お勉強の時間
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
窓の片隅から、光が差し込む。
朝を迎えたようだ。
「知らない天井だぁ〜〜」
と投げやりに、お約束を達成する。
ベットから、起き上がって、軽く身体を伸ばす。
「さて、今日はどうするかなぁ〜。」
と、独り言を呟いたが、本当は目的がある。
ただ、ちょっと気が引けるので、呟いて誤魔化しただけだ。
目的はそう、文字が読み書き出来るようになることだ。
文字が読めないせいで、昨日は散々な目にあった。
だから、まずは、この世界の文字が分かるようにならなければ、ならない。
あては、一つしか無い。
ハドリアス邸だ。
エミナお嬢様も年頃の娘だ。
この世界に、学校があるのか分からないが、貴族として勉強をしているはずだ。
家庭教師みたいな人が居るかもしれない。
だから、一緒にお勉強させてもらえないか、頼むつもりだ。
しかし、意気揚々と飛び出してきたのに、たった一日でまた、お世話になるのは気が引ける。
勿論、宿はとったので、通いにはなるが、果たして受け入れてもらえるだろうか?
不安は尽きない。
ただ、頼れるのはハドリアス公爵のみなので、腹を括って、頼み込むつもりだ。
そんなこと考えていると、起きたのが分かったのか、部屋の扉がノックされる。
「おはようございます。起きていらっしゃいますか?」
昨日の店員さんだ。
「起きておられましたら、下の食堂へどうぞ。朝食の用意が出来ております。」
どうやら、朝食のお誘いだったようだ。
「起きてます。すぐ、向かいますね。」
と、返し、部屋を出て、食堂へと向かう。
朝食は、パンとサラダ、ハムのようなものと、野菜を煮込んだスープだった。
勿論、美味しく頂きました。
朝食後、今日のご予定はと、店員に聞かれると、
「知り合いに会いに行って来ます。」
と、答えた。
宿屋を出て、街中を歩きながら、どうハドリアス公爵に頼み込むか、考えながら、ハドリアス邸へと向かう。
ハドリアス邸に着くと、見覚えのある騎士が門番をしていた。
これは幸先良いと、早速、門番さんに声をかける。
「おはようございます。ユキヤと言いますが、覚えていらっしゃいますか?」
すると、門番さんは、ユキヤに気付き、
「君は、腕を治してくれた少年じゃないかっ!!忘れるはずもない!君のおかげで、またこうして、仕事に就けるのだからっ!!」
と、より良い返事が貰えた。
「今日は、ハドリアス公爵様に、お願いがあって参りました。門を通り抜けても、宜しいでしょうか?」
すると、
「ハドリアス様から、君ことは聞いている。いつでも訪ねて来ても良いように仰せつかっている。問題ない。通っても構わないよ。」
(ハドリアス様〜、ありがとう〜)
と、心の中で思いながら、門をくぐって、屋敷へと向かう。
そうして、屋敷の目の前まで、迫ると、例の老紳士・執事さんと出会う。
「これはこれは、ユキヤ様。おはようございます。今日は、どのようなご用件で?」
「おはようございます。実は折り合って、ハドリアス公爵様に、お願いがあって参りました。」
すると、
「そうでございましたか。今日は旦那様は、お屋敷においでになります。お時間が取れるか、確認して参りますので、こちらのお部屋へどうぞ。」
と、屋敷の一室へと、案内される。
「こちらで、しばしお待ちください。」
と、言って席を勧められる。
言われるままに、置かれたソファに腰を下ろす。
「間もなく、給仕が参ります。しばしお待ちください。」
と、言って部屋を出て行く執事さん。
あの執事さん、名前はなんて言うんだろう?
お決まりなら、セバスチャンだろうけど、流石にないか。
なんて思っていると、給仕さんが現れ、お茶を淹れてくれた。
見事なカーテシーを決めて、部屋を出て行く給仕さん。
そんな姿をボーっと、眺めていると、突然、ドアがバンと、開いた。
「おぉ、ユキヤではないかっ!!一日ぶりだな。今日はどうした!?何かワシに話があるとのことだと、聞いておるが?」
ハドリアス公爵様だった。
慌ててら居住まいを整えて、返事を返す。
「お忙しい中、突然の訪問すいません。
実は折り合って、公爵様にお願いがあって、参りました。」
「其方は、娘と妻の恩人だ。ワシに出来ることなら、なんでも言うが良い。」
と、快く快諾してくれた。
「実は、昨日、冒険者登録をしたのですが、僕は字の読み書きが出来ないのです。ですから、どうか公爵様のお力をお借りしたいと思い、参りました。」
すると、
「そんなことか!?良いぞ!ちょうど、来年エミナが、学園に入学するため、家庭教師を雇っておる。一緒に勉強すれば、良かろうっ!!」
「宜しいので?エミナお嬢様のお邪魔になりはしませんか?来年ご入学となれば、お忙しいのでは?」
「一人二人増えたところで、問題はあるまい。ましては、エミナは、すでに初等部の勉強は終えておる。今は、高等部の勉強と復習じゃ。ちょうど良いではないか?」
「初等部は何歳から、入学するのですか?」
「13歳じゃっ!そんなことも知らんのか!?」
「すいません、無知なもので・・・。」
(って、エミナお嬢様って、俺より歳上だったのか!?てっきり、同い年だと思っていたわっ!!)
「まぁ、良い。それでは家庭教師に紹介しようっ!!エミナもきっと喜ぶはずじゃっ!!
セバスっ!ユキヤを案内せい!!」
(・・惜しい。セバスチャンじゃなくて、セバスだったのか執事さん。)
あれよあれよと、話が進み、勉強する機会を得たユキヤ。
セバスチャンもとい、セバスの後に続き、勉強部屋へと向かう。
「こちらが、エミナお嬢様のお部屋になります。」
(エミナの部屋かよっ!?)
「(コン、コン。)エミナお嬢様、セバスです。
ユキヤ様をお連れしました。」
「えっ!?ユキヤ様っ!?」
セバスが、扉を開ける。
すると、机に向かって座っているエミナと、対面には、いかにも女教師っぽい格好の女性が、立っていた。
「お忙しいところ、申し訳ありません。旦那様からのご命令で、コチラの、ユキヤ様にも勉強を教えて頂きたく存じます。」
と、セバスが、女教師に話しかけてくれる。
「えっ!?ユキヤ様と一緒にお勉強!?でかしましたわ、セバスっ!!」
と、喜ぶエミナ嬢。
「ご命令とあらば、構いませんが、エミナお嬢様。本当に宜しくて?」
と、女教師が返す。
「勿論ですわっ!!大歓迎です!!」
と、エミナ嬢。
「宜しくお願いします。」
と、頭を下げるユキヤ。
すると、女教師が質問してきた。
「それで、何から教えれば、良いのかしら?」
ここで失敗したら、折角のチャンスを棒に振るう。あえて望みを全て述べる。
「教えて頂けること全てです。僕は、まず、字の読み書きが出来ません。歴史や、地理にも疎いです。計算は多分、それなりに出来ます。」
すると、女教師は、
「計算が出来るのに、読み書きが出来ない!?チグハグな子ね。良いわ、教えられることは教えましょう。ただし、厳しく行くわよ。」
「構いません。宜しくお願いします。」
「宜しい。・・では、エミナお嬢様の隣の席に着きなさい。」
「ハイっ!!」
と、エミナの隣に座るユキヤ。
「一緒に頑張りましょうねっ!ユキヤ様。」
と、エミナから、熱い声援が届く。
「宜しくお願いします。エミナお嬢様。」
と、改めてエミナに返事をするユキヤ。
「それでは、私は仕事に戻らせていただきます。」
と、一礼して、部屋をあとにするセバス。
すると、女教師が
「まずは、読み書きね。さっそく、始めるわよ。エミナお嬢様も復習と言うこといいかしら?」
「ハイっ、平気ですわ。」
こうして、ユキヤのこの世界での、初めての勉強会が、開始されるのだった。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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