久しぶりの休息
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
ウィンチェスターの居城で、寛容と純潔の天使族を倒した(正確には、ウィンチェスターが倒した)ユキヤは、怒っているウィンチェスターに恐怖して、〈術式強化〉代償の身体の痛みを堪えて、ウィンチェスターの元をあとにした。
そのまま、ツペンタークに帰る事も考えたが、身体の痛みと、〈術式強化〉を使用したことが、ルメールにバレるのを嫌い、滋養の為、神聖王国の〈ダダン〉に向かっていた。
勿論、〈オンセン〉が、目的だ。
この所、忙しすぎて、ロクな休息も取っていなかった為、〈オンセン〉で、身体を休めようと思ったからだ。
〈ダダン〉に着くと、お馴染みの宿屋に行き、早速、〈オンセン〉に浸かる。
〈術式強化〉の代償である痛みが、和らいでいく。
すると、例のお爺さんが、〈オンセン〉に、やって来た。
「あれっ!?ユキヤちゃん、久しぶりじゃな。
また、〈オンセン〉が、恋しくなったのかの?」
と、お爺さんが、ユキヤに話しかけた。
ユキヤは、
「ええ、ちょっと最近、忙しすぎて、疲れが溜まっていたので、〈オンセン〉に来ちゃいました。」
と、応えた。
すると、お爺さんは、
「ほうかほうか、でも、若いからって、無茶はいかんぞ。」
と、気遣ってくれる。
ユキヤは、
「ありがとうございます。気をつけますね。」
と、応えた。
すると、お爺さんが、
「折角、〈オンセン〉に来たんじゃ、今が、旬の食べ物でも食べて帰るが良いわい。」
と、言った。
すると、ユキヤは、
「何が旬なんですか?」
と、聞くと、
お爺さんは、
「〈アユ〉じゃな。〈亜人の里〉のそばの小川で、よく獲れるわい。」
と、答えた。
ユキヤは、
(〈アユ〉っ!?発音が違うけど、鮎に違いない。適度な脂がのった鮎の塩焼き!「じゅるり」食べたいなぁ。
ついでに、クロたちにも会えるし、行ってみようっ!)
と、食欲に負けて、次の目的地を決めてしまう。
お爺さんに、お礼を言い、〈オンセン〉を出たユキヤは、〈亜人の里〉に向かう事にした。
翌朝。
宿屋から出た、ユキヤは、〈亜人の里〉に向かう。
里に着くと、早速、クロの家に向かうユキヤ。
狩りに出かているかも知れないので、その時は、一人で川に向かおうと、思っていた。
すると、クロの家の前で、クロとマロンが話をしていた。
ユキヤは、二人に話しかける。
「クロ、マロン、久しぶりっ!!」
と、挨拶すると、
二人は、ユキヤに気付き、
「「ユキヤにゃっ!久しぶりにゃっ!!」」
と、ハモって、応えた。
クロが、
「どうしたんにゃ?にゃにか、用にゃ?」
と、聞いて来たので、
ユキヤは、
「〈アユ〉が食べたくて、来たんだ。」
と、答えた。
すると、マロンが、
「それは、ちょうど良かったにゃっ!今から、クロと川に行く所だったにゃっ!!」
と、タイミングが良かったようだ。
クロが、
「一緒に行くにゃ?それなら、竿を準備するにゃっ!」
と、言った。
それを聞いた、ユキヤは、
(そう言えば、手ぶらで来ちゃってな。すっかり、忘れてたよ。)
と、今更、気づいた。
ユキヤは、クロに、
「悪いね、竿を貸してくれるかな?」
と,お願いした。
クロは、
「任せるにゃっ!準備出来たら、早速、行くにゃっ!!」
と、言って、竿の準備を始める。
それから、三人で、川に向かい、〈アユ〉釣りを楽しんだ。
旬と言う事もあり、沢山の〈アユ〉が、釣れた。
早速食べようと、火を炊き、〈アユ〉に塩をまぶして、焼き始める三人。
脂の焼ける香ばしい匂いが、食欲を誘う。
焼き上がると、クロが、ユキヤに、
「さあ、食べるにゃっ!!」
と、勧めてくれる。
早速、〈アユ〉にかぶりつくユキヤ。
程よい脂と、バリッとした皮の食感。
〈アユ〉の味を引き立てる塩の塩梅が、絶妙なバランスで、食べる勢いが止まらない。
そんなユキヤと同じく、クロたちも、
「やっぱり出来たては、美味いにゃ!!」
と、食べる手が止まらない。
久しぶりの鮎の味に、舌鼓を打っていると、
クロが、
「ところで、ユキヤは、最近何処に行ってにゃ?」
と、回答に困る質問をしてきた。
〈魔王の所に行ってたとか、天使族とやり合ってきたとか、言えないなぁ)
と、ユキヤは、考え、
「鉱山の街に、行ったりしてたよ。」
と、無難な答えをした。
すると、マロンが、
「鉱山かにゃ?この里の近くにも、洞窟があって、綺麗な宝石が、沢山採れるにゃ♪」
と、言った。
それを聞いた、ユキヤは、
(宝石かぁ。ルメールさんのお土産に、ちょうど良いかも?)
と、考えた。
すると、クロが、
「おんにゃは、本当に、宝石が好きだにゃ。」
と、マロンに向かって、言った。
ユキヤは、マロンに、洞窟の場所を聞くと、二人と別れて、洞窟へ向かった。
洞窟内は、聞いていた通り、宝石が、そこらじゅうに、埋まっていた。
その中から、大粒のダイヤの原石を選ぶと、土魔法で、取り出すユキヤ。
何カラットあるんだろうと、思いながら、アイテムファイルに保存すると、これでルメールの機嫌も取れるだろうと、再び、〈ダダン〉の街に向かうユキヤ。
彼の休息は、まだまだ、続く。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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また、2作目、[暗殺一家の落ちこぼれ。魔法を極めて、世界を救うっ!!]も、連載開始しました。
宜しくお願い致します。