恋する乙女 エミナ・ハドリアス
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
助けた、お貴族様は、エミナ・ハドリアス。
なんと、公爵令嬢だった。
ラノベには、良い貴殿と悪い貴族がいる。
ハドリアス公爵家はどちらだろう?
そんなことを考えながら、ユキヤ達を乗せた馬車は、進む。
始めは歩いていくと言ったユキヤだったが、エミナの強い希望もあって、今は同じ馬車で揺られている。
一方、サリウスはというと、部下に早馬を出し、一足早くツペンタークに連絡を入れている。
ツペンタークには、馬の足で、あと半日ほどだという。
そんな事よりも、今、自分は危機に陥っている。
何故かって?
それは、隣に座っているエミナに、腕を絡ませられているからだ。
相手は公爵令嬢だ。
振り解こうものなら、不敬罪に取られるかもしれない。
馬車は対面にも座れる、6人は座れる大きな馬車だ。
にもかかわらず、エミナは隣でベッタリだ。
最初は馬車に乗ることは断った。
当然だ。
お貴族様と同じ空間、密室など、恐れ多くて耐えられない。
しかし、先程の襲撃で、エミナが怯えて(?)しまい、そばにいて欲しいと譲らなかったのだ。
その結果が、これである。
身動きが取れない分、余計に危険だと思うが、当のエミナはご満悦だ。
彼女の何かびんせんに触れてしまったのだろう。
容姿の良さが、悪い方に働いてしまっている。
あっ、そうそう、先程倒した魔物は、俺の異空間魔法(アイテムファイルと名付けた)に収納した。亡くなってしまった騎士も同様に、収納してある。
魔法を使った時、エミナ達には、すごく驚かれた。
どうやら、そんな魔法は聞いた事もないらしく、代わりに物を運べるアイテムバックと言うものがあるらしい。
だが、容量はあまり大きくなく、30体もの魔物を収納出来る物は無いらしい。
魔法ですからと、なんとか誤魔化したが、これから魔法を使う時は気をつけなければならないと、勉強になった。
魔法だけじゃ無い。
この世界について、俺はほぼ無知に等しい。
迂闊な事は出来ないなと思いにふけっていると、何処からか、声をかけられている事に気づいた。
「・・・さま、・・ユキヤさま。ユキヤ様、聞いておられますか?」
隣のエミナからだった。
「あっ、うん。聞いているよ。」
咄嗟に相槌を打つが、、なんの話をしていたのか、全く検討がつかない。
「本当ですか?何かうわの空の様だったのですが?ですから、ツペンタークはですね・・・。」
どうやらツペンタークについて、色々教えてくれていたらしい。ごめん、聞いてなかったよと、心の中で謝りながら、エミナの話に耳を傾ける。
当のエミナはご満悦だった。
旅の目的は果たせなかった上、魔物の襲撃で死にかけたりもしたが、物語で出てくる様な、容姿の整った美少年に救われたのだ。
心が惹かれない訳が無い。
そんな彼がすぐ隣にいるのだ。
色々話したくて仕方ないのだ。
ただ、当のユキヤは自分の事をあまり話さない。
いや、話せないのだ。
転生しただの、中身は30近いオッサンだの、話せる訳が無い。
よって、聞き役に徹するしかなかった。
エミナの話では、エミナはツペンターク領の領主の娘。公爵令嬢である事。一人娘である事。
母親の病気を治す為、隣国の神聖王国の聖女に会いに行っていた事。
ただ、聖女は国を安易に離れる事が出来ず、断られたこと。
あとは、秘薬と呼ばれる薬を入手するしか方法が無い事など、話しは尽きない。
あとは、どんな女性が好みだとか、好きな食べ物は何かなど、質問も盛り沢山だ。
女性経験の少ない自分ときたら、もうそれだけで、お腹一杯だった。
早くツペンタークに着いて、貰う物もらったら、とっとと、お暇をいただきたい。
早く着かないかなぁと、淡い期待を胸にしまって、その後もエミナの話に相槌を打つのだった。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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宜しくお願いします。