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真実①

この世界の真実、未だに謎である。

あやめとヤオヨロズの心配を他所に、さちおばあちゃんは四十九日の一日前にあやめたちの前に現れた。


 「あやめ!!ひさしぶりだね!」

「さちおばあちゃん、私は心配していたの。四十九日の前までに戻ってくれてよかった。」

 「なにさ、私は自分の役割よく理解しているから、ちゃんと戻ってくるわよ!」

 「おばあちゃん、こんな長い間何をしていたの?」

 「生前お世話になった魂にあいさつ回りしていたんだよ。あやめの今後のために時間かけていた部分もあるんだよ。」

 「どういうこと?」

 「私はあやめにほとんどこっちの世界の知識を教えてこなかったでしょ、だからシキネさんにいろいろ教えてもらってほしかったの。あとはね、この世界も俗世も全く同じように時間が流れているの。今俗世ではあやめは一か月以上病気で意識不明になっているの。俗世のあやめは体力も衰えているし、これから病気を治していかなきゃいけない。でもこれは、あやめが病者の気持ちをよく知るために大切なことだと思うの。だから、私はあえて俗世のあやめを病気にしてからこっちの世界に来させたし、わざと長い時間をかけて衰弱させたの。最期に最悪な置き土産を残したおばあちゃんでごめんね。」

 あやめは、幸おばあちゃんに会えてうれしいという気持ちはすっかり忘れ、怒りでいっぱいになっていた。

 「おばあちゃん、気持ちはわかるけど、もっといいやり方はなかったの?」

 「これは、中峰家の伝統なの。だから、私もこの魂を継承したときは、脳出血で倒れていたわ。リハビリとかいろいろ頑張って復活したのよ。でも、これは本当にいい経験だったの。患者さんの気持ちがわかる力は、医療人に一番大切な能力なのよ。あと、継承の時期も、受験後の一番時間がある時期にしたわ。だから、許してちょうだい。」

 

 「私はあやめに必要最低限の死後の世界の知識を与えてきたでしょ、あれは本当にごく一部しか教えていなかったの。ほかの三大明家では、次の継承者に対して俗世で死後の世界のすべてを教えてから継承させるのが普通なの。だけど、中峰家は患者さんに寄り添い、治療を行うという仕事をしているの。つまりね、俗世の人の気持ちが深くわかっていないと、成り立たない医師という職業を俗世で手にしているの。だから、中峰家では継承までほとんど死後の世界について知らせずに、俗世の人とほとんど変わらない生活を送ることで、他人の気持ちのよくわかる医師を育てようとしているの。」

 「なるほど。まあ、わかったけど。」

 さちおばあちゃんの言いたいことはわかった。でも、怒っちゃう。これからリハビリ?!下手したら大学一年間、つぶれちゃうよ。

 「わかってくれてよかった。おばあちゃんはあやめを応援しているからね。」

 私の気持ちがわからないのかしら。もう!おばあちゃんったら。

 「ねえ、それでもやっぱり、許せないかも。」

 「許してくれなくてもいいの。いつか、気付く日が来るから。」

 「そうなの?でもやっぱり嫌だよ。」

 「私はね、あやめが私のために、医学部への道を歩んだことを知っているの。本当にありがとう。それなのに、こんなことをしているのは恥ずかしいけど、いつか絶対気付くから。」

 「まあ、とりあえずは許すよ。」

 あやめは、こんなことも許してしまうほど、さちおばあちゃんのことが大好きだった。

 「そろそろ、時間が無くなってきたね。中峰家の仕事とか諸々をいまから教えるからね。」

 その衝撃の内容に、あやめは動揺した。

その衝撃の事実とは…?!


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