新しい世界
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
念のため、夫人にはヒールもかけた。
長年寝たきり状態だったせいで、体力が落ちていたらと思ったからだ。
その夜の夕食は宴会になった。
長年、家族を苦しめていた夫人の瞳が、元に戻ったからだ。
勿論、俺も同席している。
本当は家族水入らずで、お祝いして欲しかったが、どうしてても参加してほしいと、公爵一家に頼まれて、参加している。
公爵は余程嬉しかったのか、ワインをガバガバ飲み、酔っぱらいになっている。
挙句に、エミナをくれてやるなどと、自分に絡んで来る始末。
当のエミナは、お父様ったら!と、満更でも無い反応。
夫人も夫人で、コレで孫の顔が見れると、ご満悦だ。
自分は自分で、結婚は無しにしても、自分の力が人の役に立てた事に喜びを感じていた。
結局、今夜は、ハドリアス邸で、お世話になる事になった。
公爵と夫人の仲がより深まった日となったのだ。
孫より先に、エミナの姉妹(弟)が増えるに違いない。
な〜んて、思いながら、あてがわれた部屋で、窓を開けて、風に浸っていた。
決して酒を飲んではいないが、なんとなく、酔った気分なのだ。
目覚めたら、少年の姿で、異世界転生。
テンプレ展開で無双してたら、お貴族様を助けて、縁が出来た。
余りに、都合が良い展開に、自身も酔ってしまったのかもしれない。
これで寝て、起きたら、元の世界だったら、中々味のある夢だったと、思えるのかな?
それとも、すぐに忘れてしまうのかもしれない寂しさで、なかなか寝付けないでいた。
忘れてしまうとしても、夫人の瞳を直した記憶だけは、残って欲しいものだ。
他人だが、初めての親孝行だ。
忘れたくはなかった。
そんな事を考えているうちに、今日一日の疲れが出たのか、その晩はぐっすり眠ることが出来た。
・・・・
・・・・
・・・・。
朝を迎えた。
「・・・知らない天井だ・・・。」
またもお約束のセリフを吐いた。
どうやら、ここはハドリアス邸。
転生は夢では無かったようだ。
安心とも言えない、不思議な感覚に身を包まれながら、身体に違和感がないか確かめてみる。
姿見の鏡で自分を観る。
やはり、子供だ。
整った容姿に、蒼い瞳。
銀髪の美少女(美少年)がそこにいた。
もういい加減、夢ではないことは分かった。
でも、謎が多すぎる。
自分は一体何者なのか?
手掛かりになるものは、この白いローブだけ。
余りにも情報が足りない。
この世界にしても同じだ。
この街はツペンタークだと言う事は、分かった。
あと、自分が最初にいた場所が、災害指定地域・魔の森だと言うことぐらい。
地球のように丸い惑星なのか?
国家は?
魔物もいるのだ。
種族は人以外もいるのかも知れない。
分からない事だらけだ。
このまま、客人として、ハドリアス邸に留まることも可能だろうが、やはり、外の世界が知りたい。
自分自身も知りたい。
ほんとの意味の自分探しをするとは、夢にも思わなかった。
でも知りたいんだ、自分とこの世界を・・・。
朝、食堂にて、ハドリアス邸から出て行くことを伝えた。
公爵は何か不備があったのか尋ねた。
夫人は、ただ見守っていた。
エミナは反対した。
でも、俺の決意は変わらなかった。
街を離れる訳じゃ無いよと、エミナを諭し、街を離れる時は、伝えに来ることをハドリアス公爵に伝えた。
納得してはくれなかったが、渋々、了承を得ることが出来た。
朝食後、すぐに経つこと告げると、エミナが泣いた。
可哀想だけど、ここで立ち止まってしまっては、何も変わらない。
心を鬼にして、ハドリアス邸を出た。
(さぁ、新しい世界の始まりだ!・・・ただ、その前に着る物なんとかしないとね。)
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
ブックマーク、いいね、☆評価も頂けると、励みになります。
宜しくお願いします。