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異世界の事情  作者: ボッチー
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色欲の吸血姫

初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。

トントンと扉を叩く音で目を覚ました。


「夕食の準備が出来ました。」


と、扉の向こう側から、声がかかる。


ルメールを起こそうと思って、反対側のベットに目を向けるも、そこにルメールはいなかった。


そう、案の定、俺のベットに潜り込んで、寝息を立てていたのだ。

慌てて、身体を確認するが、乱暴(?)を受けた形跡は無い。

ホッと、一安心して、ルメールの肩を揺さぶり、起こそうとするが起きない。

代わりに、揺さぶった分だけ、ルメールのたわわな果実が、ぶるんぶるん揺れている。

それを見て、つい出来心で、オッパイを触ってしまう。

すると、パチリとルメールの瞳が開かれて、目が合う。

・・・気まずい。

そんな事考えていると、ルメールが、


「ヤるか!?」


と、聞いてくる。

慌てて手を離して、


「ヤりませんっ!!」


と言うと、非常に残念そうな顔になった。

それを誤魔化すように、


「夕食の時間です!」


と、言って早く起きるように促す。


仕方なさそうに起きたルメールを連れて、食堂に入ると、案の定、席はガラガラだった。


適当な席につくと、店員さんが、食事の入ったプレートを運んでくる。


正直言ってあんまり美味しくない。


人がいなくなって、物資も不足しているようだった。

余り美味しくない食事を済ますと、また、部屋と戻る。


まだ完全に日が落ちて無かったからだ。


すると、ルメールが、


「日が落ちるまで、ヤるかっ!?」


と、また誘って来たので、すかさず、


「ヤりませんっ!!」


と、言って宥めた。


そんな馬鹿なやり取りをしていると、完全に日が沈んだ。


さて、これからが本番だと、部屋を出て宿を出ようとすると、店員さんから、外に出ないようにした方が良いと忠告を受けた。

冒険者である事、失踪事件の究明に来たことを告げて、宿屋をあとにする。


闇雲に捜索しても、犯人は見つからないと思ったので、東門と西門とに、二手に分かれて捜索することにする。

案の定、ルメールが渋ったが、それが最適解だと言って、無理矢理、西門の方へと、向かわせる。

何かあれば、魔法の火を打ち上げ合う事を伝えて、自分は東門へと向かう。

道中、人気は無く、出歩いている人はいなかった。


東門に到着すると、影になりそうな場所を発見して、身を潜ませる。


それから、どれほど経ったであろうか、街に変化は無い。

反対側の西門からも、合図が無い為、今日はもしかしたら、事件は起きないのではないかと、思っていると、足音が聞こえてきた。

その足音は、段々とはっきり聞こえてくるようになり、音のする方へ、身を乗り出してみると、20代前半ぐらいの男性が、こちらの方へ歩いてきているのが、分かった。

足取りがフラフラで、夢遊病者のように、こちらに向かってくる。

顔を見ると、比較的整った容姿だったが、目が虚だ。

明らかに異常がみられる。

もう少し身を乗り出して、相手に見える所まで出てみるも、こちらに気がついた様子は無い。

そのまま、自分の脇を通り、東門を抜けて行く。


ルメールに、信号を送るか迷ったが、あちら側でも同じような現象が起きる可能性もあるため、信号は出さなかった。


門を越えた青年は、ただひたすらに歩いていく。

このままでは、見失ってしまうと思い、少し距離を置いて、あとに続く。


しばらく後をつけて行くと、青年は、森の方へと向かい出した。

いよいよ、何かがあると思い、気を引き締めてあとをつけて行くと、洞窟が見えてきた。

青年は、そのまま洞窟へと入っていったので、すかさず、あとを追う。


しばらく、道なりに進んでいく青年。

あとを追う、俺。


すると、洞窟の先に灯りがある事に気づく。

どうやら、青年の目的地のようだ。

何があっても対処出来るように、杖を握りしめ、青年が入っていった灯りのある場所を、岩影から覗き込んだ。


すると、先程の青年だけで無く、多数の人々がそこにはいた。


人々の周りでは、所謂オオカミ男達がおり、なにやら、指示のようなことを行っている。

目を凝らして、その流れの中心あたりを見ると、なにやら、何者かが、接待を受けているように見える。

此処からでは、良く分からなかったので、岩陰を移動しながら、中心部に向かっていく。


すると、中心部では、一人の女性が、接待を受けていた。


真っ白な髪に、陶磁器のような白い肌。

怪しく光る目は、血のような紅い色。

ほっそりとした腕には、長く鋭く伸びた爪。

前世で言う和服のようなものを着ていた。

年の頃は、ルメールと同じぐらいに見える。


すると、盃のようなものに、何か液体が注がれていた。

盃が、赤い為、酒ではないかと、思っていると、その女性が盃を口に運び、液体を飲んでいる。

その盃から、口を離すと、何やら、口の周りが赤い。

盃でワイン?っと思ったが、色味がやや黒い。

その瞬間、見覚えのある赤だと気づく。


血だ。


背筋がゾッと、凍りつく。


さらに見ていると、口のまわりについた血を舌で舐めとる仕草をした瞬間、鋭い牙のようなものが見えた。


吸血鬼だ。


吸血鬼が血を得るために、人々を集めていたのだと理解した。

周りを良く見ると、同じく和服のような物を着た、男性の吸血鬼も、ちらほらいる。


失敗した。


一人で来るべきではなかった。


相手が1人なら、なんとか出来たかも知れないが、数匹の吸血鬼に、多数のオオカミ男。

余りにも多勢に無勢だ。


一度、ルメールと合流しようと思って、その場を離れようとした時、奥から女性の声が響いた。


「そこにおるのは、何者じゃ?」


バレてるっ!?

そう思って、慌てていると、更に声がかかる。


「そこにおるのは、わかっておる。出てまいれ。」


そう女性が言った。

このまま隠れていても、無駄だと思い、意を決して、岩陰から、飛び出す。


すると、女性は、


「なんぞ、童か?」


訪ねて来たので、


「冒険者だっ!!」


と、応える。

すると、女性の眼が更に紅く染まり、こちらを見る。


しばし、目と目を合わせる両者。


しかし、突如、その均衡が、崩れた。


「何故、魅了がきかぬ!?」


周りの吸血鬼やオオカミ男達が、騒がしくなった。

すると、女性はそれを制して、再び、訪ねてきた。


「お主、何故、妾の魅了がきかぬ!?答えよっ!!」


と、焦ったように、問いかけてくる。

それに対して、ユキヤは、


「・・・知らん。」


と、答えた。

内心では、


(魅了って、あの魅了だよなぁ)


と、何か術的なものをかけられていた事に気づく。


(さっき、眼が光った。あれか?)


と、検討をつける。

すると、本当に魅了が効かないと分かったのか、女性が焦り出す。


「何故っ!?妾の魅了がきかんのじゃ!?童、何者じゃ!?」


と、かなり焦っている様子だった。


(コイツ、見た目ほど強くない?)


と、思うと、少し自信が湧いてきて、力強く、返事を返した。


「だから、冒険者だって言ってるだろうがっ!!」


すると、「ひっい!?」


と、怯える女性。


(やっぱり、戦闘力は高くないっ!?)


と当たりをつけるユキヤ。

すると、焦ったその女性は、


「な、何をしているお主達!?はよっ、その童を取り押さえよ!?」


と、配下と思われる吸血鬼と、オオカミ男に命令する。

すると、まずはオオカミ男達が襲い掛かってきた。

しかし、その動きはさほど、速くは無い。

殴りかかってきたオオカミ男の拳を交わすと、カウンターでパンチを当てる。

すると、オオカミ男は、派手に吹き飛んだ。


(今の手応え、ビーフンくらいか!?)


すると、水を得た魚のごとく、次々に、オオカミ男を吹き飛ばしていくユキヤ。

全てのオオカミ男を倒すと、次は、吸血鬼に襲い掛かる。

吸血鬼も、オオカミ男と同様程度の力しか持っていないようで、振り翳した指の爪は、軽く殴っただけで折れてしまい、あっさりと攻撃手段を失う。

お返しに、痛烈なパンチをお見舞いするユキヤ。

ド派手に吹き飛ぶ、吸血鬼。

たったの一撃で、完全に伸びてしまう。


そんな光景を目の当たりした女性は、


「あぁぁっ!?」


と、更に動揺した。

止まらないユキヤの快進撃。

気づけば、吸血鬼の女性以外を、全てぶちのめしていた。

一応、殺しはしていない。

ただ、叩きのめしただけだ。


女性は言った、取り押さえよと。


だから、手加減して、殺さなかったのだ。

女性の方に視線を向けるユキヤ。

ただ、それだけで、悲鳴を上げる女吸血鬼。


「ひっい!?」


「これで終わりかっ?」


訪ねるユキヤ。

すると、女吸血鬼は、降参の声をあげた。


「ま、参ったっ!降参じゃ!?殺さなさいでおくれっ!?」


と、命乞いしてきたので、


「一匹も殺してない。だから、此処の人たちを解放しろっ!!」


と、威嚇するユキヤ。

すると、観念した女吸血鬼は、


「わっ、わかったのじゃ!!全て解放するのじゃっ!?」


と、応えた。

すると、ユキヤは、尋ねた。


「大体、お前はなんなんだっ!?」


すると、女吸血鬼はこう名乗った。


「妾は、色欲のハニーパジャー。魔王のひとりじゃ!?」


「・・・魔王?お前が!?」


と、怪訝になるユキヤ。

すると、ハニーパジャーは、慌てて、弁明した。


「わ、妾は争いを好まんっ!温厚な魔王じゃっ!?」


と、人畜無害さをアピールするハニーパジャー。


「でも、人攫いしてたよね?」


「血、血が無いと生きられんのじゃっ!?」


「こんなに沢山の人が?」


「人数が多ければ、一人にかかる負担が減るのじゃ。」


と、どうやら遠慮をして、人々を集めていたようだ。

さほど、悪いヤツでは無いらしい。


「これからは、どうするんだ?」


すると、


「人々にお願いして、血を分けてもらうのじゃ。」


と、反省したようだ。


「みんなに謝れよ。」


と、ユキヤが言うと、


「わ、わかったのじゃ!?謝るのじゃ!」


と、従順になるハニーパジャー。


イージスで起きた連続失踪事件は、こうして幕を閉じた。


構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。

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