神の意志
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
〈月〉に住う神の元に、大陸西部の鎮圧が終わった、セラフィムが戻って来た。
神は、セラフィムに、魔王討伐に向かわせた天使たちが、全滅した事を告げた。
流石のセラフィムも、
「なっ!?」
と、驚きを隠せないでいた。
セラフィムは,神に、
「それでは、私が、魔王を殲滅、致しますか?」
と、尋ねると、
神は、
「いや、良い。
天使たちは、また、創り出せば良い。」
と、応えた。
そう、天使族は、神によって、創られた存在だった。
時間をかけて、より強い天使を創ろうと、神は考えた。
神は、セラフィムに、
「しばらくは、静観だ。
其方は、大陸の監視を怠るな。」
と、命じた。
天使族の脅威は、まだ、続くのだった。
一方、帝国にて、皇帝と話し合い(?)を、終えたユキヤたち。
ユキヤの希望で、〈カリーヌの粉〉を、入手したユキヤは、ホクホクだった。
そんなユキヤを見て、ルメールは、
「帝国との友誼と、西部の状況も分かった。
いい加減、西方諸国に、向かうぞ。」
と、次の使命を告げた。
言われた、ユキヤは、
「え、えぇ、そうですね。早く、西方諸国に向かって、現状を確認しないとっ!?」
と、慌てて、本来の使命を思い出した。
ルメールは、
「そうだぞっ!早く、使命を終えて、帰なればならんっ!!
婚約指輪も、完成しているだろうからなっ!!」
と、こちらも、脱線していた。
そうして、帝都を離れ、西へ西へと、馬車を進めている。わ二人。
そこで、ユキヤは、気になっていた事を、ルメールに聞いた。
「西方諸国に行くのは、分かりますが、海はどうします?
馬車は、近くの街で預けるとして、ルメールさんは、船の乗船を、拒否されるかも知れませんよ。」
と、エクスロールの事を思い出して、語るユキヤ。
すると、ルメールは、
「仮にも、コルト商会連合は、冒険者の街と言われているくらいだ。
船の行き来で、乗船を断りはしないだろう。
仮に、駄目なら、ユキヤが空を飛んで、運んでくれれば良い。」
と、応えた。
それを聞いた、ユキヤは、
「そうですか、分かりました。
最悪の場合は、僕が、ルメールさんを運びます。」
と、了承した。
しかし、そんな心配は、不要だった様で、帝国の最西部の街から、船は出ていた。
勿論、ルメールの乗船も許可が降りた。
しかも、馬車ごと、運んでくれるそうだ。
これには、ユキヤたちも驚いたが、物資を運ぶ際に、馬車は、必需品なので、当たり前だと、船員に言われた。
そんな風に、船に揺られながら、西へと進むと、大陸が見えてきた。
徐々に大陸に近づくにつれて、街のあちこちが、無残にも、破壊されている事が、わかる。
そうして、沿岸にたどり着くと、ユキヤは、ある物がない事に気がついた。
それは、魔石を拝借(強奪)した、黒船が、一隻も見当たらない事だった。
魔石を動力源にしていたのに、何故?と、思いながら、とりあえず、情報収集の為、ギルドに向かう。
ギルドは、閑散としており、依頼を受けるどころの話しではないようだ。
掲示板にも、なけなし程度の、僅かの依頼書しか、貼り付けられていなかった。
受付カウンターで、ユキヤたちは、ホルスター王国より、支援の為の視察に来た事を告げた。
すると、受付嬢は、今は、ここイースタンではなく、シースタンの代表が、コルト商会連合を、纏めている事を聞いた。
イースタンと、キースタンは、甚大な被害を負ったが、シースタンと、チースタンは、損害が軽微で、街もそれなりに、機能しているとの事だった。
ユキヤたちは、そのシースタンの代表の居場所を聞くと、一路、シースタンへと、馬車を進めた。
シースタンに着くと、受付嬢が言っていた通り、街の被害は、あまりないように見える。
ただ、街に、活気がない。
案内された、シースタンの代表の屋敷に到着すると、門番に、ホルスター王国からの特使である事を伝える。
すると、門番は、慌てて、ユキヤたちの来訪を迎えた。
屋敷に入ると、家令らしき人物に、来客室へと案内される。
屋敷のあちこちには、高そうな壺や絵画が、飾られていた。イースタンとの落差に驚いていると、部屋に、歳は30歳くらい、金色の短髪、金色の瞳、やや痩せ型の体型をした、男性が入室してきた。
おそらく、その男性が、シースタンの代表だろうと、ユキヤたちは、ソファから立ち上がり、その男性を迎えた。
男性は、ユキヤたちの対面の、ソファの前に立つと、自己紹介を始めた。
「遠路はるばる、痛み入ります。
私は、現在のコルト商会連合を纏めている、ジャイコフ・カフスキーと、申します。」
と、低姿勢で、対応するジャイコフ。
それに対して、ルメールは、
「ご挨拶,感謝する。
ホルスター王国より来た、第一王女のルメール・カサンドラだ。
隣にいるのは、我が国の〈名誉騎士〉、ユキヤ・カナモリ卿だ。
貴国から、支援の要請を受けて、視察に来た。
宜しく、頼む。」
と、応えた。
すると、ジャイコフは、席につくよう、ユキヤたちに勧める。
お互いに、席についたのを確認すると、ジャイコフから、話始めた。
「御二方は、おそらく、イースタンの街を見てから、此方にお越しになったと、思います。
ご覧のように、街は、半壊か、それ以上の被害が出ております。
イースタンは、コルト商会連合で、連合の食糧庫として、機能していた為、今、連合内は、食糧不足となっております。
ホルスター王国には、その支援をお願いしたく存じます。」
と、言って、頭を下げるジャイコフ。
それに対して、ルメールは、
「貴国の現状は、把握した。
国に戻り次第、物資の供給を行うように、国王陛下に進言しよう。安心して欲しい。」
と、要望を了承する。
すると、ジャイコフは、
「ご厚意に感謝致します。
つきましては、対価として、装飾品や美術品を、貴国に献上したいと思っておりますが、いかがでしょうか?」
と、尋ねた。
しかし、ルメールは、
「今,貴国は、大変な状況下だ。
献上は、不要だ。
それらは、売るなりして、復興資金に充てると良い。」
と、応えた。
それを聞いた、ジャイコフは、
「度重なるご厚意に、感謝致します。」
と、返礼した。
そこで、ユキヤは、気になっていた事を、質問する。
「貴国には、帝国より、黒船の襲撃があったと、伺っております。
ただ、僕らが、此方に来る途中、帝国でも、イースタンでも、黒船は、見かけませんでした。
何か、ご存じですか?」
と、聞くと、
ジャイコフは、
「その黒船の事は、此方にも伝わっております。
にわかには信じられませんが、天使族なる者に、沈められたとの、報告が入っております。
なんでも、光の柱?の魔法で、沈めたとか・・・。
イースタンやキースタンも、同様の魔法で、被害が出たそうです。」
と、答えた。
ユキヤは、
(あの光の柱か。
多分、〈ロスト・マジック〉だ。
ウィンチェスターさんの所では、天使族は、使用していなかったけど、局地的殲滅級の魔法だろう。
じゃなきゃ、街にあんなに被害が出る訳がない。
あんなデカい、黒船も沈めたんだ。
喰らったら、ただじゃすなまいだろう。
コルト商会連合には、悪いけど、俺の戦闘の時に、使われなくて良かった。)
と、〈シャイニング〉の危険性を、悟る。
その後、帝国は、新・皇帝に代わってから、侵略行為はしない事などを伝えて、ジャイコフの屋敷をあとにした。
ルメールは、
「食糧不足が、一番の問題だとは、思わなかった。
至急、国に帰らねばならん。
放置すれば、飢える民や、僅かな食糧を巡って、内乱に発達する可能性すらある。
ユキヤ、色々見て回りたいと思うが、自重してくれ。
ホルスターに直行で、帰るぞっ!」
と、連合の内情を加味して、すぐに帰還を促す。
言われたユキヤは、
(天使族が、今まで、どうやって、教皇や皇帝の殺害、戦争の鎮圧をしてきたか、分かった。
もう、戦う事はないだろうけど、手の内が分かったのは、収穫だった。
ここは、素直に従おう。
西部の治安も落ち着いてきた事だし、魔石の確保も出来そうだ。)
と、思い、ルメールの意見に同意する。
しかし、ユキヤの希望とは、裏腹に、神の意志は、魔王討伐を目論んでいるのだった。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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また、2作目、[暗殺一家の落ちこぼれ。魔法を極めて、世界を救うっ!!]も、連載開始しました。
宜しくお願い致します。