


「ああ」


「あの時、私……震えてて。吐きそうで、何も考えられなかったのに、あんたが、お前は悪くねぇって言ってくれたから……。ほんとに救われたんだ」


 冬吾は目を細める。あの夜の光景。泣きじゃくるベリー、血の臭い、土に転がる二人の男。正当防衛だったとはいえ、彼女の手の震えは本物だった。


 ベリーはつづける。


「でもさ……バロンは、あれだけ人を殺して。何人も、何十人も殺して。どうしてあんなふうに平気な顔できるのかな」


 冬吾は火を見つめたまま、ゆっくり口を開いた。


「……感じねぇんだろうな。たぶん最初から」


「最初から?」


「普通のやつは、殺したって現実に殴られて動けなくなる。けどバロンはちげぇ。現実世界の時点で、心ん中がもう擦り切れてたんだろうよ」


 冬吾は自分の胸を軽く叩いた。


「ここが壊れてるやつは、罪悪感ってもんが働かねぇ。バロンにとっては、人を殺すのが痛みじゃなくて、ただの結果なんだ。ゲームと現実の境目がぶっ壊れてる」


 ベリーは俯いた。


「……怖いよ、あいつ」


「怖ぇよ。けどよ、俺らが震えたり、手が止まったりするのは……まだ人間だからだ。それだけは胸張っていい」


 冬吾はベリーの頭を、軽くこづいた。


「それにな。あの夜、お前が泣いてでも逃げずに立ってたの、俺は見てた。強ぇよ、お前は」


 ベリーの肩が、わずかに震えた。しかしその震えは、怯えではなく、救われるような呼吸の乱れだった。


「……冬吾って、優しいんだか冷たいんだか、わかんないよ」


「状況次第だな。敵には冷てぇし、味方には……まあ、ちょっとはな」


「ちょっとかよ」


 ベリーは小さく笑い、夜空を見上げた。

 冬吾も同じ方向を見る。

 星々は静かで、まるで何事もないかのように瞬いていた。


 バロン。

 あいつと向き合うときが近づいている。


 そんな気配が、夜風に混ざっていた。

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