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異世界の事情  作者: ボッチー
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暴食と節制

初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。

〈月〉に住う神は、西方諸国の戦い、そして、教皇、帝王の抹殺、内乱の鎮圧が出来た為、次の争いの火種となりうる、魔王を討伐する為、天使族を、再び、大陸へ派遣する事にした。


神は言う。


「ウリエル、ミカエル、ラファエル、ガブリエル。

其方らは、大陸に降り、魔王を討伐せよ。」


「「「「はっ!!」」」」


と、応える天使族たち。

神は、


「憤怒は、厄介だ。よって、憤怒には、ウリエル、ガブリエルの二名があたれ。

そして、傲慢には、ミカエル。

暴食には、ラファエルがあたれ。

あと、セラフィム。

其方は、西部の監視をし、戦争が再び、起きた場合に備えよ。」


こうして、天使族と魔王の戦いが始まろうとしていた。



ホルスター王国の西部、荒れ果て大地に、相変わらず、座り込んでいた、暴食の魔人、カイザー。

今日も彼は、腹を空かしていた。


「・・・腹が減った。」


そんな彼の上に、光の柱が立った。


ラファエルが、放った〈シャイニング〉だった。


しかし、光の柱が消えても、そこには、暴食が鎮座していた。

ラファエルは、カイザーに近づき、


「私は節制の、ラファエル。神の意志により、貴様を断罪する者。」


と、名乗りを挙げたが、

カイザーは、ラファエルを無視して、


「・・・腹が減った。」


と、再び、呟いた。

それを聞いたラファエルは、


「ならば喰らえ。〈シャイニング〉っ!!」


と、再び、〈シャイニング〉を、カイザーに放った。

しかし、なんとカイザーは、その口を開き、言葉通り〈シャイニング〉を喰らう。


あまりの常識外れの行動に、固まるラファエル。


すると、やっと、ラファエルの存在に気づいたのか、カイザーが、ラファエルを見据える。

そして、ラファエルを見て、


「・・・腹が減った。」


と、呟いた。

ラファエルは、その異常な視線に、恐怖を感じると、神槍〈ネプチューン〉で、カイザーの腹を刺した。


手応えがあったっ!と、ラファエルは、その恐怖から解放されたが、どうも様子がおかしい事に、気付く。

〈ネプチューン〉を引き抜こうとしても、びくともしないのだ。

すると、カイザーを見ると、その両目が紅く光っている事に気付く。


〈暴食の魔眼〉だ。


〈暴食の魔眼〉を発動させたカイザーは、その腹に、エイ○アンのような、グロテクスな、何本もの牙を生やした大きな口を出現させていた。

その口が〈ネプチューン〉を咥えていたのだ。


あまりの常識外れの光景に、固まるラファエルを放置して、

カイザーは、腹の大口で〈ネプチューン〉を喰らいだした。


慌てて、〈ネプチューン〉を引き抜こうとするラファエル。

しかし、〈ネプチューン〉は、「ムシャムシャ」と、その腹の大口で、喰べられていき、徐々にその長さを失った。


〈ネプチューン〉のつかを、慌てて、放すラファエル。


「ば、化け物めっ!?」


と、言って、距離を取り、再び、〈シャイニング〉を放つも、それすら、その大口で喰われてしまう。


すると、今度は、カイザーの腹の大口が、身体から飛び出し、ラファエルを襲う。

慌てて、回避を試みるも、ラファエルの右腕が、その口に捕われる。


「ブチブチっ!!」


と、音を立てて、引き千切られるラファエルの右腕。

あまりの激痛で、


「ぐあっ!!」


と、悲鳴をあげるラファエル。

そのラファエルの右腕を、「ムシャムシャ」と、喰らうカイザーの腹の大口。

ラファエルは、苦し紛れに、〈シャイニング〉を連発するが、全て喰われてしまう。


このままでは、自分自身も、喰われてしまうと思ったラファエルは、天使族でありながら、恐怖のあまり、その場から、逃げ出そうとする。

しかし、カイザーは、狙った獲物は、逃がさない。


その腹の大口が、更に、伸びると、ラファエルの左脚に喰いついた。


「くっ!!は、放せっ!?」


と、ラファエルは、叫ぶが、カイザーの腹の大口は、離さない。

それどころか、どんどんと、ラファエルの身体を喰らい始める。

なんとか、脱出を試みるも、血吹雪をあげながら、徐々に、身体を喰われるラファエル。


「やっ、止めろっ!!止めてくれーっ!!」


と、断末魔をあげるラファエル。


しかし、カイザーは、喰べる事を止めない。

「ムシャムシャ」と、一心不乱にラファエルを腹の中に収めるカイザー。


必死に逃げようと、残った左腕を伸ばした姿勢のまま、カイザーに喰われてしまうラファエル。


「ごっくんっ。」


と、ラファエルを喰べ終わると、

カイザーは、再び、


「・・・腹が減った。」


と、呟き、その場に留まるのだった。


構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。

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宜しくお願いします。

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