再び、最北端の地へ
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
ユキヤは、帝国で魔石を回収出来なった事を、ウィンチェスターに、報告していない事を思い出していた。
怒らせたら、街どころか、国さえも滅ぼすと、言われているウィンチェスターだ。
このまま、放置するのは、危険かも知れないと思った。
ユキヤは、ルメールに、
「ちょっと、僕、ウィンチェスターさんの所に行って来ます。」
と、言うと、
ルメールは、
「ん?何故だ。まだ、魔石は準備出来ていないだろう?」
と、質問された。
ユキヤは、
「ええ、魔石は、準備出来ていません。
ただ、僕は、ウィンチェスターさんに、帝国で魔石を回収してくると言ってしまったんです。
その間に、〈シャトル〉の準備をしていると、ウィンチェスターさんが、言っていたので、魔石は、しばらく待ってくださいと、報告に行かないと、怒らせてしまうかなって。」
と、憤怒の魔人の怒りに、触れる可能性を指摘する。
すると、ルメールは、
「ならば、私も共に行こう。海は、ユキヤが運んでくれれば良い。」
と、同行を求める。
しかし、ユキヤは、
「いえ、本当に報告行くだけなので、一人で大丈夫です。
むしろ、ヤマト国まで、馬車で移動となると、到着が遅れてしまいます。」
と、同行を拒否する。
すると、ルメールは、
「それでは、また、離れ離れになってしまうではないかっ!!」
と、駄々をこねる。
そんなルメールに、ユキヤは、
「それなら、ハクを置いていきます。
必ず、帰ってくる理由にもなりますし、どうですか?」
と、ハクを預かって欲しいと、伝える。
ルメールは、ユキヤにくっついているハクを見下ろすと、
「は〜、わかった、ハクを預かる。だから、早く帰って来いよ。」
と、言い、ユキヤから、ハクを預かる。
突然、ルメールに抱かれたハクは、
「キュィ?」
と、不思議そうな表情をしている。
ユキヤは、ハクに、
「しばらく、ルメールさんとお留守番しててくれ。いいな、ハク。」
と、伝えた。
すると、ハクは、
「キュィっ!!」
と、気合いの入った声で応えた。
ユキヤとルメールは、
「「はははははっ!」」
と、ハクの気合いの入れように、笑った。
笑い終わると、ユキヤは、ハクに、
「ハク。お留守番は、戦いじゃないんだぞ。
ただ、帰りを待っててくれればいいのさ。」
と、ハクを諭した。
言われたハクは、よくわかっていないようで、
「キュィ?」
と、首を傾げた。
それを見届けたユキヤは、ルメールに、
「それじゃあ、行って来ます。」
と、言った。
すると、ルメールは、
「まだ、魔物との戦闘に、躊躇するなら、逃げるなり、サンクチュアリを使えよ。無理はするなよ。」
と、ユキヤを気遣った。
言われたユキヤは、
「ええ、出来るだけ、遭遇しないように、魔力索敵をしながら、向かいます。
ルメールさんも、ハクの事、よろしくお願いします。」
と、応えた。
すると、ルメールは、
「勿論だっ!夫の留守中に、子供の面倒をみるのは、妻の仕事だっ!!
安心して行くがいい。」
と、また、おかしな事を言い出した。
それを聞いたユキヤは、
(夫っ!?ましてや、ハクが子供だってっ!?
ルメールさんは、いつから、〈アイスドラゴン)の母親になったんだっ!?
・・・いつもの病気だ。放っておこう・・・。」
と、聞かなかった事にした。
こうして、ユキヤは、再び、ウィンチェスターの元に向かった。
ユキヤは、ウィンチェスターの所に向かう途中、キヤノン王国の王都シンセーに寄った。
相変わらず、街は、復興作業に勤しんでいる。
ユキヤは、
(10年程経っても、まだ、復興が終わってないんだ。
天使族が暴れた西方諸国は、復興に、どれほどの時間がかかるんだろう。
帝国のせいで、西方諸国は、いい迷惑だな。)
と、街並みを眺めながら、考えた。
更に、
(これで、帝国の属国が、反乱なんて起こしたら、西部は、無茶苦茶に荒れるんじゃないか?
奴隷となっている亜人やエルフが、心配だ。
帝国にいければ、俺の魔法で、解放出来るんだけどなぁ。
西部には近づくなって、言われてるし、今は、静観するしかないのか・・・。)
と、亜人たちの事が、気にかかるユキヤ。
その後、魔力索敵を駆使しながら、魔物との戦闘は避け、無事、ウィンチェスターの居城に着いたユキヤ。
ウィンチェスターが、怒っていないといいなぁと、思いながら、配下の悪魔に、ウィンチェスターの居場所を聞くと、例のリビングでくつろいでいるとの事なので、そちらに向かう。
部屋の扉をノックすると、
「誰だ?」
と、ウィンチェスターが、言った。
ユキヤは、
「ユキヤです。入っても良いですか?」
と、質問すると、
ウィンチェスターは、
「ユキヤか、入れ。」
と、入室の許可が出た。
ユキヤが、部屋に入ると、ウィンチェスターは、呑気に、お茶を飲んでいた。
ユキヤは、ウィンチェスターに近づくと、
「ウィンチェスターさん、すいません。魔石を回収、出来ませんでした。」
と、素直に謝罪した。
すると、ウィンチェスターは、
「そうか、まあ良い。実は〈シャトル〉の準備も、まだ出来ていない。
元々、魔石10個で、飛ばす予定だったのが、〈フェニックス〉の魔石のせいで、9個になった。
その調整が、まだ終わっていない。まだ、しばらくかかるだろう。
あと、お前がいない間に、また、天使族とやり合ってなっ!
俺は、満足しているから、急ぐ必要もなくなった。」
と、語った。
それを聞いた、ユキヤは、
(え〜〜っ!?また、天使族と、やり合ってたのか、この人。
・・・でも、おかしいぞ?
帝国の内乱に、天使族が現れたって、聞いてるけど、魔王が現れたって報告は、受けてない。どうなってるんだ?)
と、考え、ウィンチェスターに質問するユキヤ。
「ウィンチェスターさん、帝国に行ったんですか?」
と、聞くと、
ウィンチェスターは、
「帝国なんぞに行くか。西方諸国に、また、天使族が現れたんだ。
俺が、殺ったのは、そいつだ。」
と、言って、神槍〈グングニル〉を、ユキヤに見せるウィンチェスター。
ユキヤが、そのアークティファクトに、目を奪われていると、ウィンチェスターが、
「なんだ、欲しいのか?」
と、聞いてきた。
ユキヤは、慌てて、
「っ、いえっ!?そんな物騒な物、いりませんっ!」
と、断った。
ウィンチェスターは、〈グングニル〉を、手元で転がしながら、
「アークティファクトだそ?人族では、貴重なんじゃないのか?」
と、譲る事に、躊躇がないようだ。
しかし、ユキヤは、
(天使族が持っていた物を拝借すると、後で、神様とやらに、恨まれるかも知れない。
ノリス爺には悪いけど、俺自身は、持ちたくない。)
と、思い、
ウィンチェスターに、
「本当に、結構ですから・・・。」
と、拒絶した。
すると、ウィンチェスターは、
「そうか、なら良い。俺が使ってみるか?」
と、言った。
すると、ユキヤは、話を変えようとして、魔石の目処がたっている事を伝えた。
一応、謝罪もしたし、魔石の件も伝え終わったので、帰ろうとしたら、ウィンチェスターが、それを制した。
「ユキヤ,喜べっ!客人が来たようだっ!!」
と、ユキヤに伝えた。
ユキヤは、お客さん?と、よく分かってないようだ。
すると、ウィンチェスターが、
「外に出るぞっ!着いて来いっ!!」
と、強制的に、ユキヤを連れ出した。
これが、ユキヤにとって、非常に迷惑な事になるとも知らずに・・・。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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