強欲の魔眼
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
ユキヤがキレた。
この世界に来て、初めてキレた。
ユキヤの左目の色が紅く染る。
紅く染まっただけでは無い。
六芒星のような紋様が浮き出ている。
ギルドに、衝撃が走った。
ある者は意識を失い、ある者は、殺気とも違う重圧に押しつぶされそうになっていた。
ユキヤに剣を向けた酔っぱらいも、言葉も発せられず、呼吸すら危う。
ただ、ユキヤに睨みつけられただけで、膝から崩れ落ちていく。
ユキヤの変質した眼。
それは魔眼だった。
しかも、七つの大罪のひとつ、強欲の魔眼。
圧倒的な圧力で相手を、ねじ伏せる、究極の魔眼のひとつ。
それが開放されたのだった。
「お前、鬱陶しいんだよ。潰れろ。」
なすすべなく、気を失う酔っぱらい。
それを見届けた後、魔眼は解除された。
息を吐き返す冒険者達。ただ、気の弱い冒険者は、未だ気を失ったままだ。
そんな中、なんで酔っぱらいが、倒れているのか分からないユキヤ。
魔眼発動中の記憶が抜け落ちているのだ。
恐る恐る受付け嬢が、ユキヤに声をかける。
「ユキヤさん、貴方、眼が・・・。」
「へっ?眼がどうかしましたか?」
ユキヤの左目は元の蒼い瞳に戻っていた。
「・・・いえ、何でも有りません。」
明らかに異常な力を発動させたユキヤに、受付け嬢は、言葉を続けられなかった。
そうして、暫くの沈黙の後、急に受付け嬢が、酔っぱらい頭を蹴り上げた。
余りの出来事に呆気に取られるユキヤ。
「うっ、ヒルダさんっ!?」
蹴り上げた酔っぱらいの意識が戻る。
「また、お仕置きが足りないようだね、アンタは!?」
「ヒィィっ!?」
酔っぱらいのケツに、受付け嬢さんのヒールか突き刺さる!
「ひでぶっ!!」
グリグリ、ケツ穴に食い込むヒール部。
最後はそのヒールを、酔っぱらいの口に突っ込んだ。
「次はないよ!!反省しなッ!!!」
再び気を失う酔っぱらい。
受付け嬢さんの豹変ぶりに、鳥肌が立つ。
「それじゃ、ユキヤさん。説明の続きしましょうか?」
「ヒャイっ!?」
可笑しな返事を返してしまうのは仕方ない事だった。
(受付け嬢・ヒルダさんを怒らせてはならない)
それは、このギルドの説明にはない、暗黙のルールだった。
・・・。
・・・。
・・・。
「・・具体的な内容は以上かな?何か質問はある?」
優しい口調で、事細かに説明してくれた受付け嬢さん。
暗黙のルールについては聞かなかった。
「大丈夫です。良く分かりました!」
と、答えるしかない。
それよりも、大事な事を聞き忘れていたので、確認する。
「魔物の素材・部位って.買い取って貰えるんですよね?」
「えぇ、状態の良い素材なら、喜んで買い取りますよ♪」
「それじゃ、コレとかどうですか?」
と、何もない空間から、ドサドサっと、ポークの死体が出でくる。
「えっ、何処から!?アイテムバック?」
「いえ、アイテムバックではなくて、僕の魔法です。」
「そんな魔法、聞いたこと無いわ・・・。貴方はやっぱり、特別ね、ユキヤさん。」
「それにしても、凄い数ね。待っててね、換算するから。」
「あの〜、実はまだ有るんですけど・・・。」
「流石に此処じゃ無理ね。裏の解体小屋で、直接出してくれるかしら?」
「ハイっ!分かりました!!」
先程の酔っぱらいの光景を思い出し、身震いするユキヤ。
裏手の解体小屋に、魔物の引き渡しを行いに行く。
此処で一つ問題があった。
ユキヤの出そうとしている魔物は、災害指定地域の魔の森の魔物だったからだ。
まだまだ、騒動は続く・・・。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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