表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の事情  作者: ボッチー
19/127

お勉強の時間

初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。

窓の片隅から、光が差し込む。

朝を迎えたようだ。


「知らない天井だぁ〜〜」


と投げやりに、お約束を達成する。

ベットから、起き上がって、軽く身体を伸ばす。


「さて、今日はどうするかなぁ〜。」


と、独り言を呟いたが、本当は目的がある。

ただ、ちょっと気が引けるので、呟いて誤魔化しただけだ。


目的はそう、文字が読み書き出来るようになることだ。

文字が読めないせいで、昨日は散々な目にあった。

だから、まずは、この世界の文字が分かるようにならなければ、ならない。

あては、一つしか無い。


ハドリアス邸だ。


エミナお嬢様も年頃の娘だ。

この世界に、学校があるのか分からないが、貴族として勉強をしているはずだ。

家庭教師みたいな人が居るかもしれない。

だから、一緒にお勉強させてもらえないか、頼むつもりだ。


しかし、意気揚々と飛び出してきたのに、たった一日でまた、お世話になるのは気が引ける。

勿論、宿はとったので、通いにはなるが、果たして受け入れてもらえるだろうか?

不安は尽きない。


ただ、頼れるのはハドリアス公爵のみなので、腹を括って、頼み込むつもりだ。


そんなこと考えていると、起きたのが分かったのか、部屋の扉がノックされる。


「おはようございます。起きていらっしゃいますか?」


昨日の店員さんだ。


「起きておられましたら、下の食堂へどうぞ。朝食の用意が出来ております。」


どうやら、朝食のお誘いだったようだ。


「起きてます。すぐ、向かいますね。」


と、返し、部屋を出て、食堂へと向かう。


朝食は、パンとサラダ、ハムのようなものと、野菜を煮込んだスープだった。

勿論、美味しく頂きました。


朝食後、今日のご予定はと、店員に聞かれると、


「知り合いに会いに行って来ます。」


と、答えた。


宿屋を出て、街中を歩きながら、どうハドリアス公爵に頼み込むか、考えながら、ハドリアス邸へと向かう。


ハドリアス邸に着くと、見覚えのある騎士が門番をしていた。

これは幸先良いと、早速、門番さんに声をかける。


「おはようございます。ユキヤと言いますが、覚えていらっしゃいますか?」


すると、門番さんは、ユキヤに気付き、


「君は、腕を治してくれた少年じゃないかっ!!忘れるはずもない!君のおかげで、またこうして、仕事に就けるのだからっ!!」


と、より良い返事が貰えた。


「今日は、ハドリアス公爵様に、お願いがあって参りました。門を通り抜けても、宜しいでしょうか?」


すると、


「ハドリアス様から、君ことは聞いている。いつでも訪ねて来ても良いように仰せつかっている。問題ない。通っても構わないよ。」


(ハドリアス様〜、ありがとう〜)


と、心の中で思いながら、門をくぐって、屋敷へと向かう。

そうして、屋敷の目の前まで、迫ると、例の老紳士・執事さんと出会う。


「これはこれは、ユキヤ様。おはようございます。今日は、どのようなご用件で?」


「おはようございます。実は折り合って、ハドリアス公爵様に、お願いがあって参りました。」


すると、


「そうでございましたか。今日は旦那様は、お屋敷においでになります。お時間が取れるか、確認して参りますので、こちらのお部屋へどうぞ。」


と、屋敷の一室へと、案内される。


「こちらで、しばしお待ちください。」


と、言って席を勧められる。

言われるままに、置かれたソファに腰を下ろす。


「間もなく、給仕が参ります。しばしお待ちください。」


と、言って部屋を出て行く執事さん。

あの執事さん、名前はなんて言うんだろう?

お決まりなら、セバスチャンだろうけど、流石にないか。


なんて思っていると、給仕さんが現れ、お茶を淹れてくれた。

見事なカーテシーを決めて、部屋を出て行く給仕さん。

そんな姿をボーっと、眺めていると、突然、ドアがバンと、開いた。


「おぉ、ユキヤではないかっ!!一日ぶりだな。今日はどうした!?何かワシに話があるとのことだと、聞いておるが?」


ハドリアス公爵様だった。

慌ててら居住まいを整えて、返事を返す。


「お忙しい中、突然の訪問すいません。

実は折り合って、公爵様にお願いがあって、参りました。」


「其方は、娘と妻の恩人だ。ワシに出来ることなら、なんでも言うが良い。」


と、快く快諾してくれた。


「実は、昨日、冒険者登録をしたのですが、僕は字の読み書きが出来ないのです。ですから、どうか公爵様のお力をお借りしたいと思い、参りました。」


すると、


「そんなことか!?良いぞ!ちょうど、来年エミナが、学園に入学するため、家庭教師を雇っておる。一緒に勉強すれば、良かろうっ!!」


「宜しいので?エミナお嬢様のお邪魔になりはしませんか?来年ご入学となれば、お忙しいのでは?」


「一人二人増えたところで、問題はあるまい。ましては、エミナは、すでに初等部の勉強は終えておる。今は、高等部の勉強と復習じゃ。ちょうど良いではないか?」


「初等部は何歳から、入学するのですか?」


「13歳じゃっ!そんなことも知らんのか!?」


「すいません、無知なもので・・・。」


(って、エミナお嬢様って、俺より歳上だったのか!?てっきり、同い年だと思っていたわっ!!)


「まぁ、良い。それでは家庭教師に紹介しようっ!!エミナもきっと喜ぶはずじゃっ!!

セバスっ!ユキヤを案内せい!!」


(・・惜しい。セバスチャンじゃなくて、セバスだったのか執事さん。)


あれよあれよと、話が進み、勉強する機会を得たユキヤ。

セバスチャンもとい、セバスの後に続き、勉強部屋へと向かう。


「こちらが、エミナお嬢様のお部屋になります。」


(エミナの部屋かよっ!?)


「(コン、コン。)エミナお嬢様、セバスです。

ユキヤ様をお連れしました。」


「えっ!?ユキヤ様っ!?」


セバスが、扉を開ける。

すると、机に向かって座っているエミナと、対面には、いかにも女教師っぽい格好の女性が、立っていた。


「お忙しいところ、申し訳ありません。旦那様からのご命令で、コチラの、ユキヤ様にも勉強を教えて頂きたく存じます。」


と、セバスが、女教師に話しかけてくれる。


「えっ!?ユキヤ様と一緒にお勉強!?でかしましたわ、セバスっ!!」


と、喜ぶエミナ嬢。


「ご命令とあらば、構いませんが、エミナお嬢様。本当に宜しくて?」


と、女教師が返す。


「勿論ですわっ!!大歓迎です!!」


と、エミナ嬢。


「宜しくお願いします。」


と、頭を下げるユキヤ。

すると、女教師が質問してきた。


「それで、何から教えれば、良いのかしら?」


ここで失敗したら、折角のチャンスを棒に振るう。あえて望みを全て述べる。


「教えて頂けること全てです。僕は、まず、字の読み書きが出来ません。歴史や、地理にも疎いです。計算は多分、それなりに出来ます。」


すると、女教師は、


「計算が出来るのに、読み書きが出来ない!?チグハグな子ね。良いわ、教えられることは教えましょう。ただし、厳しく行くわよ。」


「構いません。宜しくお願いします。」


「宜しい。・・では、エミナお嬢様の隣の席に着きなさい。」


「ハイっ!!」


と、エミナの隣に座るユキヤ。


「一緒に頑張りましょうねっ!ユキヤ様。」


と、エミナから、熱い声援が届く。


「宜しくお願いします。エミナお嬢様。」


と、改めてエミナに返事をするユキヤ。


「それでは、私は仕事に戻らせていただきます。」


と、一礼して、部屋をあとにするセバス。


すると、女教師が


「まずは、読み書きね。さっそく、始めるわよ。エミナお嬢様も復習と言うこといいかしら?」


「ハイっ、平気ですわ。」


こうして、ユキヤのこの世界での、初めての勉強会が、開始されるのだった。


構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。

ブックマーク、いいね、☆評価も頂けると、励みになります。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ