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やりなおしまでの過程

次の日、僕たちはまた訓練に行った。走って集合場所に行くと、昨日とは違う内容を聞かされた。

「今日は最初から走り回るのではなく、猛獣の倒し方、武器の扱い方について勉強してもらう。あ、猛獣は鉱山にいるやつじゃなくて普通のだな、鉱山のは情報がほとんどないから。」

普通の猛獣とは。ドラゴンや巨大蜘蛛がうろついている中での普通は正常ではないことは確かだ。しかし、戦えと言っていないだけマシである。今の僕が戦えばたちまち死んでしまうだろう。勉強という単語にやや安心を覚えていると、横からルウがとんでもない事を言ってきた。

「猛獣勉強は実践があるらしいよぉ、俺たちの大きさくらいの蜘蛛って聞いたことがあるんだぁ。」

「そ、うなのか。」

確実に僕の命の危機が迫っている。恐ろしい事がついに現実に…。冷や汗が出てきた。

「どうしたんだよぉ、顔が真っ青だよぉ」

「ルウ、平気なのかよ。」

「蜘蛛に勝てないと鉱山の猛獣には勝てっこないよぉ。それにこの隊最強の隊長がサポートしてくれるらしいしぃ、死にはしないよぉ。」

「良かった、本当に。」

「えへへぇ。」

サポートがあると聞いて本当に安心した。どれくらいなのかにもよるが、ないのはさすがに鬼だ。絶望感からのちょびっとした安心を感じながら僕たちは、隊長について行った。建物の敷地内を抜けて、裏の森林を進んでいく。ぐねぐねと曲がった木を避けながらはぐれないよう進む。ぬかるんだ道に足を引っ掛けながらかけないよう進む。最後に、狼に追いかけられたがなんとか逃げ切り、僕たちは肩で息をしながら薄暗い洞窟の前にたどり着いた。

「ついたぞ、これからでっかい蜘蛛を協力して倒すんだ。さあ、行ってこいっ。」

隊長はニヤリと笑ってそう言った。洞窟の中は薄暗いが、昼間なので陽の光が届き、思っていたより明るい。1つ角を曲がったところで、何かが襲いかかってきた。

「ぎゃああっ」

あらかじめ渡されていた装備があったがその事も忘れて手をぶんぶんと振り回した。すると、グチャっとその何かを潰していた。手のひらを見ると、ちょうど僕の手のサイズの蜘蛛が潰れてこびりついていた。

「アオトくん、大丈夫?」

「ああ、でもこれって。」

目の前には太くてねばっとした白い糸。奥から聞こえる威嚇をあらわした虫の声。そしてだんだん近づいてくる真っ黒な影の正体は、

「出たよ、巨大蜘蛛だこれっ」




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