婚約指輪(?)
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
〈ダダン〉の街で、傷を癒やし、たっぷりと休息も取ったユキヤは、ツペンタークへと、帰還を急いだ。
〈オンセン〉を、堪能しすぎて、少々、長居してしまったからだ。
(ウィンチェスターさんの所に、報告に行くだけだったのに、〈オンセン〉で長居してしまった。
・・・ルメールさん、怒ってないといいけど。)
と、ウィンチェスターの怒りも、さることながら、ルメールのお説教も、勘弁して欲しいユキヤは、急いで、ツペンタークの屋敷へと、帰還した。
屋敷に到着すると、ジャンたちに、出迎えられるユキヤ。
ジャンに、ルメールの居場所を聞くと、リビングにいるとの事なので、すぐに、リビングに向かう。
リビングの扉を開くと、
「キュアっ!」
と、鳴いて、ユキヤの胸に飛び込んでくるハク。
そんなハクを撫でながら、ルメールに、帰還の挨拶をするユキヤ。
「ルメールさん、只今、戻りました。
ハクの面倒、ありがとうございました。」
と、言うと、
ルメールは、
「うむ、よく帰ってきたなっ!
思っていた程、時間もかからなかったなっ!!えらいぞ、ユキヤっ!」
と、どうやら、怒ってはいないようだ。
それを聞いた、ユキヤは、
(実際は、天使族と戦ったり、〈オンセン〉に浸かったり、〈アユ〉獲ったりしてんだけど、流石に、報告は出来ないな。あっ、そうだっ!お土産があったんだ。)
と、アイテムファイルから、ダイヤの原石を取り出すと、
ルメールに向かって、
「コレ、ハクの面倒をみてくれていた、お礼です。」
と、ダイヤの原石を渡すユキヤ。
すると、ルメールは、
「なっ!?なんて大きさのダイヤだっ!!
つまりあれか、コレで、婚約指輪を作るのだなっ!!
嬉しいぞ、ユキヤっ!!」
と、勘違いを始めるルメール。
ユキヤは、慌てて、
「いや、だから、ハクの面倒を・・。」
と、否定しようとするが、勘違いした、ルメールの暴走は、止まらない。
ルメールは、
「では、早速、装飾品を扱っているお店に、加工の手配をせねばっ!!
ユキヤ、出かけるぞっ!!」
と、強引に、ユキヤを連れ出すルメール。
対するユキヤは、
(くっ!?失敗した。
なんでこうなる事を、考えなかったんだ、俺は。
・・・まあ、喜んでいるようだし、ルメールさんに、付き合うか。)
と、思い、ルメールの指輪作りに、付き合うユキヤ。
宝石店に着くと、店員に、早速とばかりに、ダイヤの原石を見せるルメール。
「コレで、素敵な指輪を作ってくれっ!!婚約指輪なんだっ!!」
と、あくまでも、婚約指輪から、離れないルメール。
ダイヤの原石を、渡された店員は、
「こ、この大きさのダイヤで、指輪を作るのですかっ!?」
と、ダイヤの大きさに、驚いているようだ。
なにしろ、ゴルフボールぐらいの大きさはある。
その後、デザインはこうだとか、指の寸法を測ったりして、大分、時間がかかった。
ユキヤは、
(ヤマト国で、コートを買う時は、あんなにも、あっさり買ったのに、やっぱり、女性にとって、指輪は、特別なんだなぁ。)
と、ユキヤは思っていたが、ルメールにとっては、「婚約」と言う事が、大事なだけで、普通の指輪なら、こんなにも、時間はかけない。
話が纏まると、完成した指輪は、屋敷に届けてもらうように、お願いして、宝石店をあとにする。
ルメールは、
「早く出来ないかな?そうだっ!指輪に似合うドレスも、新調しなくてはっ!!」
と、本当に楽しそうだ。
それに対して、ユキヤは、
(喜んでくれているのは、良い。
ただ、婚約指輪からは、離れて欲しいんだけど。
・・・無駄だな。話を聞いてくれそうもない。)
と、達観していた。
その後も、ドレスの試着などに時間が取られ、一日中、引っ張り回されるユキヤ。
前もって、休息を取ってきて良かったと思う、ユキヤだった。
その後、指輪の完成はまだかと、ソワソワしているルメールの元に、国王からの呼び出しが、かかった。
勿論、ユキヤも、同伴での事だった。
二人は、王都に着くと、王城の王の執務室に呼ばれた。
執務室に入ると、険しい顔をした国王がいた。
何か、あったのか?と、ユキヤたちが思っていると、国王は、語り出した。
「急に呼び出してすまない。
実は、帝国の属国が、反乱を起こした。
幸いと言ったら、おかしいが、またしても、天使族により、その戦いも鎮圧された。」
と、西部の状況を、教えてくれた。
更に、国王は、
「それにより、帝国の治安が悪くなり、帝国より内密に、我が国に、助力を求めてきた。
ただ、今まで、仮想敵国だった帝国だ。
内情を把握しないで、助力は出来ん。
よって、二人には、帝国に赴き、内情を調べてきて欲しい。
帝国が、敵意を持っていないのなら、協力は惜しまん。
この事は、まだ、他の貴族には、伝えていないので、二人も、そのつもりで、事にあたって欲しい。」
と、命じた。
それを聞いた、ユキヤは、
(上手く、交渉出来れば、奴隷の解放をお願い出来るかも知れない。
新・皇帝は、比較的、温厚な人と聞いている。
可能性はありそうだな。)
と、考えた。
更に、国王の話は続く。
「また、西方諸国より、正式に、我が国に、助力を求める親書が、届いた。
我が国は、協力は惜しまんと、返答を出した。
二人には、悪いが、帝国との交渉が終わり次第、西方諸国の状況を確認して来て欲しい。
カナモリ卿には、一度、西方諸国の状況を、報告してもらったが、現状が変わっている可能性が高い。
実際に見て、どれ程の支援が必要か、確かめて来て欲しい。」
と、指示が出された。
ユキヤは、
(西方諸国か。ウィンチェスターさんが、もう一人の天使族を倒したって、言ってたな。
今まで、赴く事を、禁じられいた国だ。
天使族について、何か、情報が手に入るかも知れない。)
と、淡い期待を持って、向かう事になった。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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また、2作目、[暗殺一家の落ちこぼれ。魔法を極めて、世界を救うっ!!]も、連載開始しました。
宜しくお願い致します。