怠惰の巨人
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
ヤマト国は、北部という土地柄の為、年中、気温が低い。
〈エチゴ屋〉に紹介された宿〈ホンノウジ〉で一晩過ごした、翌朝。
燃えなくて良かったと、物騒な事を思いながら、睡眠から
目覚めると、寒いと思った。
普段は、冷暖房付きのローブを着ている為、外気温に左右されることなく、活動出来ているが、今は寝巻き姿の為、寒い。
すぐに、暖炉に火を焚べて、冷えた身体を暖める。
(・・ヤマト国に、移住しても良いかなぁって思ってたけど、この寒さに慣れないと、いけないのかぁ。・・・目的は達成したし、さっさと、ホルスターに帰ろう。)
〈イネ〉と〈ミソ〉を手に入れて、満足したユキヤは、早速、ルメールに帰ることを告げた。
しかし、ルメールが、それを却下する。
「ユキヤ、折角の機会だ。一度、雪というものを見てみたい。」
と、希望を言った。
「それなら、もうちょっと、北部まで行かないといけないですね。ルメールさんは、寒くないんですか?」
すると、
「確かに,ホルスターに比べると寒いが、適当な店で、上着を買えば良かろう。悪いが、買い物に付き合ってくれ。」
と、希望を述べた。
「昨日は、僕の買い物に付き合って貰いましたからね。良いですよ。
と、応えるユキヤ。
「うむ、デートだな。楽しみだっ!!」
と、いつものごとく脱線するルメール。
相変わらず、ブレ無いなぁと、思うユキヤだった。
結論から言うと、買い物は、あっさり終わった。
女性の買い物は長いと言う先入観から,丸一日は付き合わねばならないと、覚悟していたが、意外や意外、すぐ、終わった。
ルメールは、真っ赤なコートと、ボアっぽいブーツを買っただけだ。
本当に、それだけで良いのかと,尋ねると、「似合って無いか?」と、逆に尋ねられ、「とてもお似合いですよ。」と、言うと、満足げに購入した。
まぁ、本当に似合っているし、本人が気に入っているなら問題はない。
その脚で、俺たちは、最北端の街、〈キタカタ〉に向かっている。
馬車の足で、2日とのことなので、夕食に、〈イネ〉と唐揚げを作ってやろうと、思っていた。
みんな大好き、唐揚げだ。
〈イネ〉との相性もバッチリなので、きっと気に入ってくれるに違いないと、思いながら、行者を務めた。相変わらず、ベッタリなルメールに、やれやれと、感じながら,馬車を走らせている。
これだけ、寒いのだから、鍋も良いなぁと、思うユキヤだった。
目的地〈キタカタ〉に近づくと、道にところどころ、雪が積もっていた。前世と同じく、白かった。これが、青や赤だったら、流石に引く。
そうこうしている間に、目的地〈キタカタ〉に到着した。
流石は,最北端(正確には,海があり、その先にも大陸はあるが)の街。
冷暖房付きのローブ越しでも、寒い。
今日は、雪は降っていなかったが、大地に大分積もっている。
歩くと、サクサクと音がして、心地が良い。
ルメールに「コレが雪ですよ。」と、言うと,子供のようにはしゃいでいる。
「コレが雪かっ!真っ白だなっ!」
と、サクサクと音を響かせながら、走り回っていた。
暫くすると、満足そうな笑顔で戻ってきたので、他にすることもないし、早めに宿を取ろうとすると、荷物満載の馬車が、コチラに向かってくる。周りには沢山の人達もおり、祭りか何かかなっと、思い、道行く人に尋ねる。
すると、
「これらは、山神様に奉納するためのものだ。」
と、返答が返ってきた。
(山神?神だってっ!?神様っことだよなぁ?本当にいるなら、俺の転生の謎が解けるかもしれない・・。)
そう思って、「一緒について行って良いか」と尋ねると、「山神様にご迷惑をかけなければ、良い」と、言う。
空想の神ではなく、存在している神様に期待が膨らむ。
ルメールに伝えると、ルメールも興味津々のようで、「一緒に行こう」と言ってくれた。
どうやら,その山神とやらは、手前に見える山の中に、住んでいるらしい。
荷物満載の馬車について行くと、流石は山の中。
雪がチラホラ降っていた。空から降り注ぐ雪にルメールが感動していると、大きな洞窟のようなところに、馬車は入って行った。
どうやら,この先に山神なる者がいるらしい。暫く進むと、馬車が止まった。
そこには、人間ではあり得ない、巨体の生物が横たわっていた。
でも、人の形をしている。
動物皮で作ったような腰巾着を身につけた所謂、巨人が居た。
馬車の荷物を下ろし、巨人の前まで運ぶ、街人達。どうやら、中身は食料のようだ。
全ての荷物をお供えすると、代表者が、
「山神様、供物をお納めください。」
と,言って街人達と共に頭を下げる。
慌てて、同じように、真似して頭を下げると、その巨人から、声がかかる。
「・・・そこに置いておけ。」
そうたった一言だけ言うと、再び、眠りだす山神。
馬車を引いてきた一行は、すぐにその場をあとにする。
馬車について行くふりをして,そこに留まるユキヤ。
ユキヤには、聞きたい事があるからだ。
俺達に気づかず、山を降りていく馬車一行。
それを確認したユキヤは、山神に語りかける。
「山神様,山神様。起きてください。」
と,ユキヤが語り掛けると、
山神は、
「・・・なんだぁ〜,まだ居たのか?」
と、身体を起こした。
デカい。
10メートルはあるのでないかという巨体が、起きがったのだ。天井すれすれだ。
すると、山神は、先程の供物に手をつけ始めた。
そこで、ユキヤは、踏み込んだ質問をした。
「山神様、山神様は、本当に神様なんですか?」
すると、山神は食べていた手を止め、
「・・・ワシは山神なんかではない。」
と、意外な返事が返ってきた。
「それじゃあ、何者なんですか?」
と、ユキヤが尋ねると、
「・・・ワシは、へビーイーグル。魔王だ。」
と,返事が返ってくる。
慌てて、臨戦態勢をとるユキヤとルメール。
しかし、そんなことは気にしないと、いった感じで、再び供物を食べ始める魔王。
警戒して、魔王に語り掛ける。
「なんで、魔王がこんなところに?」
すると、食べる手を止め、再び、魔王が語り出す。
「・・・怠いからだ。」
「「はあっ!?」」
と,重なるユキヤとルメールの声。
「他に仲間はいないのか?」
と、ユキヤが聞くと、
「・・・面倒だから置いてきた。」
と,巨人は言う。
なんだこいつは、ただの面倒くさがりなのか?と、不信感を抱くユキヤ。
「それで、街人に食料を持って来させてるのか?」
と、再び、ユキヤが質問すると、
「・・・知らん。勝手に持って来る。」
と、返事が返ってきた。
(それじゃあ、街の人達が勝手に勘違いして、食料を運んでいる?可哀想じゃないか。)
と、思っていると、巨人がこちらを見ている事に気づいた。
やる気かっ!?と、思って杖を握り返すも、巨人の態度は怠慢で、襲い掛かってくる気配はない。
すると、巨人が、
「・・・お前は・・・。」
と、意味深なことを言い出した。
「なんだ、僕がどうかしたのか!?」
と、聞き返すと、
「・・・いや、なんでもない。もう帰れ。」
と、言う。
「気になるじゃないかっ!なんなんだ!?」
と、聞き返すと、
「・・・何かよこせ。」
と、対価を要求して来た。
「何かって、食べ物か?」
と、聞くと、
「・・・そうだ、肉が良い。」
と、巨人が応える。
「ポークならあるが,それで良いか?」
と、聞くと
「・・・ポークか久しいな。それで良い。」
と、返事が返ってくる。
アイテムファイルから、ズダズタとポークを取り出す。
すると巨人は、丸太の様なものをポークに串刺し、
「・・・焼け。」
と、命じてきた。
仕方なしに、「ファイアボールっ!」と、言ってポークに火を焚べるユキヤ。
すると、火がついているのにも関わらず、気にせず、口に運ぶ巨人。
(熱くないのかなぁ?)
と、思っていると、あっという間に平らげ、再び、丸太にポークを串刺しにする巨人。
慌てて、火をつけるユキヤ。
何度か繰り返すと、腹が満ちたのか、
「・・・美味かった。」
と、言う巨人。
対価は払ったんだからとばかりに、再び,質問するユキヤ。
「それで、僕がなんだって?」
と、聞くと、
「・・・お前、魔眼持ちだな。」
と、返す巨人。
(魔眼?魔眼って、あの厨二っぽい魔眼のこと?)
と、思うユキヤ。
(そんな物、身に覚えが無いぞっ!?)
と、困惑するユキヤ。
すると、巨人が、
「・・・ただ、まだ未覚醒だ。」
と、言ってきた。
「どうすれば、覚醒するんだ?」
と、聞くと、
「・・・知らん。ハニーパジャーあたりに聞け。」
と、言う巨人。
(ハニーパジャーだってっ!?コイツ、ハニーパジャーを知ってる?)
と、あっ、魔王同士だから知ってるのかと、思い直すユキヤ。
「ハニーパジャーを知ってるのか?」
と、念のため聞いてみると、
「・・・知ってる。ここに居た。」
と、返事が返ってきた。
(ここに居た?じゃなんでわざわざ,ホルスターまで来たんだ?)
と、不思議に思い、
「なんで今、ここに居ない?」
と、聞くと、
「・・・血をくれ、血をくれっと、五月蝿いから追い出した。」
と、答えた。
(なんだよ?コイツのせいで、ハニーパジャーがホルスターまで来たのかっ!?こっちはいい迷惑だよっ!!)
と,憤りを感じるユキヤ。
「・・・用がすんだなら、帰れ。ワシは寝る。」
と、言って再び、横たわる巨人。
もうこれ以上は,話してくれないらしい。
「分かったよ、帰るよ。ただ、人を襲うなよ?」
と、聞くと、寝たまま、
「・・・そんな面倒なことはしない。」
と、応える巨人。
仕方なく、巨人の住処から出るユキヤたち。
ハニーパジャーに聞かなきゃならない事が,出来たと思っていたら、ルメールが、
「おい、ユキヤっ!!冷や冷やしたぞっ!!なんで、わざわざ、刺激するような事をしたんだっ!!」
と、怒られてしまった。
慌てて、弁解するユキヤ。
「すいませんっ!なんか、僕のことを知ってる風だったのでっ!?」
と、言うと、
「相手は魔王だぞっ!!気安く声をかけていい存在じゃないっ!!」
と、更に怒るルメール。
「すいません。今後は気をつけますっ!!」
と,謝るユキヤ。
こうして、ユキヤは、二人目の魔王との、邂逅を終えた。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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