ローブの素材
初投稿なります。ボッチーです。思いつくまま、成り行き任せの投稿です。優しく見守ってください。宜しくお願いします。
神聖王国にて、新・女王、ルナ・ホワイトとの謁見を終えたユキヤたちは、報告のため、ホルスター王国の王城に、帰還していた。
謁見の間にて、ルメールが、神聖王国と友好関係を持てた事を報告したが、国王の顔色が優れない。
何か、不備でもあったのかと、ユキヤとルメールが考えていると、国王は、重い口を開いた。
「・・・ご苦労であったな、ルメール、そしてカナモリ卿。
・・・実は、其方らの不在の間に、火急の報告があった。
トンプソン帝国の皇帝、コンテンダー・トンプソンが、亡くなった。」
と、語った。
ユキヤたちは、教皇に次いで、皇帝までもが、亡くなった事に、絶句した。
更に、国王の話は続く。
「報告によれば、またしても、天使族による犯行らしい・・・。
・・・おそらく、いや確実に、帝国で内乱が起きる。
彼の国は、後継者が決まっていなかったからな。
これで西側は、更に荒れるな。」
と、西側の情勢を、予想した。
「よって、特に、カナモリ卿。貴公は、西側には、絶対に赴くな。
何が起こるか、わからん。
ルメールも、カナモリ卿が無茶をしないように、監視しておけ。」
と、警告を受けるユキヤたち。
大陸の情勢は、不安定さを増すのだった。
西側の情勢が、よりいっそう荒れるとの事なので、魔石の件も、更に保留となったユキヤは、この期間はどうしようと、考えた。
〈月〉にも行けず、天使族とも会えず、出生の謎について、調べる手立てがない。
そう思っていたが、そう言えば、一つだけ、解決していない物があったと、思い出す。
それは、転生時に着ていた、ローブだ。
なんの素材で出来ているのか、誰か作ったのか、不明だった事を思い出して、折角、王都に来ているのだから、調べてみようと思うユキヤ。
そうと決まれば、王都の防具屋に向かおうと、ルメールに相談した。
すると、ルメールが、王都で一番有名な防具屋に、案内してくれる事になった。
早速、その防具屋に向かう、ユキヤたち。
店の名前は、〈ブースター防具店〉。
王都で、一二を争う、技術を持った職人がいるお店だ。
店内に入ると、豪華な鎧や、見た目からして丈夫そうな鎧、色とりどりのローブが、陳列されていた。
店のカウンターには、少女のような店員がいた。
カウンターに向かい、少女に話しかけるユキヤ。
「あの〜、すいません。ちょっといいですか?」
と、尋ねると、
少女は、
「なんだい?防具の見立てかい?」
と、見た目にそぐわない喋り方で、応えた。
ユキヤは、アイテムファイルから、例のローブを取り出すと、
「コレの素材って、わかりますか?」
と、質問した。
すると、少女は、
「あ、あんた、どっから、出したんだいっ!?」
と、驚かれてしまった。
ユキヤは、
「あ、これ、物を収納する魔法なんです。」
と、答えた。
すると、少女は、
「そんな魔法、聞いた事もないけどねぇ・・・。
まぁ、いい。ちょっと、見せてごらん。」
と、言って、ローブを調べて出す。
すると、少女は、
「う〜ん、ちょっと、あたしには、わからないねぇ。旦那を呼んでくるから、ちょっと待ってな。」
と、言った。
ユキヤは、旦那?こんな少女を嫁に貰うなんて、なんてロリコン野郎だっ!と思っていると、それに気づいたのか、少女が、
「あたしは、これでも、あんたより年上だよ。ドワーフだからね。」
と、ユキヤに伝えた。
言われたユキヤは、
「す、すいませんっ!?てっきり、同年代の方だと思っていましたっ!」
と、謝罪した。
すると、そのドワーフの女性は、
「いいさ、よく間違われるからね。まぁ、待ってな。」
と、言って、店の奥に入って行った。
ユキヤはと言うと、
(そうか、それもそうだな。ドワーフにだって、女性はいるんだ。見た目で、勘違いしちゃったよ。
旦那さんが、異常性癖者じゃなくて、良かった。)
と、失礼な事を考えていた。
すると、奥から、髭もじゃのドワーフが現れた。
ドワーフの旦那は、
「何か、かわったもんを持ってきたようじゃな?」
と、ユキヤに質問した。
ユキヤは、
「コレなんですけど、何の素材で作られているか、わかりますか?」
と、再び、ローブを見せる。
すると、ドワーフの旦那は、ローブを広げたり、手触りを確認し、
「こいつは、魔道具だな。」
と、答えた。
ユキヤは、
「えっ、コレって、魔道具だったんですか!?」
と、驚いて、質問を重ねた。
ドワーフの旦那は、
「間違いない。着るやつのサイズに合うように、大きさが変わる魔道具じゃ。
素材は、〈グレータータランチュラ〉の糸じゃな。」
と、教えてくれた。
ユキヤが、
「〈グレータータランチュラ〉?」
と、疑問に思っていると、ルメールが、
「〈グレータータランチュラ〉は、S級の魔物だ。」
と、教えてくれた。
なので、ユキヤは、ドワーフの旦那に、
「コレの加工って、誰にでも出来るものなんですか?」
と、質問した。
すると、ドワーフの旦那は、
「とんでもないっ!こんな加工を出来るやつが、ゴロゴロいたら、うちなんて、潰れちまうわっ!!」
と、答えた。
それならばと、ユキヤが、
「コレの加工をした人に、心当たりがありませんか?」
と、聞くと、
ドワーフの旦那は、
「う〜ん、〈ドラン〉の街のノリス爺なら、出来るかもしれん。」
と、答えた。
ユキヤは、ルメールに、
「〈ドラン〉の街って、何処にあるんですか?」
と、聞くと、
ルメールは、
「〈ドラン〉なら、王都から南東にある、鉱山の街だ。」
と、答えた。
すると、ユキヤは、
「なら、〈ドラン〉に行きたいです。」
と、ルメールに伝えた。
その話を聞いていた、ドワーフの旦那は、
「ただ、ノリス爺は、偏屈じゃからなぁ。聞いても、教えてくれんかもしれんぞ?」
と、言った。
それでも、ユキヤにとっては、数少ない情報源だ。行かない訳には、いかない。
なので、ユキヤは、ドワーフの旦那に、
「とりあえず、行くだけ行ってみます。ありがとうございました。」
と、言って、店を出た。
ルメールが、
「〈ドラン〉までなら、馬車で2日だな。今から出るか?」
と、聞いてきたので、
ユキヤは、
「ええ、時間がある内に、行きましょうっ!」
と、言った。
こうして、ローブの製作者かもしれない、ノリス爺の元に、向かう事になった。
構想、数年の作品です。初投稿故の、誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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