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第2話

ピンポーン。


夜の街に、チャイムが鳴り響いた。


「はーい。って、塁斗!?」


美鈴が驚いた様子でドアを開けた。


「ごめん、突然押しかけて。もう、居場所がないんだ。」


「わかった。今日は泊まっていきなよ。


 家にいるよりはマシだろ?それに、部屋も余ってるからさ。」


「ありがとう、、、」


こうして僕は美鈴の家で夜を過ごした。


この時の塁斗は、今何が起きているのかは知らない。




翌日。


自分の靴箱に画鋲が敷き詰められていた。


普通なら学校はいじめとして動くだろう。


でも、あの事件から、生徒会はやたらと俺に目を付けている。


全校放送でも僕のことを遠回しに悪く言うぐらいだ。どうして、確定じゃないのに噂を広めるのだろうか。


―僕がこの学校からいなくなってほしい?


―学校の恥?


―退学させれば評価が上がる?


みんなの考えていることは何もわからない。


そして、放課後に部活に行った。


僕は水泳部に入っている。


久しぶりの部活がある日。いつもはうれしいけれど、今はその逆。


行ったら絶対に非難される。そんなことわかっていた。


でも、冤罪だからって理由で学校生活を無駄にしたくないんだ。




「は?なんで塁斗がいるの?」


「空気読めよ」


「やる気なくしたわ。犯罪者と一緒にやりたくないので帰りまーす」


やっぱりだ。僕のことを信じてくれる人はいない。


もう決めた。


「今日でこの部活やめます。覚えとけお前ら」


そう言って部室から去った。


なんか「逃げたな」とか「最初からそうすればよかったんだよ」とか聞こえるけど、もうそんなのどうでもいい。


その時、顧問が大声でこう告げた。


「もう学校もやめろ、犯罪者w」


あー。


ますますこいつらの人生をつぶしたいと思った。




次の日、担任からこんなことを言われた。


「塁斗、昨日のニュース見たか?」


「何かあったんですか?もしかして、、、」


「そうだ。恐らくだが塁斗を陥れた犯人が捕まった。


 俺の友人が余罪について調べている。


 もうすぐ、解放されるな。」


その言葉を聞いたとき、クラス全員が拍手をした。


「がんばれ!」


「もう少しだよ!」


みんな応援してくれている。


もう少しの辛抱だ。頑張ろう。


そう思っても、現実はそう甘くない。




家の鍵が変えられていた。


きっと俺のことを追い出すのだろう。


近所でも噂になっているらしい。そりゃ当然か。


だとしても、息子のことを弁護してくれないのはどうだろうか。


僕が話そうとしても、一向に無視してくるし。


実は、俺の親は大手企業の幹部だ。


親的には、嘘かホントかはどうでもよく俺を追い出して自分たちにまで被害は行かないようにしたいのだろう。


家の鍵を変えたのも、カードキー式だからすぐに戻せるし、俺は家の雰囲気が嫌で何回も家出したことがある。だから、俺が警察に言っても家出で済まされるだろう。


まあいいか。もうすぐこいつらか地獄を見ることになるから。





内藤幸都は、留置所の中で悩んでいた。


今、余罪を調べているらしい。もしかしたら、あの少年を陥れたこともバレるかもしれない。そうなったらどうしよう。


罪がもっと重くなってしまう。


別にあの少年には申し訳ないとは思っていない。


風のうわさで聞いたが、あの少年は学校や近所で袋叩きにあっているらしい。


彼が何をしたというわけではないが、ざまぁみろだ。


きっと、余罪が見つかりそうになったのも、あいつのせいだ。


「やるしかないか、、」


彼は、何かを企んでいた。



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