報告と〈月〉へ
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
西方諸国の視察と救援の承諾、トンプソン帝国との友誼を結ぶ事が出来たユキヤたちは、寄り道もせず、一路、ホルスターへと帰還して行った。
ホルスターに到着すると、王都に直行。
西方諸国に余力がない事が、分かっている為、王城に着くと、すぐに、国王との謁見を、希望するルメール。
ユキヤたちの帰還を聞いた国王は、それを承諾。
すぐに、謁見の場をつくった。
ルメールが代表して、帝国との友誼を結べた事、帝国は、今後、侵略を行わない事を伝え、火急的、速やかに、西方諸国に、支援が必要な事を伝える。
その報告を聞いた、国王は、
「ルメール、並びにカナモリ卿。ご苦労であったな。
帝国と友誼を結べた事は、其方らの功績だ。良くやった。
あと、西方諸国の件も、速やかに、支援を行おう。
内乱などが起これば、再び、無辜の民に、被害が及ぶ。それは、避けなければならない。
帝国との友誼を結べたおかげで、直行で、西方諸国に支援を行える。
其方らの心配は、無用だ。」
と、語った。
更に国王は、
「長旅で、疲れただろう。ゆっくり休め。」
と、ユキヤたちを労った。
そこで、ユキヤは、
「その件ですか、西部の治安も落ち着いて来たので、魔石の手配をお願い出来ませんか?」
と、質問した。
すると、国王は、
「そうであったな。
貴公は、魔石を求めていたな。
分かった。後ほど、執務室で下賜するから、別室で、待機していよ。」
と、応えた。
その後、別室で待機していたユキヤの元に、執務室に赴くよう、指示が出た。
執務室に到着すると、国王の手に、紅い魔石が握られていた。
国王は、ユキヤに、
「コレが貴公の求めていた、S級の魔物の魔石だ。
ただ一つ、確認したい事がある。
この魔石を使って、〈月〉に行くとの事だが、危険はないのか?
もし、危険があるならば、魔石は渡せん。
正直に、答えてみせよ。」
と、質問した。
聞かれたユキヤは、
(・・・絶対、安全とは言えない。
でも、ここまで来て、今更、〈月〉に行かないと言う訳には、いかない。
出生の謎を解く為だ。
多少の嘘は、勘弁してもらおう。)
と、思い、
国王に、
「平気なはずです。〈月〉に住う神様に、質問をするだけですから。」
と、答えた。
すると、国王は、
「ならば良い。魔石を下賜しよう。」
と、言って、ユキヤに、魔石を渡した。
ユキヤは、
「ありがとうございます。」
と、言って、手の中の魔石を握りしめた。
こうして、〈シャトル〉に必要な魔石を確保出来たユキヤは、一度、ルメールと共に、屋敷へと帰っていった。
屋敷で過ごした、翌日。
ユキヤは、ルメールに、
「ウィンチェスターさんの所に、行ってきます。
その間、また、ハクを預かってもらえませんか?」
と、聞くと、
ルメールは、左手の薬指にはまっている指輪を、さすりながら、
「もう、行くのか?もう少し、ゆっくりしてからでも、良いのではないか?」
と、質問した。
しかし、ユキヤは、
「帝国と西方諸国で、時間をかけてしまったので、早めに、ウィンチェスターさんの所に行かないと、怒らせてしまうかも知れません。」
と、答えた。
すると、ルメールは、
「確かに、憤怒の魔人を、怒らせるのは、危険だな・・・。
しかし、再三、言うが、危険はないんだな?」
と、〈月〉に向かう危険性を、確かめてくる。
ユキヤは、
「ええ、ただ話を聞きに行くだけですから。」
と、答えた。
それを聞いた、ルメールは、
「・・・分かった。行ってくるがいい。
ハクと一緒に、帰ってくるのを待っている。
ただ、危険だと思ったら、すぐに、逃げるんだぞっ!!」
と、了承した。
ユキヤは、ハクをルメールに預けると、
「では、行ってきますっ!!」
と、言って、屋敷から、飛び立った。
屋敷を飛び立ったユキヤは、ウィンチェスターの居城へと、向かって、北部を通過した。
更に、北へと、海を越えて、ウィンチェスターの居城にたどり着いた。
ウィンチェスターは、相変わらず、リビングにいた。
入室の許可を得ると、ウィンチェスターに、近づくユキヤ。
ウィンチェスターは、
「ユキヤか、久しいな。」
と、以前のように、怒ってはいないようだ。
ユキヤは、ウィンチェスターに、
「魔石の用意が、出来ました。」
と、伝えた。
それを聞いた、ウィンチェスターは、嬉しいそうな顔で、
「そうかっ!遂に、揃ったかっ!!」
と、言った。
更に、ウィンチェスターは、
「ならば、すぐにでも、出発だっ!!」
と、言って、〈シャトル〉のある場所まで、向かって行く。
後を着いて行くユキヤ。
その途中で、ユキヤは、気になる事を、ウィンチェスターに、尋ねた。
「ウィンチェスターさん、〈月〉には、空気があるんですか?」
と、重要な事を聞いた。
ユキヤは、
(もし、宇宙空間のようだったら、神様と、話をするどころじゃなくなる。
空気がなければ、外に出られないもんなぁ、どうなんだろう?)
と、思っていた。
ウィンチェスターは、
「それは、行ってみない事には、わからん。
ただ、天使族は,普通に住んでいるんだ。おそらく、平気だろう。」
と、答えた。
ユキヤは、
(確かに。
天使族が、住んでいるんだ。空気がある可能性は、高い。
それに、今更、躊躇してる場合じゃない。
とにかく、行ってから、確めるしかないな・・・。)
と、腹を括った。
〈シャトル〉のある場所に着くと、〈シャトル〉の機関部に、魔石を設置するウィンチェスター。
「それでは、乗り込むぞっ!!」
と、言って、〈シャトル〉の操縦席に、向かう。
操縦席には、シートベルトのような物があり、それで、身体を固定するようだ。
ウィンチェスターの真似をして、身体を固定するユキヤ。
そんなユキヤを確認すると、ウィンチェスターは、〈シャトル〉の、発射ボタンを押した。
「ゴゴゴゴゴーーーーっ!!」
と、音を立てて、飛び立つ〈シャトル〉。
内部には、凄まじいGと揺れが、発生する。
あまりの揺れで、ユキヤは、
「う、ウィンチェスターさんっ!?これ、大丈夫なんですかっ!?」
と、聞くと、
ウィンチェスターは、
「平気なはずだ。
まぁ、初めて、飛ばすから、俺もどうなるか、わからんがなっ!!」
と、答えが返ってくる。
ユキヤは、
(えっ!?試作とかしてないのっ!?ぶっつけ本番かよっ!!)
と、呆れていた。
しかし、そんなユキヤの心配は、無用のようで、〈シャトル〉は、ぐんぐんと、高度を上げて行く。
モニターらしき物に、〈月〉に、段々と近づいていくのが、見てとれる。
ユキヤは、更に、気になる事を聞いた。
「ウィンチェスターさんっ!〈月〉が、近づいてますっ!!
どうやって、着陸するんですかっ!?」
と、聞くと、
ウィンチェスターは、
「このまま、〈月〉に突き刺さるっ!
その為に、先端は、尖っているっ!!
そろそろ、ぶつかるぞっ!衝撃に備えろっ!!」
と、無茶苦茶な、着陸方法だった。
〈シャトル〉は、そのままの勢いで、〈月〉に、激突した。
「ずど〜〜〜んっ!!!」
と、大きな音を立てながら、衝撃も半端ない。
ユキヤは、
「うわっ!!」
と、声を上げてしまう。
「シュウシュウ」と、煙を立てながら、〈月〉に、刺さった〈シャトル〉。
もう、待ちきれないとばかりに、外に飛び出すウィンチェスター。
ウィンチェスターは、ユキヤに、
「ユキヤ、安心しろっ!空気は、あるぞっ!!」
と、語りかける。
言われたユキヤは、それどころではない。
衝突の衝撃で、頭が、クラクラする。
なんとか、状態が回復すると、ウィンチェスターのように、外に出てみる。
見渡す限り、地面以外は、何もない空間だった。
そんな光景に、目を奪われていると、ウィンチェスターが、指を差した。
「あっちだっ!あっちの方に、強い魔力反応がするっ!!」
と、言った。
ユキヤも、慌てて、魔力索敵を行うと、2つの反応を掴んだ。
おそらく、神様とやらと、天使族と、思われる。
ユキヤは、ウィンチェスターに、
「て、天使族もいますよっ!?」
と、伝えると、
ウィンチェスターは、
「当たり前だっ!いなかったら、来ていないっ!!」
と、応えた。
ユキヤは、
「僕は、戦う意志は、ありませんっ!!」
と、天使族と戦闘をしたくないと、伝える。
すると、ウィンチェスターは、
「構わんっ!天使族は、俺の獲物だっ!!
お前は、神とやらに用が、あるのだろう?
好きにしろっ!!」
と、天使族は、自分が相手をすると伝える。
それを聞いた、ユキヤは、
「分かりましたっ!
僕は、静観します。」
と、応えた。
ウィンチェスターは、
「では、向かうぞっ!!」
と、言って、飛び立った。
ウィンチェスターの後を追って、飛び立つユキヤ。
これが、悲劇の始まりだとは、知らずに・・・。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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また、2作目、[暗殺一家の落ちこぼれ。魔法を極めて、世界を救うっ!!]も、連載開始しました。
宜しくお願い致します。