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雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


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参観            :約500文字

 とある小学校。今日は初めての授業参観の日。子供たちだけでなく、教室の後ろに並ぶ母親たちもどこかそわそわしている。

 今日の授業は、子供たちが事前に書いた作文の発表。テーマは『自分の家族について』。

 一人ずつ、緊張した面持ちで作文を読み上げていく中、とある子供の番が回ってきた。


「ぼくのママは怪獣です」


 教室に、どっと笑いが起こった。作文を読み上げている子の母親も、照れくさそうに笑いながら周囲の母親たちと視線を交わす。


「あくびは大きいし、ぼくをガミガミしかります」


 また笑いが起こる。子供も自信がついたようで、声に張りが出てきた。


「ドアを閉める音は大きいし、怒ったら物を壊すし、この前、パパをぶったらパパは動かなくなりました。そしたらママは、パパをゴロゴロに入れてどこかへ連れていきました。ママは帰ってきたけど、パパはまだゴロゴロの中かなあ。狭くて暗いから、パパも反省しているだろうし、早く出してあげてほしいです」


 子供は満足げに作文を閉じた。

 しんと静まり返る教室。周囲からそっと視線を向けられる母親。

 その顔は確かに、見る見るうちに怪獣のように……。

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