第6話
俺は、暴露マスターとして活動している。
前にも言ったが、友達が嫌がらせを受けていた。
でも、その時の俺は何もできなかった。だから、配信者になった。
まあ、配信者といっても「暴露系」だけどな。
だから、俺の活動を良く思ってない人もたくさんいる。
俺が関わったがために、かえって悪くなった事件もある。
でも、自分が暴露したことで誰かが助かっていることもたくさんある。
だけど、今回の件で俺が積極的に協力することに決めたのは理由がある。
それは―
今回の事件の被害者「朝霧塁斗」は―
俺の弟だからだ。
俺の名前は「朝霧雅人」。
両親は、ずっと俺のことをかわいがっていた。
その反面、弟にはずっと冷たかった。
俺は弟がそんな目にあわされてるのを見て、つらかった。
だから親に平等に見て、といったんだ。
そうしたら、こう告げられた。
「あいつは家族じゃない」
その時から、俺は親のことが嫌いになった。
もちろん弟と俺、両親は血がつながっている。
つまりだ。
両親は、弟のことを「仕方なく」面倒を見てるというのか。
俺は、この家族から弟を救いたい。だから、18歳の時に家を出た。
今思うと、まだ中学生の弟を家に置いておくのは心配だった。
だけど、いずれ虐待されたりするのが心配だった。
だから、俺は高校を卒業してすぐに働くことにした。
もちろん、弟の電子マネーを作って、稼いだ金のほとんどを入れていた。
毎日連絡もしていた。
だけど、ある日突然連絡が途絶えた。
弟が住んでる家に行っても、相手をしてもらえなかった。
しかも、こう言っていた。
「塁斗?そんな人は今家にいません」
まさか、、、と思ったが、その時は問い詰めるほどの力がなかった。
翌日、音風ノアというアイドルが、とある事件について言及していた。
彼女は、弟とネッ友ということはしっていた。
もしかして、、と思ってDMをしてみたら、やはりそうだった。
俺は悔しかった。
また一人助けられなかった。これじゃ、配信をしてる意味がない。
いや、まてよ。
連行されたってことは、まだ捕まっていない。
無実を訴えれば、可能性はある。
もちろん弟のことは疑っていない。
今までの家庭環境のせいか、彼は何をするにも臆病になったから。
―今、助けてやる。
☆
「おまえがやったんだな?」
「、、、」
俺、朝霧塁斗はいま取り調べをされていた。
事情聴取という名の拷問かな??
手を縛られて、強い口調でずっと吐き出させようと必死になっている。
まあ、なんか言ったら余計追及されるだろうから、ひたすら黙秘している。
「なんかしゃべろや!」
なんだこの警察。
ここの県警はもともとやばいと言われてたが、ここまでとは、、、、
まあいい。俺は無実だから。
何も気にすることはない。
まあ、トイレにはいかせてほしいな(笑)
「あの」
「やっとしゃべったか。吐き出す気になったか?」
「トイレ行かせてくれ」
「は?行かせるわけないだろ」
うーん、どうしようか。
飯も食ってない。死んじまうぞ、ここで。
こうやって、たくさんの人が病んで本当かウソか関係なく罪を吐き出していたのだろう。
そんな時、、、
「失礼します。上からの命令で、今すぐ取り調べを中止しろとのことです。」