エチゴ屋と和食
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
ギルドで〈イネ〉の入手先を教えてもらったユキヤは、足早に、街中を歩いていく。
ちょうど、昼時でもあるので、先に飯にしないか?とルメールが、尋ねるが、聞いちゃいない。
食事処に入れば、待望の〈イネ〉を食べられる事に、気づかず、〈エチゴ屋〉を目指す。
丁寧に書いてくれた地図のおかげで、目的地〈エチゴ屋〉に到着したユキヤたち。
早速、扉を開けて入ると、懐かしい香りが、鼻をつく。
味噌だ。
味噌の香りだと、一瞬で気づくユキヤ。
やったっ!これで味噌汁が飲めると、喜ぶユキヤ。
対して、ルメールは、嗅ぎ慣れない香りに、怪訝になる。
そう、味噌は、発酵食品だ。
食べ物の匂いではないと、思われていたのだ。
そんなルメールを、置いてけぼりにして、ユキヤは、店員らしき人に話しかけた。
「すいませんっ!〈イネ〉をくださいっ!!あと、あっちにあるモノもお願いします!」
余りにも、鬼気迫る勢いで、話かけられ、戸惑う店員。
「い、〈イネ〉ですか!?あと、あっちにあるモノは、〈ミソ〉と言います。・・ですが、お客様。貴方は国外の方と思われますが、お口に合うか分かりませんよ?」
と、心配されてしまう。
しかし、ユキヤは引かない。
「平気ですっ!とにかく売ってくださいっ!!」
と、粘るユキヤ。
すると、店員は、
「・・・どの程度、ご用意すればよろしいですか?」
と、聞いてきたので、
「〈イネ〉は、あの塊を10個、〈ミソ〉は、あの壺を3つくださいっ!」
と、言った。
それを聞いた店員は、驚き、
「お客様、どのように使用するのか分かりませんが、あれらは、そこまで、保存が効きませんよ?」
と、当たり障りのない返答をした。
しかし、ユキヤは、
「問題ありませんっ!売ってくださいっ!」
と、言った。
お客が、平気と言うなら、別に構わないだろうと、用意をする店員。ただ、これだけの量をどうやって持って帰るのだろうと、心配になり、「外に馬車でも、ご用意されていますか?」と、質問してきたので、「そんなところです。」と、嘘ぶくユキヤ。
会計を済ませると、早速とばかりに、アイテムファイルに、詰め込み出すユキヤ。
突然、目の前から、商品が消えて、驚く店員。
アイテムバックでも、入り切らないほどの量が目の前から、消えるのだ。無理もない。
唖然とする店員を放置して、次々と収納する。
全ての商品を、アイテムファイルに収納すると、固まる店員に、ユキヤは、尋ねた。
「すいません、おすすめのお宿を紹介して貰いませんか?」
しかし、店員からの返事はない。
仕方なく、再び、店員に尋ねるユキヤ。
「す・い・ま・せ・んっ!!おすすめの宿はっ!!」
と、語尾を強めて尋ねるユキヤ。
すると、ようやく、質問されていた事に気づいた、店員。
「す、すいませんっ!あまりの事に、気が動転してしまい・・・。」
と、謝罪して、おすすめの宿。〈ホンノウジ〉を紹介してもらった。
〈エチゴ屋〉の紹介だと言えば、割引サービスもしてくれるらしい。
それを聞いたユキヤは、
(〈ホンノウジ〉。本能寺だってっ!?なんか燃えちゃいそうな名前だなぁ〜、大丈夫か?)
などと、失礼な事を考えていた。
無事、〈イネ〉と〈ミソ〉を、入手して、ホクホクのユキヤ。
それを見ていたルメールは、やっと終わったかと、ユキヤに声をかけた。
「ユキヤ、買い物が済んだなら、いい加減、食事にしよう。」
すると、ユキヤは、今更、食事処で〈イネ〉を食べられる事に気づき、慌てて、ルメールに話しかける。
「そ、そうですねっ。すぐ向かいましょうっ!」
と、誤魔化した。
〈エチゴ屋〉での買い物を済ませて、街中を歩いていると、突然、立ち止まるユキヤ。
ルメールは、何事かと思っていると、ユキヤは、「この店にしましょうっ!」と、何か確信めいた口調で言った。
それもそのはず、懐かしい匂いがしたからだ。
煮物。
日本の食卓では、よく嗅ぐ匂い。
間違いなく、和食があると確信して、店に入るユキヤ。
席につき、メニューを見ると、〈定食〉の文字があった。
その中から、〈ポーク定食〉を頼むユキヤ。
ユキヤには確信があった。
多分、生姜焼きだと。
対するルメールは、〈定食〉の意味が分からない。
仕方なく、ユキヤと同じものを頼む。
しばらくすると、お盆に乗った料理が運ばれてくる。
待望の和食だ。
やはり思った通り、焼かれたポークは、生姜焼きのように見える。
そして、小皿には、野菜の煮物。
待ち焦がれた米〈イネ〉も、皿に盛られていた。
極め付けは、味噌汁。こちらも野菜と一緒に煮込まれているようだ。
あとになって知ったが、名前は、味噌汁ではなく、〈ミソスープ〉と言うらしい。
でも、間違いなく、和食だった。
ただ残念なのは、やはりハシはなく、フォークとナイフ、スプーンが添えられていた。
早速とばかりに、〈ミソスープ〉を味わう。懐かしい味だった。
続けとばかりに、白銀に輝く〈イネ〉を食べる。
米だ。
間違いなく米の味がした。
ユキヤが、〈ミソスープ〉と〈イネ〉の味に感動している頃、ルメールは、困惑していた。
ユキヤがあれほど、執着していた〈イネ〉の味が分からなかったからだ。
その姿を見て、ユキヤは、
「ルメールさん、〈イネ〉は、おかずと一緒に食べないと、味わえませんよ。」
と、アドバイスをする。
言われた通り、ポークの生姜焼きと〈イネ〉を口に運ぶ、ルメール。
すると、
「確かに美味いなっ!ポークの味が〈イネ〉に染み込む。これは、食が進むなっ!!」
と、言って、パクパク食べ出す。
それを、傍目に見ていたユキヤは、
(良かった。ルメールさんの口にもあって。)
と、ホッとしていた。
正直、普段、パンしか食べていないルメールには、ハードルが高いのではと、思っていたからだ。
でも、受け入れられた。
これなら、今後、気を使わずに〈イネ〉が食べられると、安心して、食事を楽しむユキヤ。
ただ、懐かしい味のせい(おかげ)で、叶うなら、前世に戻りたいと、少し、おセンチな気分になるユキヤだった。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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